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7月のポタフェスで

と思ったモデルの一つがいつの間にか発売していました。

さすがに話題にならなさすぎやろ…と思ったので軽く紹介したいと思います。

香港のオーディオメーカーLEARが開発したマルチDDモデル"BAMDAS 5"!

LEARとは

まず初めにLEARというメーカーについて。

LEARは2008年に設立された香港のメーカー。2010年発売のポタアン「FSM-01」「FSM-02」で認知度を高めることに成功したポータブルオーディオ専業ブランドです。

イヤホンに関しては翌年2011年より開発に着手、とりわけカスタムIEMを一から設計開発生産まで一貫して作り出せる香港初のメーカーで当時話題になったそうです。市場の高騰に反して高音質のモデルを極力安価で提供することを理念としており、ユニバーサルモデルではダイナミック型からマルチBAまで幅広く手がけています。

BAMDAS 5 のスペック

今回登場したBAMDASは史上初のダイナミックドライバーを5基搭載したモデルです。

Bearing Array Multi Driver Acoustic Structure=(軸受配列マルチドライバー音響設計)の略語でバムダスと読みます。

技術的には下記イラストのように独自開発した音響構造が取られています。中心軸に5方向にドライバーを向けて配置することでドライバーそれぞれの性能を限界まで引き出せるとのこと。チューブレスのため全てのドライバーで音響経路を共有しつつ、音源本来の音質を正確に表現できるらしい。ほんまかいな。

BAドライバーを5基搭載したモデルは腐るほどありますが、ダイナミックドライバーを複数積んでいるモデルはまだまだ少ないのが現状です。パッと思いつくのはUnique MelodyやHiFiMAN、ハイブリッドも含めるとEmpire Earsなどはダイナミックを2基以上積んでいるモデルも用意しておりますが、5つも積んでいるものはLEARが初です。(もしかするとアヤシイ中華メーカーがDDを大量に積んだイヤホンをAliなどで売り捌いていた可能性はありますが)

BAMDASで採用されているダイナミックドライバーは、中域から超高域用の5mmPETダイヤフラムダイナミック型ドライバー4基と中低域から超低域用の8mm PEEKダイヤフラムダイナミック型ドライバー1基の2Way構成。

筐体は3Dプリンターで作られており、LEARラボにて組み立てられます。ポタフェスでベタベタ触らせてもらったのですが、悪く言えばちゃっちい、良く言えば軽量に作られていました。フェイスプレートデザインは賛否あるかと思いますが、個人的には結構好みだったりします。

再生周波数帯域は5Hz~50kHz、感度103dB、インピーダンス36Ω。

汎用MMCXによるリケーブル可能。付属ケーブルはOCC(無酸素銅)1.2m。

装着感と遮音性

  1. カスタムIEM相当、筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
  2. カスタムレベルとまでいかないが装着していてストレスフリー、かつ遮音性も確保できている。
  3. 装着感は良好だが遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
  4. 装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
  5. 痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。

私基準でCランク相当。可もなく不可もなしってところですが、遮音性がイマイチでした。装着していて不快感、異物感はありませんが、どうしても隙間ができてしまうので屋外用途であれば事前試聴必須と思います。

音質傾向

試聴環境はAK380SS+SSAMP。

ダイナミックドライバーを5つも搭載ってどんな変態的サウンドを聴かせてくれるんだろう、

とワクワクしながら試すも

思いの外普通です。

ツッコミどころ満載なら色々書けるのですが「うーん…」と唸るしかありません。

もっとこうダイナミックをこうも沢山積んでいるんだからゴリゴリとキレの良い低域を期待したのですが、ベースの鳴りやキックはスッと消えゆくようにスッキリ、ピアノや鉄琴、フルートなどの高音がクリアーなタイプです。BAMDASでなければならないナニかが欠けており、音質面でオンリーワンな特徴を見出すことができなかった、というのが正直なところでございます。

価格

定価で¥116,000。

ポタフェス時点では参考予定価格が15万前後だったと記憶しておりますが、それよりも大幅に安くなっています。それでも10万を切れないのは、それなりに開発費、原価が掛かっているからしょう。しかしながら我々コンシューマーにとっては搭載されているドライバーの数や注ぎ込まれている技術なんてどうでもよくて、そこから発せられる音さえ好みのゾーンに入ればオールオッケーです。同じ価格ならばストライクゾーンに近い方を購入するし、同じくらい音が好きなら保証やメーカー対応の良い方を選択する、というのが当たり前であり、品質面に不安の残るBAMDAS 5がXELENTOやANDROMEDA、IER-M9に並べるかと言われると何とも言えないのが正直なところ。

ANDROMEDAも品質が良いとは言えませんがこの価格帯ならば間違いなく選択肢に入ってくる名機です。XELENTOは標準保証2年、来月出るSONY IER-M9/IER-M7もかなり好評で最大5年まで保証を付けられます。

一昔前のLEARは低価格であるものの品質面もイマイチな部分が多かったため安かろう悪かろうの印象がどうしても勝ってしまうのですが、その印象を払拭できるか否かが10万円という価格帯でも手にとってくれるファンを増やす鍵になるかと思いますね。

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