SENNHEISER

SENNHEISER(ゼンハイザー) IE80S試聴レビュー -IE80と比べて癖が少なく幅広くオススメできる新製品-

今回IE80の後継機であるIE80Sを聴いてきました。現行のIE80が登場したのは2011年冬、約6年ぶりのモデルチェンジとなります。

昨今のイヤホン市場では10万超えの機器が短期間で生産終了しては次のモデルが出て、と「そんなスパンで入れ替えるならもっと突き詰めてから売り出せよ」と言いたくなるのですが、SENNHEISERやSHURE、WESTONEといった大手メーカーは新製品を投入したら数年は活かす姿勢を貫いています。

最高モデルのIE800もモデルチェンジが決定しており、ハイエンドD型の新製品が出るたびに比較対象となるほどの人気を誇りました。装着感が悪い、リケーブルできない、ケーブルが硬化する、といったマイナス要素はあれど、現在進行形で愛用しているユーザーも多いのではないでしょうか。IE800Sの発売日は11月下旬。ヘッドホンHD800も後継機は末尾に”S”が付くだけで、今後のモデルチェンジ品も現行品にSが付くだけの可能性が高そうですね。

新旧IE80の仕様比較

筐体デザインの変化と装着感の違い

IE80はアルミのフェイスを使用しており、やや角ばっています。今回のIE80Sはアルミとプラスチックを併用し、全体的に丸みを帯びたデザインに変わったため、前の無骨なデザインの方が好みという方もいらっしゃるでしょう。またIE80SのケーブルはR側に赤色の目印が付いています。ケーブルの抜き差しする際に左右の区別が付きやすいのは良いですね。装着感は主観ですが、新機種の方が良好で適切なイヤーチップを選べば遮音性も期待できそうです。

(左:IE80、右IE80S)

価格

国内定価¥38,800。

本国価格で£349と発表された時点では4万円半ば〜後半あたりと予想していました。標準付属するつもりだったリモコンマイク付きケーブルを別売りにしたことで4万円を下回る価格を実現できたのでしょう。リモコンマイク付ケーブルはあれば便利ですが、付属品減らして数千円安くなるなら、別売の方が良いですね。

みんながみんな使うわけではないので、元の価格を下げる方向にしたのは正解だと思います。

IE80Sの音質

DAPはAK240を使用、調整ダイヤルは初期のままで試聴。

肝心の音質は、従来機種の正統進化というよりも、より万人受けする音を狙った感じです。現IE80ユーザーが気にいるかどうかはなんとも言えないところで、低域はやや控えめに、中高域がふくよかになり、ドスドス響く低音を期待して試聴すると期待外れになりかねません。私としては従来のIE80が低音過多だったのでこれくらいのバランスが非常に好み。癖の少ない音で、物足りなさがありますが、ダイヤルを回せば低域を増やせますのでその時の気分に応じて少し音を変えられるのが強みです。

ユニバーサルイヤホンであればなんでも当てはまることですが、イヤーチップの選定が難しいです。特に気にしないという方もいらっしゃると思いますが、ユニバ機である以上はフィット感や遮音性から音質に至るまでイヤーチップに左右されがちです。筐体の装着感は良いけれど、イヤーチップが小さければ隙間ができて低音が抜けてしまいますし、逆に大きいもので蓋をするように装着しても筐体が浮いてしまい違和感がありました。この機種であれば、遮音性に貢献できるウレタンか、装着した時に内耳方向に合わせてくれるスピンフィットが良かったです。

保証に関して

ポータブルオーディオの製品保証は、購入後1年と設定しているメーカーが多いのですが、SENNHEISER製品の保証期間は標準で2年付きます。2年間は安心して使えるということを考えると、誰がどのように使ったか分からないけど少しだけ安い中古品よりも、安心を買う意味で新品を正規ルートで購入したいですね。

贋物

個人間取引において、SENHEISERの偽物が多数出回っています。IE80、IE800は人気機種のため大量の偽物が出回っており、ヤフオクなどで販売されていて驚くほど安いものは十中八九贋物を疑うべきでしょう。IE80Sでも同じように見た目そっくりのものが出回るのは時間の問題なので、本物が欲しいのならば素直に正規販売店を通すのが確実です。無論、贋物覚悟で個人間取引する分には何も言いませんが、パッと見本物そっくりなので気づかずに贋物を本物と思って使い続けてしまうパターンも考えられます。店で試聴して、その音が気に入ったのなら素直に正規ルートで購入されることを推奨しますよ。ちなみに直輸入という手もありますが、現地価格でも£300を超えているので単純に円換算すると国内価格より数千円高くなります。わざわざ高い方を選ぶ必要性はありませんね。

まとめ

インピーダンスも低く、どんな音楽プレイヤーでも鳴らしやすいのは前作から変わっていません。各々”好みの傾向の音”というのがあり、新製品>旧製品とならないのがオーディオの面白さでもあり、とりあえず評判の如何に関わらず一度は試聴してみると思わぬ音に出会えるかもしれません。「IE80Sは個性がなくなった」という意見もありますが、裏を返せばバランスが良くなったとも言えるので、一度試聴してみて下さい。

 

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