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次にオーダーするカスタムIEMの筆頭がEMPIRE EARSのLegend X、もしくは一つ下に位置するNemesis。評判通りと言うか、万人共通に勧められるモデルではありませんが、リスニングモデルとしてかなりレベルの高い機種であることは間違いないと思います。オーダーするなればカスタム.verにするつもりですが、幸いユニバーサルモデルも出ているのでそちらでレビューしていきましょう。

Legend X のスペック

DD2基、BA5基の計7ドライバーを搭載したハイブリッドモデル。

最大の特徴は10Wayクロスオーバー。ドライバーの数よりクロスオーバー数の方が多いというワケの分からない設計です(褒め言葉)ここで用いられている技術がsynX crossover。これは「ドライバーごとに帯域を指定することができるクロスオーバー技術」でLegend Xに限らず、同ラインナップの全てのモデルに適用されています。ハイブリッド型や多ドラ特有の歪みが発生しづらく、各ドライバーを完全に制御した音は一聴する価値アリと言えるでしょう。

付属ケーブルはEffect AudioのAresⅡ、銅線の取り回しの良いケーブルで私もJomo Audio Sambaで愛用しています。低域が強化されるので、Legend X-AresⅡの低音が多いと感じられる場合は、銀線のThor SilverⅡ、銀銅ミックスのErosⅡあたりに変えてみると低音量を抑えられるでしょう。

カスタムIEM.ver、ユニバーサル.verともにラインナップされており、ともにお値段¥237,000。これがVision Earsだったら30万は固かったでしょうな…フラグシップ機にしてはまだ良心的な価格と思ってしまうのは私の金銭感覚が狂っているからでしょうか。

装着感・遮音性

カスタム.verだとこのファクターは気にしなくてもよいので、ユニバ.verでの評価です。

装着感は極めて良好、ユニバーサル機といってもカスタムIEMのようなデザインで、大量のインプレッションから万人みフィットするような形状を作り出すのはカスタムIEMメーカーとしては容易いのでしょう。7ドライバー積んでいますが筐体自体の大きさはさほど大きくはなく、耳から出っ張ることもありませんでした。

遮音性も高く、装着感が問題なければカスタムにする必要がなさそうです。ウレタンイヤピにするとユニバの中でも最高レベルの遮音性になりそうですが、ただでさえ低域に特徴のあるモデルなのにコンプライなんかをつけてしまったらモッコモコになりそうで、音質面での犠牲を払う必要がありそうです。

音質

試聴環境、DAPはAK380CP+CPAMP、音楽のジャンルはロック、エレクトロ、ポップス、ゲームサントラです。アーティストでいうと、Porter Robinson、Skrillex、Metallica、THE BACK HORN、UVERworld、絢香、ファルコム/植松伸夫/桜庭統/ACEなどなど。

早速聴いてみるとドンシャリ傾向がやや強いリスニングタイプ。UE LIVEA12tほど全域の情報量が凄まじいわけでもありませんし、VE8ほど分離感は強くありません。低域はふくよかで手持ち機種なら初代Sambaカスタムに近い。濃密ながらも質が伴っているのでやかましいと感じることが少なかったですが、低域控えめでとにかくクリアーな音像を求める方にはヒットしないかもしれません。

この機種が凄いと思うのは圧倒的な空間表現。カッチリしたモニターホンでは決して出すことのできないサウンドステージの広さが最大の特徴。10Wayクロスオーバーと細分化されているにも関わらず音のつながりに不自然な部分がありません。DD2基搭載されていることから低音の深い所もしっかり出ており心地が良いです。

リケーブルも試させてもらいました。ErosⅡ+だと高域増強、Leo-Marsだと低域そのままに中高域全般がクッキリして隙のないサウンドに、Leo-AresⅡだと中高域のクッキリ感は少し抑えて低域増強って感じの違い。リケーブル前のAresⅡの方がバランスが良さげ。銀線は高域が刺さりやすく感じます。

まとめ

装着感・遮音性 44/50

  1. 41-50:カスタムIEM相当、筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
  2. 31-40:カスタムレベルとまでいかないが装着していてストレスフリー、かつ遮音性も確保できている。
  3. 21-30:装着感は良好だが遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
  4. 11-20:装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
  5. 0-10:痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。

このファクターはAランク相当。いわゆるカスタムもどきのユニバーサル機でUnique Melodyやqdcに近い感覚。イヤーピースだけでなく筐体も耳にはまってくれるのでイヤーピースで大きく装着感が変わることはなさそうです。故にどうしてもフィットしない方は調整が難しいかもしれません。

音質 96/100

  1. 低域よりも中高域重視、低域は量より質、スピード感高めにカッチリ固めに鳴らしてほしい。
  2. ボーカルも楽器の一部、全楽器の音をバラして聴きたい、解像感高めは正義。
  3. クラシックやジャズを聴くわけではないので音場も重要ではないが余韻は欲しい、ライブ音源を気持ちよく聴きたい。

Aに関しては、私が最も好む硬質なサウンドとは対極に位置します(-4) しかし、音のつながりのなめらかさ、聴き疲れのしなさ、低域だけでなくボーカル域、高域もギンギンに鳴らせるオールマイティさが気に入りました。もう少し硬くても良いのですがLegend Xでしか醸し出せない音場が犠牲になってしまうので、このあたりはうまくバランスが取れていると思います。

B及びCに関してもボーカル特化というわけでもなく、あらゆる楽器の情報量が多く、弦楽器の残響感が強めで余韻も残ります。個人的に音場の広さは重視しないのですが、ここまで横方向にも縦方向にも広く鳴らしてくれると、病みつきになってしまいます。

総合 94/100

44*1/2+96*3/4=94

カスタム.verにすれば装着感が気にならなくなるので96/100と個人的な指標で言えば極めて高い点数となりますが、質の良い低音がしっかり出ており、手持ち機種お役割的には全く被りません。ボーカル特化のVE5、中低域濃密なSamba、ずば抜けた解像感とスピード感を持つVE6XCに音場が広すぎるLegend Xが追加されたら鬼に金棒、問題なく使い分けできますし、あらゆる音楽ジャンルに対応できるので、物欲がめちゃくちゃ刺激されて困っています笑

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