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話題沸騰中のTFZ EXCLUSIVE KINGをしっかり聴いてきました。

手軽に使えるサブ機として欲しいので所感をまとめます。発売直後から店に行くたびに手に取っており通算2時間くらいは試聴していると思います。そこまでするならもう買っちゃえよって話ですが、セール入りしたら買おうと考えています(セコい)

毎度のことながら内部構造やらドライバの特色といった技術的な側面は他に良い記事が出ているので触れません。

THE EXCLUSIVE KINGの仕様

TFZとは2015年に中国深圳で誕生したという新興メーカーです。The Fragrant Zitherの略だそうです。

TFZの特徴としては、ダブルマグネティックサーキット(デュアル磁気回路)とグラフェンドライバにより解像度と音場を向上させ、高い原音再生能力を発揮します。同じEXCLUSIVEシリーズの1/3/5は9mmドライバーに対して、このKINGは12mmドライバーとなっています。インピーダンスと感度はKINGが「12Ω・110dB/mW」と音量の取りやすい仕様で、ワンランク下の5は「32Ω・107dB/mW」と最も鳴りにくくなっています。

周波数帯域は5Hz〜40,000Hzでハイレゾ対応。だからと言って音が良いというようなものではありませんし、そもそも40,000Hzなんて可聴域から外れていますから精神衛生上の問題ですね。

THE EXCLUSIVE KINGは、旧ラインナップSERIES 5Sを基に音質面で進化させたモデルで、KINGの名に恥じないオールマイティなサウンドを聴かせてくれます。筐体には電解純銅を採用、その上から貴金属メッキを施すことで、見た目にも拘っていることが伺えます。

リケーブル可能ですが、この価格帯のユニバ機に何万もするケーブルは付けないでしょうし、もし断線しても買い直した方がいいような気もします。もともと取り回しの良いケーブルが付いてきますし、付属ケーブル単体で販売してくれると嬉しいですね。

カラーはアイスブルーとダークグレーの二色展開、いずれもメタリック。賛否のあるデザインですがどちらの色も安っぽさがなくカッコイイです。

付属品も充実していて、シリコンイヤーチップ2種3サイズ(S/M/L)が各1ペアずつ、ウレタンイヤーチップ1ペア、ケーブルクリップ、ケースが付いてきます。

装着感

ユニバ機の装着感は個人差が激しいものですが、私の耳には極めて良好なフィット感でした。

いくら音が良くても耳に合わないなら、買ったとしても使わなくなるのは火を見るより明らかですからね。ここ最近ではそういうフィット感を蔑ろにした機種も多数出ているのですが、筐体形状がよく考えれていると思います。同価格帯ならSHURE215のようなあらゆる耳形状に合うような造りではないかもしれませんが、個人的にはそれと同じレベルで快適でした。

筐体重量は約33g。ワンランク下の5もほぼ同じ重量ですが、そちらの方がサイズが小ぶりなので重く感じました。密度の問題で筐体の大きめなKINGは軽く感じるかもしれません。

ケーブルは銀メッキ線で柔らかめ。最初から取り回しの良いケーブルが付属するのはポイントが高いです。

価格と音質

1万円台という値段を見て、ナメてかかったら痛い目を見たクチです。価格設定は海外99ドル、国内正規品は約17,000。保証なしなら送料含めて12,000程度で買えますが、幾分かプラスで出して安心を買った方が良さそうです。アンダー2万でこのクオリティなら誰も文句言わない出来です。Amazonでも並行輸入品が出ていますが、なぜか国内正規品よりも高く出品されているものもあるので手を出さないようにしましょう。

音質に関してはよくドンシャリという評価がなされていますが、そこまではっきりハイとローが強いとは思いませんでした。確かに低域の押し出しが強めなのですが、腰の座った重い低音ではありません。重厚な低域を期待すると「なんだ、こんなものか」と拍子抜けします。とは言え十分な量感で各パートを上手に分離させてくれるので飽きさせない面白い音だと感じました。

高域は刺さるレベルではなく、この価格帯にしては解像度が高めです。ボーカルの掛かる中域はやや引っ込みがち。ただし程よくスピード感があるので遠く鳴っているという印象は受けませんでした。ウォームかクールかで言うと断然クール系で、低価格のダイナミックにありがちなボワボワした篭りを感じさせません。

一言で表すなら「大雑把に楽しいサウンド」細かいところに注目すると、ベースラインに粗があったり、超低域や超高域まで手が届いていません。そこまで求めるのは酷というもので、どんなプレイヤーでもメリハリを効かせた音を放出してくれる万人受けする機種だと思います。

またダイナミック型ということでエージングしたらどうなのか、という話もあります。個人的にダイナミックドライバはエージング効果ありと思っているのですが、先日開催された試聴会で尋ねてみたらメーカーとしても100時間以上のエージング推奨とのこと。この部分は実際に購入してから触れてみます。

またTHE EXCLUSIVE KINGの礎となったSERIES4と比較すると、KINGの方が低域にフォーカスが掛かった音作りがなされています。どちらも分離感が強い点は共通しており、SERIES4はまったりクリアなモニター系、KINGは帯域バランスの良いリスニング系と明らかに設計思想が異なります。SERIES4は生産中止となっているので入手困難かもしれませんが、こちらも1万円前後ですのでチャンスがあれば取ってみたいと思います。

そうそう試聴環境を書いてなかったです。DAPはAK240とiPhone6sPlus、音源はFLAC16bit/44.1khzでジャンルは邦ロック/ポップス(アニソン含む)/エレクトロ(ゴリゴリ)です。iPhone6sでも同じような傾向で、付属品から確実にステップアップできますね。余談ですが最近のiPhoneって直挿しでも充分聴けるレベルの音質で感動しました。

買いか否か

間違いなく「買い!」の一声です。これまで20万以上のカスタムまで手を出してきた私ですが、この価格でこのクオリティならサブ機としてほしい。複数本使い分けているマニアから、これまで付属イヤホンしか使ってこなかったビギナーまで、幅広く楽しめる良機種です。

「もし2万円くらいの予算でイヤホン考えているんだけど…」って相談を受けたら、THE EXCLUSIVE KINGは推奨できそうです。他にオススメするならMA750とかDN1000とかHEAVENⅣとか。他とは一線を画した特徴がないと手に取ってもらえない、競合の多い価格帯ですので、このKINGもアンダー2万の定番機種になってほしいですね。

そのうちセールが入ったタイミングで買うと思うので、更に言いたいことがあれば追記します。

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