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年明け早々、風邪でダウンしており丸3日間寝込んでいました。インフルではなかったのが幸いですが、皆さんもウイルスには気をつけましょう。

さて今回は、昨年末に完成したFitEar "MH335DWSR"の実機レビューをまとめます。すでに発売から3年以上が経過しているモデルなので今更感しかないのですが、一応4つ目のカスタムIEMですし他メーカーと比較した時に視えてくるFitEarの良さについても触れたいと思います。

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MH335DWSRの仕様

MH335DWとMH335DWSRは双子モデル。いずれもBAドライバー5基、構成はLow*2-Lowmid*2-High*1の3Way。

ワンランク下のMH334に低域担当のドライバーを1つ追加しております。さらにSRが付くモデルについてはStadio Reference(スタジオリファレンス)型で周波数レンジを拡大し中低域の解像度を向上させています。外観上は大きく違う点はありませんが、3つあるボアの内の一つをチタン製になっています。

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価格

定価¥244,000、無印版から6.5万円アップ。

クレジットカードのポイントがたんまり貯まっていたので、実質的には10万円台中盤でオーダーできたのはここだけの話。(それでも高い…!)

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ビルドクオリティ

FitEarが世界中で評価される要因の一つにあるのが筐体の精度。FitEarに頼むならば絶対クリアーがオススメです!

カスタムIEMは各々の耳型に合わせて製造する一品一様品なので、メーカーによってクオリティの差が出やすいのが特徴。3Dプリンタを利用して品質を管理しているメーカーもありますが、FitEarではモデルによって使い分けています。3Dプリンタを使用しない場合の製造フローは下記の通り。

  1. インプレッションをシリコンで型取りし耳の複製模型を製作。
  2. 耳の複製模型で装着状態などを確認しながら設計、耳型をシェルの形へと切削。
  3. シェルの形になった耳型をシリコンで型取りしシェルのひな形を製作
  4. シェルのひな形に樹脂を流し込み硬化させシェルを作成
  5. バリ取りや内部に部品を組み込むためのスペースを確保するための加工を施す。
  6. モデル毎に設計されたドライバーやネットワーク部品を組込、アクリル注入により内部部品をホールド。
  7. フェイスプレートを貼付け、表面を整える。
  8. 最後に設計通りの特性が得られているか、また左右差が無いかなどを専用装置で確認。

FitEarに限ったことではありませんがこのようなフローに沿ってカスタムIEMが作られていきます。

とりわけFitEarの技術が評価されているポイントは4番の造形を整える技術と6番のアクリル注入でしょうか。少し古い情報ですがアクリルの内部充填を行うメーカーはFitEarとVision Earsの2社だけです。2年程前の情報ですが、それ以降出てきたメーカーでは採用されていないかと思います。

アクリルを充填させることで筐体重量が増してしまいますが、使用に伴い内部のチューブが外れたり、ドライバーが動いてしまったりすることを防ぐとともに、筐体の強度確保に貢献しています。アクリルを充填する際に気泡が入り込んでしまったりするリスクもあるので他メーカーではあまり採用されていません。

(追記)くみたてLabの一部機種でもアクリル充填ができるみたいです。

リフィット

筐体精度に優れると評判なので期待値が非常に高かったのが事実ではありますが、カスタム IEMの宿命とも言うべきか、完成後すぐにリフィットが発生してしまいました。

お店でフィッティング調整をしたところ、どうも左側が耐えられないくらいキツい。これが須山か…と我慢して使うのも考えてみましたが、5分ほどで痛みが出てきたのでギブアップ。

即リフィットに出すことにして、気になる部分を削ってもらった個体が上がってきたのが11月中旬。経験上一回リフィットに投げれば解決したケースがほとんどだったので、天下の須山さんなら完璧に仕上げてくれる…と期待を込めて装着してみると、

今後はキツキツだった左側が緩々になってしまいました。

早く使いたいしキツいより緩い方がマシとしてそのまま受け取ってもよかったのですが、すでに一回リフィット出しているし満足のいくクオリティになるまで調整依頼した方が後腐れがないと考えて二回目のリフィットへ。

再び1ヶ月くらいのビルドタイムを経て、クリスマス前に受け取ることができました。肝心の装着感はこれまで私がオーダーしたカスタムIEMの中でも完璧なフィット感で、キツすぎず緩すぎず、それでいて遮音性も高く付けていて心地が良いです。

カスタムIEMオーダーでここまでリフィット調整が長引いた経験がなかったので、一度リフィット地獄に堕ちると完成まで時間がかかるなぁと身に沁みて感じました。

ちなみにVision Ears VE5およびVE6XCではそれぞれ一発目から完璧なフィット感を提供してくれたので、筐体自体の精度に関してはFitEar<Vison Earsと思っております。まぁこの辺りは個人差によって逆もあり得ることなのでどちらの製造技術が優れているかを問うこと自体がナンセンスなのかもしれませんが。

音質

MH335DWSRのデモ機を試した際、確かにMH334系統と比べると低域がずっしりしていると感じましたが、実機ではカナルの密着度が高まったことで低域の量感が大きく異なります。これはどんなカスタムIEMにも言えることで、デモ機で低音が物足りないなと思っても杞憂ですね。

使用しているプレイヤーはAK380SS+SSAMP。もはやDAPはSSしか使っていませんが、近々入手できるSE100FSEも相性が良さそうで楽しみ。

音質面では試聴時に書いた内容がそのまま当てはまるのですが、粗という粗が見当たらず、減点ポイントがほとんどありません。中低域に重きを置いているものの全体的に癖のないモニター系を極めたようなサウンドで、今私が所持しているモデルの中で万人受けすると思われる唯一のモデルです。VE6XCやSambaはいずれもどこか突き抜けたようなモデルなので良くも悪くも好みが分かれがちなモデルですから、あまり人に勧めづらいんですよね笑

MH335DWSRの良いポイントはそれなりにスピーディに駆け抜けていく低域のソリッド感と中域のみずみずしさが上手く混在している点が挙げられます。ベースやドラム等の低音楽器を筆頭に各楽器パートとボーカルの距離感が絶妙で、低音主体イヤホンにありがちな音像が曇ったりする事象が皆無なのが偉いです。VE6XCほど切れ味は鋭くありませんが、どこまでも突っ走っていくような疾走感とどのパートも一音一音はっきり聴き分けられる分離感とのバランス感覚に優れています。

ボーカルの艶やかさについてはMH334やESTの方がエロスを感じられます。こればっかりはMH335DWSRに求めることのできないファクターで、歌声だけを綺麗に聴きたいならばMH335系統はオススメできません。

ボーカルだけではなく楽器全般を分析的に聴きたい、かと言ってボーカルが引っ込んでいるのも困ると言うなれば、MH335DWSRは非常にオススメできる逸品で、低域ドライバーの増加及びチタンボアによる高域改善でトータルバランスに関しては向かうところ敵なしと言ったところ。各社新製品を開発するスパンが短くなってきており、さらに高額化する傾向にある昨今のポタオーディオ市場において、MH335DWSRは発売から数年経ってはいるものの全く色褪せずに対抗できる良モデルですね。複数カスタムIEMを所持しているけれどFitEarはこれまで回避してきた私のようなオタクにこそ改めてじっくり聴いてもらいたいです。

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