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以前3万円以下のオススメイヤホンをまとめました。



これがなかなか好評だったので10万円以上のオススメモデルを私作成の簡易レビュー付で一挙紹介したいと思います。この価格帯になると音質が良いのは当たり前で、「どこまで突き抜けた個性を持っているか」が重要になります。さらに聴き手の好みがモロに反映されるため、これから私が列挙するモデルがこの記事を閲覧くださる方に一つもヒットしない、なんてこともあるかもしれません。できるだけ傾向の異なるモデルを多く採用したので、気になる機種があればお店に試聴しに行って、最終的には自分の耳でご判断下さるようにお願い致します。

文字数がめちゃくちゃ多くなってしまいますがその点はご了承を!より詳細に記したレビュー記事も各モデル書いておりますので、もっと知りたいという方はそちらをご覧になられても参考になると思います。

beyerdynamic

XELENTO REMOTE

beyer独自のテスラドライバーを搭載したシングルダイナミックイヤホン。過去にIRIVERとコラボしたT8iE/T8iE MkIIにもテスラ技術が使われていましたが、beyer単体ブランドとして初のイヤホンとなります。
T8iE/T8iE MkIIにも共通して使用されるイヤーチップはダースベーダー型と呼ばれる特殊な形状をしており、汎用タイプのチップとは異なりお椀のように外側にいくにつれて広がることで、装着時の耳にかかる負担を軽減し長時間のリスニングでも快適な装着感を提供します。フィット感は個人差が大きいので一概にまとめることはできませんが、個人的に問題となる部分は見当たらず、次に購入するユニバモデルの筆頭です。
音質傾向は質の良い重低音と中高域の表現力が織り交ざりながらも、ダイナミック一発ならではの自然な音のつながりが感じられます。低域を土台としてそれを際立たせるように中高域が伸びていくようなナチュラル感が売り。楽器ごとの音を分離させられているというのが解像度が高いということであればその部分はBA多ドラに譲るのですが、テスラドライバーから放出される音は暖かみがあり臨場感があります。
Astell&Kernとのコラボ品T8iEやMkⅡとの比較で言うとエネルギッシュさが増しました。あちらは全体通してやや暗めですがそれまでのbeyerヘッドホンの音質を踏襲しているのはT8iEやMkⅡの方だと思います。しんみりと雨の日に聴きたい暗い曲調にぴったりだったのが、XELENTOになると明るめでどんなジャンルの曲でも対応できるオールラウンダーとなりました。
通常価格は¥129,600。ヘッドホン祭などセールでは9万弱になるのでそちらが狙い目。
またWirelessケーブルを付属したXELENTO Wirelessも年内に登場する予定です。本体は共通でケーブルが異なるだけですので、無線がいいという方は先に有線モデルを入手しておいて、後からケーブルのみ購入してもよいでしょう。

Campfire Audio

ANDROMEDA

この価格帯を代表する名機。発売から丸2年が経っているにも関わらず、新品価格はほとんど据え置き、中古も7掛くらいを維持しており、価格崩壊必至のポタオーディオというジャンルでは珍しく値崩れしていません。
ワンランク下のJUPITERからBAドライバーを1つ追加した5基搭載、構成はLow*2/ Mid*1/High*2の3Way。現状これよりドライバーを多く積んだモデルは存在せず、Campfire AudioとしてもANDROMEDAが人気になりすぎてモデルチェンジも憚れている模様。Campfire Audioに限らず老舗以外のメーカーは売れなければモデルチェンジの頻度を増やしてどんどん製品を入れ替えていく手法が当たり前になっておりますが、次々にディスコンにしていくCampfire Audioの中でも珍しく生き残っているモデルです。発売当初からしばらくの間、あまりの人気で市場在庫は枯渇、メーカーストックもなくバックオーダー、かつ納期不明という状況が続いておりましたが、今では欲しい人には行き渡ったからか新品在庫は安定しています。
筐体形状はORION/NOVA/JUPITERと同じく角ばったデザインで、耳の形状によっては痛みを誘引する独特な形。通常カラーはモスグリーンですが、日本限定でアイスバーグ(本体白、フェイスプレート黒)、ヨーロッパ限定でブルー、本国アメリカではオールホワイトと様々なカラーが存在します。
音質傾向としては中高域の煌びやかさが半端じゃありません。10万以上となると音が良いのは当たり前で、プラスどんな個性があるかが重視されます。このANDROMEDAは低域を抑えてとにかくクリアに鮮明に、一聴して違いが分かるチューニングに仕上がっています。低音は控えめとは言いますが、確かに脳内に響くようなうねるような重低音は出ません。しかしながら、ただ低域を減らして中高域だけをスポイルすれば曲の基礎がなくなり帯域バランスが崩壊、途端に薄っぺらい音に成り下がるでしょう。基礎がしっかりしているから情報量の多い中域帯の音を際立つのです。その辺りのバランスの良さが多くのユーザーに評価され、名機たりうるものと個人的には思っております。使用する機材によってはある程度低音を増やすこともできるので、素の音に飽きたらカスタマイズすることも一考でしょう。ホワイトノイズをかなり拾いやすいので、アンプを用いる場合は注意!
通常価格は¥139,000、発売から2年以上経過しておりますがほとんど値下がっておりません。値引かなくても売れるものをわざわざセールする必要性もないということでしょうが、直近のeイヤホン11周年セールでも¥130,000と割引率にして6%という渋さ。本国のブラックフライデーではB級品が$999くらいになったこともあるので少しでも安くゲットしたい方は個人輸入も視野に入れるとよいでしょう。

VEGA

最新のATLASが登場するまでダイナミックのフラグシップの座に君臨していたモデル。LYRA→LYRAII→VEGAは筐体の材質こそ違えど、形状は同等で耳への収まりは非常に良好でした。ANDROMEDAのような角ばったデザインはどうしても人を選ぶのですが、こちらの方がフィット感は良好であるケースが多いと思います。
Campfireの中でも好みが分かれそうなモデルで、初代LYRAの音場と低域を強化して、中高域を少しクリアーにしたような感じ。パワフルな低域が合わなければこんなもん使ってられるかと言われそうな変態モデルです。音場が広くボーカル含む各楽器の合わせ方が非常に上手。ユニバーサルイヤホンの中でもトップクラスに低域の質が高く、中高域に重ならずそれを際立たせるような空間を創ってくれるのが特徴です。それなりにパワーを求められるので使用するならばポタアンとの併用を推奨します。低域の沈み込みが全然違うので、環境次第で良いようにも悪いようにも化けてしまいます。
流体金属を採用した最後のモデルでLYRAIIと同じタイミングで生産終了。生産終了の要因としては初代LYRA同様に素材処理の問題が大きそうではありますが、定価15万のモデルで中古は7~8万台、直販でも10万ちょいとANDROMEDAほど価格を維持できていないのも理由の一つと思われます。ダイナミックドライバー1基のモデルは各社力を注いでいるジャンルで価格帯に関係なく競合バトルが激しいため今後はATLAS一本にシフトしたものと思われます。

ATLAS

VEGAに代わって登場したフラグシップモデル。BAモデル、ハイブリッドモデルを含めてもCampfireで最もハイグレードな位置付けです。採用されているドライバーはVEGAのA.D.L.C(アモルファス・ダイヤモンド・ライク・カーボン)を一回り大きくした10mm径。周波数帯域幅を広くして、帯域毎の歪みを小さく、さらに応答性を高められるように見直しています。最も廉価なCOMETと同じステンレス筐体を採用し、VEGAまでのデザインを一新。落とし鍛造成型、CNC加工を経て、鏡面仕上でステンレス特有の艶やかなデザインとなりました。

耳掛けではなく下から装着する設計に変更。耳掛けできなくもありませんが、カナルの曲がり具合によってはケーブル端子部分を痛める可能性が高いです。

海外のレビューではANDROMEDAのキラキラ感とVEGAの重厚な低音が融合された音=ANDROVEGAと話題になっていましたが、確かにその傾向が聞き取れます。が、あくまで傾向だけで個人的にはVEGAほど低域のキレとゆったり感を上手く調整しているとも思わないし、ANDROMEDAほど高域の煌びやかさは感じられませんでした。

ATLASの音の傾向としては中域が分厚いエネルギッシュなタイプ。低域と高域も十分すぎるが、重低音は出せないし、高域の刺さりも殆ど感じない。刺さるか刺さらないかの絶妙なポイントでバッサリ切っています。ボーカルは近すぎず遠からず。ボーカルも楽器の一部で楽器の音と横並びになって押し寄せてくる感覚です。楽器の音が心地よく「ボーカルは最前線に立ってくれなくていい」と捉える楽器至上主義はもちろん、ボーカルこそ最重要ファクターと捉えるリスナーの期待に添える完成度の高い音に仕上がっています。とにかく情報量が多くてエネルギッシュ。野太い低域と分厚い中域、刺さらない高域の絶妙なバランスが光ってる感じ。

音場は狭すぎるとは思いませんが、横にブワッと広がるステージの広さはありません。なんにせよ音のアタック感が強いので、バンド形態のジャンルや電子楽器は相性が良いです。ただ音を分解しまくるので音数が多いと聴き疲れします。

余韻もないかな~と思いきや以外にもピアノやストレングスのタッチ、指や弦をリリースしたあとの残響感も楽しめてクセになります。クラシックやオーケストラは広い音場が求められて苦手ジャンルと捉えられますが、バーやレストラン程度の広さで生演奏してくれるジャズ音源はまずまず。またロックにピアノやヴァイオリンを加えたシンフォニックロックもATLASが強さを発揮できる音楽ジャンルです。

価格は¥165,000。発売したばかりなので大きな値下がりも見せておらず、今後もVEGAほど大きな価格崩壊は起きないと思われます。

DITA

Dream

2017年に登場したモデルの最高峰。シンガポールのDITA Audioはダイナミックモデルをメインに開発しているメーカーですが、オーディオイベントでカスタマーの生の声に耳を傾けながら幾度も試作品を作りブラッシュアップを繰り返して発売に至りました。
特徴としては筐体材質に切削加工の困難なチタンを採用。ステンレスやアルミニウムが用いられることは多いのですが、チタンが筐体に使用されることは滅多にありません。そのおかげで発売してすぐに生産中止になってしまったのも悲しい話ですが、量産するには向いていなかったのですね。
ケーブルにはAwesomeコネクタと呼ばれる機構を搭載した専用ケーブルが付属。これはプレイヤーに挿入する端子部分を3.5mm、2.5mm、4.4mmの各プラグに取り替えることで、筐体側の2pin端子を抜き差しすることなくバランス-アンバランスを切り替えることができます。SONY WMシリーズやIRIVER AKシリーズなどバランス端子を備えているDAPを使用している方は特にその恩恵に与れますし、バランス端子を搭載しているDAP+ポタアンといった組合せで運用している方もプラグさえ所持しておけば接続先に応じて使い分けられます。ケーブル自体の質はかなり良いのですが、反発が強く取り回しが悪すぎることに注意。
音質傾向としては超ワイドレンジで解像感の高さが凄まじい一品。苦手なジャンルはほとんどありませんが、数が少なめでごちゃごちゃしていない音数少な目なライブ音源との相性はめちゃくちゃ良いです。私自身、中高域に全振りしたような機械的な音が好みで、実際にライブやコンサートに行くことは稀です。どちらかと言えば現地に行くお金で、より多くの音源を集めたいタイプなのですが、Dreamの立体的な深みのある空間表現に染まってしまうと生演奏を聴きたい衝動に駆られてしまいそうです。Dreamはシンプルにボーカルを近い位置で聴くのにも適していますが、音の強弱にメリハリがあり、譜面上の"フォルテ"や"ピアノ"といった強弱記号に忠実なのでジャズやクラシック調の曲も問題なく対応できそうです。
新品価格は¥198,000。発売から半年足らずで生産中止となったため今では新品在庫は残っておりません。中古で入手するしかない状況ですが、それでも新品同等の価格は維持しています。私が所持している個体は生産終了後に出てきたデッドストックで、シリアルナンバーは400番台。おそらく世界的に見ても500台くらいしか存在しないため、プレミアとまではいかないまでも、不具合のない個体ならばそれなりに価格は維持し続けるでしょう。

Twins(Fiderity,Fealty)

Dreamがすぐに生産終了となってしまったため、それに代わるモデルとして開発されたのがTwinsと呼ばれる双子モデル。
シルバーカラーがFealty、ブラックカラーがFiderilyがございます。両者とも切削加工のしやすいアルミニウム筐体を採用し、航空宇宙グレードの"6061-T6アルミニウム・ボディ・シャーシ"と"PET"と"PEN"の混合素材を採用した振動版に、新開発のダイナミックドライバー"デュアル・マテリアル・コンポジット・ドライバー"を搭載。Fealty/Fidelity共に基本設計は同じですが、素材の混合比率を変更し、ドライバーのチューニングも手を加えることで2種類のサウンドを生み出すことに成功しました。
Fealtyは他のDドラ機種と比べても線が細く、中高域のクリアさは随一。低域ゴリゴリを好むオーディオクラスターには物足りないと思います。正直それだけだとDreamに勝るところがないのでとりあえず様子見。低域がもう少し増えればDreamの後継機種として注目されそうな感じ。FifelityはFealtyの後に聴いたのでわかりやすく低音が増しました。解像感はそのままに中低域がウォーミーになり、リスニング用途ならコチラ。プレイヤーが銅筐体だとベースがボンボンと弾け、SSだとそれが抑えられる代わりにハイハットの高域が突き抜けるように見通しが良くなります。
価格はともに¥126,000、買い替え割引併用で10万弱になりますが、それほど売れ行きが良いわけでもなさそうなので今後少しずつ値下がりしそう。Fealty、Fidelityのまとめ買いでお得に入手できるタイミングも出てくるでしょう。

HiFiMAN

RE2000

HiFiMANのシングルダイナミックイヤホン。トポロジーダイヤフラムと呼ばれる特殊な幾何学模様が振動板に施しており、筐体材質には金メッキ真鍮が採用。
かなり特殊な形状をしているので装着感は悪く、遮音性も並以下です。この部分を高めるためにはイヤーチップを厳選することで多少は改善されるでしょうが、それでも良いものは言えません。個人的にイヤホンを購入する上でフィット感は音質に並ぶ最重要ファクターと考えているのですが、RE2000の場合、装着感を多少犠牲にしてでも入手したいと思えるくらい魅力的なサウンドを奏でてくれます。
音質傾向としてはダイナミック一発ながらブワッと音が拡散するように力強く聴かせてくれるのはダイヤフラムに施された幾何学模様のメッキ処理が一躍買っているのか、上から下までバランスを崩壊させずにボーカル含む各楽器を自然にまとめ上げる面白い鳴り方をします。解像感は低くはないけれど複数の音のブレンドの仕方が絶妙。中高域が綺麗に伸びやかに聴けまして、ジャズ系、ブラスバンド系の高音の鳴り方に真鍮特有の暖かみを感じます。分離感の高さと音の融合性は相反するものですが、RE2000の場合は後者に寄せたチューニングがなされているので、ダイナミックらしいナチュラルなサウンドが欲しければ間違いなくオススメできます。
価格は¥198,000。発売後しばらくの間はスターティング価格ということでここから3万円引きだったのですが、今ではそのような販促は行われておりません。
またRE2000の筐体材質を真鍮からアルミニウムに変更したRE2000 Silverというモデルも存在しますが、こちらは¥141,000くらい。音質面では別物です。Silverをあえて選ぶ理由はありませんし、14万前後ならば他にもっと良い選択肢が沢山あると思います。

FitEar

EST

 FitEarと言えば日本を代表するカスタムIEMメーカーですが、ユニバーサルモデルも製造しています。ESTは2018年7月7日に登場した最新モデルで「BAドライバーと静電型ツィーターユニットのハイブリットタイプ」"ElectroStatic Tweeter"の略でEST。
静電型ドライバーは駆動させるために高電圧を必要とするため外部ドライバーユニットが本来必要ですが、FitEar EST Universalではコンパクトな昇圧トランスと組み合わせた静電型ツイーターユニットを採用。そのおかげで外部ドライバーユニットを必要とせず、通常のイヤホン同様DAP直挿しで使用することができます。

前作「FitEar Universal」で導入されたオーバルホーンステムの設計見直しをして装着感・遮音性の向上を図ったとのこと。個人的には可もなく不可もなしのレベル、フィット感自体は悪くはありません。カスタムもどきのハウジングとしては、qdc NEPTUNEやAROMAの方が上手です。ケーブルの反発が強すぎてせっかく耳掛けしているのにバインバイン跳ねるので、できればリケーブルしたいところ。

音質傾向としてはマルチネットワークを組んだ多ドラのように各帯域を役割分担させ、楽器ごとのサウンドをほぐしてくれます。情報量は多いのですが、前日に聴いたATLASのような中域に8割ブッパしているような音圧の高さは感じず、あくまで低域〜高域全体でうまく分散させているのがFitearならでは

ボーカル近め、濃淡クッキリで文句の付け所がありません。男女問わず息遣いまで聴こえてくるいやらしさが売り。アッパーなバンド形態からバラード、ジャズ調、バックオーケストラに至るまで、オールジャンル使えるでしょう。各音の分離感は強いのですが、特定の音域が強いというわけではなく分析的に聴けるタイプです。音場も広く、ピアノやストレングスのタッチが浮き彫りになる程度には残響感も強め。中低域の量感が少し物足りない気もしましたが、アナリティカルに聴こうと思うと今くらいの帯域バランスが丁度良いでしょう。低域だけでも深いところは出ていませんがやりすぎるとやかましくなるのでこれで十分。重低音好きには物足りないかと思われます。

価格は¥140,000。FitEarのユニバーサルモデルはカスタムIEM同様受注生産であるケースが多いのですが、ESTに関してはある程度ストックしているようです。2018年秋にカスタム版も検討しているとのことで、音は好みだけどフィット感がイマイチならばしばらく待ってみることをオススメします。私もカスタム版が上がってくるのを待ちわびております。

Empire Ears

Legend X

米国のカスタムIEMメーカーEmpire Earsが手がける最新モデル、ハイブリッドラインのフラグシップです。Legend XはDD2基、BA5基の計7基という珍しい構成で、さらに10Wayクロスオーバー。synX crossover独自技術が用いられています。これは「ドライバーごとに帯域を指定することができるクロスオーバー技術」でLegend Xに限らず、同ラインナップの全てのモデルに適用されています。ハイブリッド型や多ドラ特有の歪みが発生しづらく、各ドライバーを完全に制御した音は一聴する価値アリと言えるでしょう。
付属ケーブルはEffect AudioのAresII、取り回しがよく私も愛用しているケーブルの一つです。
装着感は極めて良好、ユニバーサル機といってもカスタムIEMのようなデザインで、大量のインプレッションから万人みフィットするような形状を作り出すのはカスタムIEMメーカーとしては容易いのでしょう。7ドライバー積んでいますが筐体自体の大きさはさほど大きくはなく、耳から出っ張ることもありません。DDを2基用いていることで音を逃すベント孔が開けられていますが、遮音性に関しても特別不満はありませんでした。
音質はドンシャリ傾向がやや強いリスニングタイプ。濃密ながらも質が伴っているのでやかましいと感じることが少なかったですが、低域控えめでとにかくクリアーな音像を求める方にはヒットしないかもしれません。この機種の凄いところは圧倒的な空間表現。カッチリしたモニターホンでは決して出すことのできないサウンドステージの広さが最大の特徴。10Wayクロスオーバーと細分化されているにも関わらず音のつながりに不自然な部分がありません。DD2基搭載されていることから低音の深い所もしっかり出ており心地が良いです。
カスタムIEM.ver、ユニバーサル.verともにラインナップされており、ともにお値段¥237,000。ユニバ版は人気がありすぎるからか納期未定のバックオーダー状態です。

Nemesis

NemerisはLegend Xのワンランク下に位置するハイブリッドモデル。DD2基、BA3基の計5基を搭載した8Wayクロスオーバー。こちらもドライバー数よりネットワーク数の方が多くなっており、Legend XからBAドライバーが2つ減っております。付属ケーブルは直販だとLegend X同様AresIIが付いてきますが、国内ではその記載がありませんので事前に確認しましょう。装着感・遮音性もLegend Xとほぼ同じ。Nemesisの方がドライバー数が少ないため若干サイズが小ぶりではありますが、文句のつけようがありません。
音質傾向としてはLegend X以上に低域の支配力が高く、ベースラインが前面に出てくるタイプです。低音で土台を作るとかそんなちゃちなものではなく空間全域が低音主体、ボーカルライン、高域サウンドの通り道だけ残してそれ以外はベースが全体をコントロールしているような印象。Legend Xも比較的低域強めのリスニングタイプのモデルですが、低域全体で曲を先導しつつも篭る部分が少ない珍しい音場を形成します。ドライバー的にも低域~中域に寄せているので、全体のクリアさでいうとLegend Xの方が鮮明です。解像感自体は大きく変わりませんがNemesisは明らかに中低域寄りで低域の空間支配力が強め。それでもPerfumeなんかのエレクトリカルな高音はかなり強くギンギン刺さりを感じます。音場もLegend Xに匹敵するほど広く、ローを重視するタイプなら好印象を抱くと思います。
こちらもカスタムIEM、ユニバーサルともにラインナップされており、お値段¥180,000。Legend Xは品切れ状態が続いていますが、Nemesisは在庫わずかの状況。いつなくなってもおかしくありません。
【更新情報】
180922 とりあえず私が気に入っている10モデルをまとめました。
今後追加予定【SONY】【Oriolus】【UniqueMelody】【AROMA】【HUM】【NOBLE AUDIO】【Ultimate Ears】他

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