Oriolus

真のエントリーイヤホン Oriolus Forsteni 5万以上の価格帯に踏み入れる前に一度は聴くべき

発売から結構時間が経ってしまいましたが、今でも買い求める方が多くて入荷未定が続いている様子。

5万円の予算で私が最もオススメできる機種と思う良機種、Oriolus Forsteni(フォステニ)をレビューします。

Oriolusとは中国の音響メーカーiBasso(アイバッソ)のモニター用イヤホンを担当した部署が独立した新興イヤホンメーカーです(今ではiBassoと関わりがあるわけではない様子)。最初に作られた型式もメーカー名と同じOriolusだったので混乱しやすいのですが、そのOriolusが満を持して完成させた高価格帯のエントリー機がForsteniです。まずはその仕様をザックリとまとめます。

  • BAドライバー2基、Dドライバー1基の計3ドラ、ハイブリッド型。
  • インピーダンスは24Ω、感度111 dB/mW、再生周波数10〜30000Hz。
  • キーワードは「うたと音楽のシンクロ感」ボーカルを気持ちよく聴く設計思想。
  • 筐体は3Dプリントでフェイスプレートは角度によって光り方が変わる素材を使用。
  • ケーブルはPWAudioのThe No.5 JPver 2pin(¥12,000相当)が標準付属。当然リケーブル可能。
  • 筐体よりもケーブルに重さを感じる。普段このようなケーブルに慣れていなかったら装着感が悪いと感じる恐れあり。
  • 他付属品はイヤーチップ6ペア(フォームS/M、シリコンS/M/L、WフランジM)、ケーブルクリップ、クリーニングツール、ケース

高域はシンバルの存在感に光るものがあり、一音一音、透き通った粒立ちのある音像を得られます。ピアノやヴァイオリンなどの音をリリースした後のしんみりした余韻も感じられますが、超高域までは十分とは言えません。そこまでやると刺さる部分は思い切ってカットしているように聴こえます。 刺さってしょうがないと聞こえる方もいるので、この部分の感じ方は千差万別です。

中域(ボーカル)はライブハウスで目の前で歌ってくれるタイプというよりかは、コンサートホールの中列でゆったり聴かせてくれるタイプ。最前列ではないものの見通しよく音の余韻を楽しめます。機械的ではなく生々しいサウンドで、歌詞入りの曲をメインに聴く方であれば無条件で推奨できます。

低域は量より質を重視するタイプ。沈み込むような良質な低音が気持ちよくくどさを感じません。唸るような音ではありませんが、そういうタイプのイヤホンは量でごまかしていることが多く長くは聴いていられません。質の良い低音に定評のあるイヤホン全般に言えるのですが、低域が中高域に重ならずそれだけで音楽の輪郭を捉えさせてくれます。また他の音域の邪魔せず低域にフォーカスが当たると粗が目立ってしまうのですが、このForsteniでは粗と感じるような箇所はなく、そういう点で上手くチューニングされているなと思いました。

リケーブルも試してみました。Effect Audio Ares2+では同一傾向でやや低域が増えたかなと感じる程度。PWaudioのものも銅線ですので傾向が同じであまりリケーブル効果を見込めませんでした。またEros2+では銀線が加わったことでよりマイルドに。ただこちらも目立って変化したかと言われるとなんとも言えません。最後に銀線Thor Silver2だとひかえめだった中高域が踊り出して最も好みでしたし変化が分かりやすかったです。CampfireAudioやAZLAにも通づるところで標準的に良質なケーブルがついているので下手に感想すれば帯域バランスが崩れてしまうのは悩ましいところですね。

兄貴であるOriolus2はBA3基D1基の計4ドラですが、全体的な傾向は似ていると思います。あちらもトータルバランスに優れており、解像度・音場はForsteniより優れています。Fosteniと倍以上の価格差があるかどうかでいえば間違いなくないのですが、よほどこだわらない限り、Forsteniでも十分すぎると思っています。

私自身、数年前に10万以上の機種をメインに漁っていました。その当時Forsteniのように5万以内で十分高音質と思える機種があればそこで踏みとどまっていたと思います。ポータブルオーディオ市場のインフレというか価格帯の高騰が叫ばれていますが、下の価格帯でも底上げが成されており、アンダー1万、アンダー3万、アンダー5万で特徴的な良機種が続々と誕生しているのは喜ばしい限りです。

ここ最近Unique Melodyがエントリー機を謳ってMACBETHⅡを出しましたが、あちらは7万弱。全然エントリーと言える価格じゃありませんし、このForsteniの方がよほどエントリー機と言えると思います。注目されるかどうかはマーケティングによるものが大きく、「多くの人が注目していれば良い機種なんだ」と思ってしまいがちですが、こういう影でひっそりと人気を博している商品の方が私は実力で勝負している感があって私は好きです。

10ドラのMellianusも開発中で参考出展で聞いた限りでは期待できるので、今後のOriolusも楽しみにしています。

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