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コスパに優れる革靴とはどんな靴か -革靴を長持ちさせる4つの心構え-

SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)というシューブランドをご存知でしょうか。

カタカナで書くと海外のブランドかな?と思われる方もいらっしゃいますが、

れっきとした国産ブランドで東京墨田区の『ヒロカワ製靴』の商標です。

メイドインジャパンでこれほどコストパフォーマンスに優れるシューメーカーはないと言っても良いです。

インポート靴も良いのですが同じ価格帯で同レベルの品質のものはありません。(現地購入は別ですが)

革靴の製法

まず大前提として、革靴の製法の話になるんですが、

アッパーと底をどのように合わせるかによって製造過程が異なります。

いろいろ有るのですが分かりやすく3種類に絞って簡潔に説明します。

  • セメンテッド製法:アッパーと靴底をセメントで加圧密着する。浸水耐性は高いが、一度穴が空いたら修復は不可能。低コストで大量生産に向いており、1万円以下の革靴は99%この方式。
  • マッケイ製法:アッパーとアウトソールを直接縫い付けする。直接縫い付けるためアッパーを強く吊り込むことができ、靴下のような安定した履き心地を実現。2〜3回ならアウトソールの交換が可能。イタリア靴やローファーに多い。
  • グッドイヤーウェルト製法:クッション材を覆う中底、アッパー、コバ(ウェルト)の3点を縫い付けた後、コバとアウトソールを縫い付ける方式。製造過程が多く複雑でコストが上がるが、丈夫で重厚感の有る靴ができる。アッパーに裂傷が入らない限りは何度でもアウトソールの交換ができ、世代を超えて受け継がせることも可能。英国靴・米国靴に多く見られる。

スコッチグレインは、このグッドイヤーウェルト製法を取っており、アウトソールが劣化してもその部分を交換することで半永久的に履き続けることが可能です。

さすがにアッパー部分が破れたりすると修復は困難ですが、それでも10年くらいは平気で持ちます。

価格帯は3万円前後といったところ。グッドイヤー製法を取っているシューメーカーの中で最安クラスであるものの普段使いには十分すぎる性能です。

割高なのか否か

私も好んで使っていますが、

同僚・上司・顧客「その靴おいくら万円したの?」

    私          「3万ちょいくらいですねぇ」

同僚・上司・顧客「えっ!?高っ!」

こんなやりとり、腐るほど発生しています。

一般的に革靴って安ければ¥5,000〜、履ければ何でもいいと考える一般的な会社員が少し頑張って買ったとしてもせいぜい¥20,000くらいが平均でしょう。

それらと比べたら確かに価格は高いのですが、コストが張る理由はお伝えした通り。

私としては「グッドイヤーの革靴なんだけど、3万円って高いの?」と逆に疑問なのですが、少なくとも自分の上司にはそれ以上のものを履いてもらわないと格好つかないと思うんですよね。

メンテナンスも面倒だし、履き潰しては新たに買い足しっていう考えも否定はしません。

何に重きを置くかは人それぞれなので、それに口出ししたり是正しようとも思いませんが、

まずはこのスコッチグレイン、いかにコスパに優れるかを計算してみましょう。

 

比較対象は多くのサラリーマンが使っていると思われる¥10,000程のセメント靴、これを1年で履き潰して買い換えると想定します。

一方、スコッチグレインは最初に2足買ってローテーション履きして、5年に一度オールソールして復活させます。

オールソールというのは傷んだ靴底全体を一新させること。料金は1〜2万くらいです。

10年間通した場合の通算コストは下記のようになります。

グッドイヤー靴は靴磨き等のメンテナンスが必要なので、毎年少なからず維持費が発生します。

ただし1足当たりの耐用年数は非常に長いので、適切なメンテさえ怠らなければ10年以上は余裕で使えます。

試算した通り、毎年買い換える場合と比べても、金額的にそれほど大きな乖離はありません。

また10万クラスになるとほぼグッドイヤーを採用していますが、長く使えるとは言ってもイニシャルコストがデカすぎます。

このクラスになると、革の質はもとより、デザイン、縫製技術、メーカー理念等に共感できる人が買われるので、コストパフォーマンスは度外視の好みの世界、趣味の世界です。

3万クラスのグッドイヤー靴もそれなりにしっかりした革を使っており、オールソールも可能と、最もバランスが取れているので、普段履きする革靴の最善の選択と個人的には思います。

ちなみに私は社会人なりたての頃は1万円代の靴を履き潰すタイプでしたが、

3年目あたりにそこそこ拘りたいと思ってスコッチグレインを購入し、革靴の魅力にハマっていくようになりました。

履き潰した場合でも維持費がかかりますから、上質な物を長く使うことは長期的な視点で考えると安く済むこともあります。

ただし、良い靴も手を加えぬまま履き続けていくと安物の靴と同じようにあっという間に朽ちていきます。

美しさを維持するためのメンテナンスが伴って初めてコストパフォーマンスを実現できるのです。

メンテナンス

3万前後のグッドイヤー靴のコスパの良さを語りましたが、メンテナンスは避けることができません。

「靴磨きって面倒くさい…」と感じる方が多いと思いますが、ここでは簡単にできるメンテの基礎を4点にまとめます。

これさえやっておけば革靴の寿命を大幅に延ばすことができるので実施してみて下さい。

逆にこれを怠ると、どんなにクリームを塗り込んだり鏡面磨きしても台無しです。

 

シューホーン

革靴を履く時に、踵を踏んでいませんか?

実はコレ、革靴にとって非常に良くないことで 、踏んだ側からシワが広がっていってしまいます。

外観に関わる部分ですので、革靴を履く時はシューホーン(靴ベラ)を使う癖をつけるといいでしょう。

また私はあまり靴で人を判断したりはしないのですが、世の中には「足元を見てくる」人も多くいます。

「踵を踏んでいる」ということは、「時間に余裕がない」「楽な姿勢を改善する気がない」「モノを大事にしない」

足元が整っていないだけでナメてかかってくる人種がいるということを忘れてはいけませんよ。

ローテーション履き

1足の革靴を履き続けるのと、3足の革靴をローテーションさせるのでは、1足当たりの寿命が全然変わってきます。

例えば毎日履き続けると半年しか持たない革靴を3足でローテーションさせると3年持ちます。

靴に限らず革製品は毎日酷使しているとすぐに傷んでしまいます。

ですので1日使ったら休ませてあげることが何よりも重要で、2足ローテでも劣化の速度を大きく抑えることができます。

1足履き潰し型の方でも、次に購入する靴を先取りして買っておいてローテーションさせてやると、購入スパンを長く持つことが可能となります。

シューキーパー

革靴の形を保護する木型です。役割としては「形態維持」と「水分吸収」です。

革靴はそのまま放置しておくと革の張り込みが緩くなってきて形が崩れてきてしまいます。

新品の靴の内部には多くのケースで形態記憶させるための素材が入っていると思います。

履いていない時は、その靴のサイズにあったシューキーパを中に入れて保管するようにしましょう。

 

また革靴を履くと足から放出された汗が染み込んでいきます。

1日に足からどれだけの汗が出るかというと、なんと”コップ1杯分(約200ml)です。

外回り営業マンならもっと多いかも…

脱ぎたてホヤホヤの革靴内部は超高湿度で、

これだけの水分が靴の内側から常時入り続ければそりゃ劣化も早くなるのですが

木製のシューキーパーを入れてやることで内部に溜まった水分を吸着してくれます。

シューキーパーを入れておく期間は脱いでから1〜2日間でいいでしょう。

少なくともこれくらいは置いておくべきで、一晩だけ入れておいても水分吸収という意味合いではそれほど効果はありません。

ブラッシング

さてこれが一番難易度が高いかもしれません。

ここでいうブラッシングとは、汚れを落としたり色付け用のカラークリームを塗ったりすることではありません。

脱いだ後の「埃落とし」です。

履いて歩いているうちに、目に見えない粉塵が靴表面に沢山付きます。

これが積み重なって重度の汚れになったりカビを発生させたりする主原因となります。

固着する前に、脱いだ側から擦ってやれば簡単に落ちますので、サッとブラシ掛けをしてあげましょう。

軽くシャッシャと掃くだけで良いので所要時間は10秒足らずです。

 

またこれを繰り返していくうちに、革靴表面の溶剤(クリーム)がブラシに移っていきます。

軽くブラッシングをするだけで革に輝きを与えられる域に達すれば、クリームを塗ったりする必要はありません。

何せ脱いだ直後のブラシだけでピカピカになるんですからね。これ以上に楽なことはありません。

 

以上、4点となります。

これさえやっておけば面倒なクリーム塗りなどしなくて問題ありません。

毎回続けるのは大変かもしれませんが、履く時と脱ぐ時に、ほんの少しの手を加えてやるだけで見違えるようになりますよ。

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