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名だたるメーカーがこぞって新技術を搭載してきています。すでに手持ちのポータブル環境が整っていても、欲しくなる機種がポロポロと出てくるから困ったものです。

本日Fitear ESTをじっくり聴いてきたのですが、これがなかなか衝撃的でした。MH334もMH335も食指が動かなかったFitearで最強と感じる機種がようやく出てきていよいよFitearデビューするかもしれません。発売前なのでじっくり考える時間はありますが、私の耳がESTに犯されている内にファーストインプレッションをまとめようと思います。

Fitear ESTのスペック

関東の方には馴染みがないかもしれませんが、eイヤホン梅田店は阪急梅田界隈のESTという商業施設内に店を構えています。今回の新製品の商標もEST。非常に紛らわしくESTでESTを聴いてくるわと端から聞くと意味が分かりません。

Fitear ESTのスペックは非公表の部分もあるのではっきりしない部分もありますが、最大の特徴は「BAドライバーと静電型ツィーターユニットのハイブリットタイプ」ElectroStatic Tweeterの略でEST。

静電型ドライバーは駆動させるために高電圧を必要とするため外部ドライバーユニットが本来必要ですが、FitEar EST Universalではコンパクトな昇圧トランスと組み合わせた静電型ツイーターユニットを採用。そのおかげで外部ドライバーユニットを必要とせず、通常のイヤホン同様DAP直挿しで使用することができます。

ドライバー構成は非公開。ドライバー構成による先入観なしで聴いてもらいたいというのがFitearとしての本音でしょうか。

他付属品などはいつものFitear。反発の強い扱いづらい3.5mmケーブルが付属、端子は毎度のことながら独自規格。

装着感・遮音性

前作「FitEar Universal」で導入されたオーバルホーンステムの設計見直しをして装着感・遮音性の向上を図ったとのこと。

個人的には可もなく不可もなしのレベル、フィット感自体は悪くはありません。カスタムもどきのハウジングとしては、qdc NEPTUNEやAROMAの方が上手です。ケーブルの反発が強すぎてせっかく耳掛けしているのにバインバイン跳ねるので、もし購入して普段使いするならリケーブル必須レベル。

遮音性に関しては、イヤーピースが試聴機のものでは合わなかったので隙間ができて外の音が入り込んできてしまいましたが、その辺りを調整することである程度改善されると思います。

音質

おろしたての試聴機を試させてもらいました。静電ツィーターがエージングでどの程度化けるか分かりませんが、備忘録として第一印象のみをザクッと書きます。何度か試聴したら大きく印象が変わるかもしれません。

試聴にあたり、DAPはAK380CP+CPAMP、音楽のジャンルはロック、エレクトロ、ポップス、ゲームサントラです。

ソコソコ駆動力を求めらえるのでポタアンがあるといいかもしれません。参考までにAK380系統にAMP付だとハイゲインで70/150くらいの音量でした。

静電型ツイーターの影響によるのか超高解像度、味付けは薄め。Fitearといえばモニターサウンドが売りですが、ESTはこれまでのモデル以上にメカニカルなチューニングが施されていると感じました。

Campfire AudioのANDROMEDAにも通ずるクリアさがあります。(音自体はそれほど似ていないので上位互換とか下位互換とかそういう関係ではありません。)高域のキラキラはANDROMEDAに譲りますが、中高域全体の分解力はESTの方が優れていると感じました。BAドライバーはおそらく1~2基のいずれかと思いますが、マルチネットワークを組んだ多ドラのように各帯域を役割分担させ、楽器ごとのサウンドをほぐしてくれます。情報量は多いのですが、前日に聴いたATLASのような中域に8割ブッパしているような音圧の高さは感じず、あくまで低域〜高域全体でうまく分散させているのがFitearならではだな〜と感じました。

ボーカル近め、濃淡クッキリで文句の付け所がありません。男女問わず息遣いまで聴こえてくるいやらしさが売り。アッパーなバンド形態からバラード、ジャズ調、バックオーケストラに至るまで、オールジャンル使えるでしょう。

上流側をAK380SS+SSAMPに変えてみると、ステンレスらしいカッチリサウンドに早変わりします。ぶっちゃけ硬すぎてCPの方が聴きやすかったです。高域が刺さってくるようになりますが、個人的に刺さるレベルの高音を求めているので味変には悪くありません。

各音の分離感は強いのですが、特定の音域が強いというわけではなく分析的に聴けるタイプです。この辺りはCPも同様。音場も広く、ピアノやストレングスのタッチが浮き彫りになる程度には残響感も強め。中低域の量感が少し物足りない気もしましたが、アナリティカルに聴こうと思うと今くらいの帯域バランスが丁度良いでしょう。低域だけでも深いところは出ていませんがやりすぎるとやかましくなるのでこれで十分。重低音好きには物足りないかと思われます。

点数

装着感・遮音性 30/50

  1. 41-50:カスタムIEM相当、筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
  2. 31-40:カスタムレベルとまでいかないが装着していてストレスフリー、かつ遮音性も確保できている。
  3. 21-30:装着感は良好だが遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
  4. 11-20:装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
  5. 0-10:痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。

こだわっている割には私の耳とは少し相性が悪かったです。一般的には標準装備でもBランク相当かもしれません。

デフォルトのケーブルの反発がいまいち、イヤピもスピンフィットやSedna Earfit、final Eタイプを試してみたかったので、この辺りで改善できるならBランク前半くらいの点数は与えられます。

個人的には買うならばカスタム一択。売却時に帰ってくるマネーはユニバの方が多くなりますが、本当に気に入ったのならば手放すことは99%ありません。将来的に手放す可能性があるならそもそも買わないというのが私の考えでございます。たまに聴くだけならば店に行って試聴すればいいのですから。

音質 92/100

  1. 低域よりも中高域重視、低域は量より質、スピード感高めにカッチリ固めに鳴らしてほしい。
  2. ボーカルも楽器の一部、全楽器の音をバラして聴きたい、解像感高めは正義。
  3. クラシックやジャズを聴くわけではないので音場も重要ではないが余韻は欲しい、ライブ音源を気持ちよく聴きたい。

私のイヤホン選びにおいて重視するファクターの標準水準を全てクリアしています。Aに関してはAK380SS併用のソリッドサウンドは一癖あってとても好み。音場広めで余韻も残してくれるタイプなので、駆け抜けていくようなスピード感はVE5やVE6に劣ります(-4) (そもそも両立させるのが無理って話ですがw)

Bに関してはパーフェクト、歌詞の有無に関わらずそもそもの解像感が高いのでジャンルを選ばず使えるのは魅力的です。Cについても同様で、SanbaやRE2000のようなリスニング系のウォームモデルでライブ音源をじんわりと聴くのとは違い、音の味付けを薄めに、本来弾けるように聴きたいライブ音源をクールに分析的に聴けるのはメリットに分類してもよいのではないでしょうか。手持ち機種でここまで全帯域の音を解してくれる機種がないので使い分けもできそうです。強いて言うならDITA Dreamが近しいですが、あちらはもっと寒色寄りですから用途が異なりますね。次期カスタム候補の筆頭です。

総合 84/100

30*1/2+92*3/4=84

カスタム版になると装着感・遮音性が隙ナシになるため、

50*1/2+92*3/4=94 と私基準でかなり高い評価となります。音質面で我慢できないポイントはありませんでした。

価格と発売日

ユニバーサルモデルは7月7日七夕発売、価格は¥140,400で予約はすでに始まっています。その前日に夏のボーナスの支給されるので、衝動的にGoしたくなりましたが「まだまだ試聴機下ろしたて、時間経過でどう変化するか見るべき」と気持ちを抑えて様子見を選択。

カスタム版も発売予定ですが、こちらはまだ未定で「いずれ出る」という段階。ユニバーサルで装着感が合うならばそちらを選んでしまって問題ないと思います。同じくらいの価格でカスタムも選べるなら言うことなしなんですが果たしてどうなるか・・・

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