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究極の回転体、ドイツのLightweightのホイールをレンタルできる機会があったので、1ヶ月使用してのインプレッションをまとめたいと思います。

50万超のホイールでレンタルサービスを行っているところはないのですが、知人の知人にLightweight社との繋がりが深い方を紹介してもらえたこともあり、有難くお借りすることとしました。このまま買い取ってしまいたくなるほど良かったのですが、ランデーライダーの私には不要の産物ということを思い起こして何とか踏み止まりました。流石はプロが自費でも買って使いたくなるほどのホイール…

スペック

MEILENSTEIN TUBULAR

  • 公称重量 F:475g R:625g →実重量 F:480g R:630g
  • リム高 47.5mm
  • リム幅 20mm
  • スポーク数 F16/R20
  • 許容総重量 100kg

重量の誤差はフロントリア共にプラス5gと超優秀。使用した秤が5g単位の大雑把なものなので実際にはもう少し誤差は少ないかも。黄色に黒字のフランスメーカーと比べたら月とスッポンです。全てハンドメイドで作られており、全てのパーツの精度が限りなく100%に近くなければ公称値±1%という値は出ないと思います。

リム高は一般的なディープリムでフロントリムの軽量っぷりから横風には煽られるのですが、一度スピードに乗ってしまえば後は勝手に回ります。リム幅も昨今の各メーカーがワイドリム化 している事情に反するように昔ながらの細身のリム幅を貫いています。個人的に細かろうが太かろうがどうでもいいと思っていますが、重量を気にするならば細い方がいいに決まっています。

インプレッション

使用フレームはTIME VXRS、コンポーネントはShimano デュラエース9000系です。ホイールとしての比較対象はZIPP404とBora One50です。比較項目は加速性、巡航性、制動性、ブレーキング、ヒルクライム、ダウンヒルの6項目です。

加速性

ゼロ発進から40km/hくらいまでの中速と、40km/h前後から55km/h前後までの加速性能を比較しました。まず既存のZIPP404はゼロ発進はやや重た目ですが、前後で1800g以上の鉄下駄のように踏んでもなかなか速度が上がらない感じはなく、踏み込んだらスゥーっと加速していきます。私の脚力がひ弱なのか中速帯からの加速はかなり頑張らないと55〜60kg/hが出ません。Bora One50はZIPP404より100g以上軽量なのでゼロ発進からの加速はこちらの方が楽です。ただし後述する巡航性能がイマイチなので40〜45km/hを維持するのに疲れてしまいます。

MEILENSTEINでは前者2つと比べても圧倒的。前後1100gと超軽量で、対ZIPP404だと約350g、対Bora One50だと約200gもこちらの方が軽いです。リムハイトは最も低いのですがそれでも47.5mmあり、ダンシングで思いっきり踏み込めばグイグイ引っ張って行ってくれます。40km/hくらいで巡航していても、まだまだ余力がある感じで力を込めればあっという間に50km/h突破。ただし足へのダメージは中々のもので反動は大きいです。先代のStandard G3よりは剛性が低くなっているとは言ってもハブ-スポーク-リムが一体になっていることから反動が凄まじいです。

巡航性

巡航性ならばZIPP404一択です。ただMEILENSTEINもそれに近しいものを感じました。ひとたび一定の速度に達したら、強烈な向かい風の中でもない限りは足が勝手に回ります。踏み込んでいる感じはないのに速度が維持されます。 アウタートップでも回し続けようと思ったらガンガン回せるのですが、スタミナの消耗が激しくなるので基礎体力の高い乗り手だとより高いアドバンテージを享受できると思います。勢いに任せて重ギアで漕ぎ続けていたらあっという間にガス欠となる危険性があります。

制動性

MEILENSTEINに限らずLightweight社のホイールのアイデンティティーが制動性です。フロントホイールの操作性がめちゃくちゃ良くてぶれるところがほとんどありません。ブレーキは専用のカーボン用シューが用意されており、その値段は4個セットで¥8,000… 単純に1個¥2,000と通常のデュラパッドの倍以上のお値段。Lightweightホイールにはこのブレーキシューをご使用下さいとアナウンスされており、完璧な性能を発揮させようと思ったら仕方のない出費なのかも。でもやっぱり高い。タイヤ買えるぞ。

登坂性

スルスルと登れます。登りは重量がものをいう世界ですので、軽ければ軽いほど楽に登れます。重量のあるZIPP404はシッティングでのペース走が向いていますが、MEILENSTEINは軽量ギアでクルクル回せるのはもちろん、数段アップしてガツンとダンシングで後続を引き剥がすこともできます。

個人的に坂は嫌いなタイプで、どんなホイールを使っても「辛い」のは変わりありません。MEILENSTEINを使ってリラックスして楽〜に登れるならば考えものでしたが結局はキツい・ツラい・しんどいの弱音を吐いてしまうのは変わりありません。どうせしんどいなら速い方を取りたいものですね。

ダウンヒル

制動性が高く、コーナリングは狙った位置と寸分違わずと行ったところ。60km/h以上で下っていても、不快な振動を拾いにくく、ストレスを感じさせません。速度だけでいえばZIPP404の方が重量があるので最高速度はあちらに負けますが、果たして国内の山岳で70km/hも出せる区間がどれだけるかという話です。海外のような直線ダウンヒルの多い区間であれば爆速で下れるZIPP404の方がいいのでしょうが、コーナーの多い国内だと60km/hでもキツいので、トータルバランスで言えばMEILENSTEINですね。

総評

MEILENSTEINは5段階評価で全て4.8を取るようなタイプで苦手な部分が見当たりません。Bora One50も普段使いから決戦まで使用できるいいホイールですが、MEILENSTEINとは次元が違うというの正直なところ。ZIPP404とは毛色が異なるので一概にどっちが良くてどっちが悪いとは言えません。平地を好むクロノマンなら中高速巡航性能の一点でZIPP404の方が好きになれる可能性が高いかも。

「Lightweightを使うからにはレース!」と言い切る人もいますが、個人的にアウタートップでブン回せる脚力さえ持っていれば普段使いに用いても何ら問題ないと思います。剛性は高く、多少ぶつけたくらいで壊れることはありません。輪行時は要注意ですが、せっかく所持しているならば、最高のホイールで晴れやかな舞台を走れる喜びを味合わないと損ですよ。とはいえ定価で50万超ですから、扱いに気を遣ったらここぞの場面の決戦ホイールになってしまうのも分かりますけどね。

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