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価格帯別おすすめイヤホン第三弾は1万円以下のエントリー機を紹介したいと思います。ここ数年でイヤホン市場の価格帯上限が高まりインフレインフレと騒がれておりますが、下のモデルがないがしろにされているかと言われるとそうではありません。むしろ10万円以上のハイエンド帯が出来上がったからこそ下の価格帯のモデルにも上位グレードの技術を応用した廉価版が多数登場しているので、「安物と侮る事なかれ」という前置きで紹介したくなるようなモデルも沢山あります。

特に国内未展開の中華系は激安ながらもマルチドライバー・ハイブリッド型などスペック的には何万もするモデルと似通ったモデルが次から次へ出てきておりますが、「試聴できる場所が極めて少ない」「輸入前提」「品質がおぼつかない」などの理由から私としては好みません。当記事では出てきませんが、逆にそういったモデルをメインに扱っている方もいらっしゃるので、気になる方はそちらを参考にされるとよいでしょう。

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ADVANCED

ELIZE

発売時期は2018年12月。
価格は¥3,240(eイヤホン)と手に取りやすいライン。アンダー5000円で選ぶならトップ3に入ってきそう。
筐体材質は高密度セラミックハウジング、独自のフルレンジ・マイクロドライバーを搭載したモデル。

サイズ感が小さく、金属筐体でありながら非常に軽量なのが特徴。耳の小さい方の方がフィッティングが合わせやすいかも。音質傾向としては中低域寄りでボーカルが前面に出てくるタイプ。高域の突き抜ける感覚や迫力・臨場感はあまり期待できませんが、この価格帯にしては解像感も高いので、安く手っ取り早くステップアップするには適したモデルと思います。ターゲットとしてはスマホで音楽を聴くライト層としている様だが、数多のイヤホンを片っ端から聴きまくるマニア層も楽しめるクオリティを有しています。

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final

E1000

final Eシリーズの最安モデル。価格は約¥2,300、今回紹介するモデルの中では最安値です。

Eシリーズはそれぞれチューニングの違いはあれど筐体形状の設計が共通となっています。

ドライバーは上位モデルと同じくシングルダイナミック。筐体の材質は樹脂(プラスチック)、後述するE2000/E3000とサイズ感は同じです。片側あたりの重量は15gで、この数値はステンレス筐体のE3000より1gだけ重い数値となっています。ちなみにアルミニウム製のE2000は12gとシリーズ最軽量です。感度 102dB/mW、インピーダンス 16Ωと、この数値はE2000と同等。カラーラインナップはブラック、レッド、ブルーの3色。ブルーが人気のようですが、シックに映るブラックが個人的に好みです。

筐体形状が上位モデルE2000~E5000と同等なのでそれらとフィット感はほぼ同じ。耳奥に筐体ごと押し込むように装着する。イヤーピース調整は割とシビアで、イヤピが大きいと外側に押し出されてしまうため、気持ち小さめを選んだ方をオススメします。遮音性についてはカナルがストレートならばそこそこ確保できると思いますが、カナルのカーブがキツいとどう頑張っても隙間が生まれるので外で使うには適さないと考えます。

音質面ではEシリーズ上位モデルの廉価版・下位互換というより別のチューニングを施したイヤホン。似たようなスペックのE2000とは別物で中域のふくよかさを狭めた代わりに全体のバランスを整えつつ音場を左右に広げたようなサウンドです。final公式で記載されている「低音から高音までクリアでバランスの良いサウンドで、ライブで生演奏を聴いているような臨場感と音の広がりを実現」というのも納得。ただしマルチBAのような解像感・分離感は期待できませんし、ハイエンドダイナミックのような基本を押さえた上でどこか尖らしているものでもないため、E2000/E3000とは嗜好の差の範疇と思います、流石にE4000/E5000あたりと比較すると低域の質感や余韻感は比較になりませんが、一本目としては非常に勧めやすい、買いやすいモデルの筆頭候補として、イヤホンスパイラルの始動役にもなれる潜在能力を秘めていると感じました。

E2000

E2000の筐体材質はアルミ削り出し・アルマイト仕上げ、6.4mmφダイナミック型ドライバ—ユニットを搭載したモデル。E1000が登場するまではE2000がEシリーズの最安モデルでした。価格はE2000が¥4,320。インピーダンスは16Ω、再生周波数帯域はHPを確認する限り公表されていません。装着感についてはE1000と同レベルです。
音質傾向は中高域寄りでクリアなのは随所で評価されている通り。一音一音のリリースは速めで篭るところが少ないです。低域は量としては少なめで、中域を際立たせるために意図的に減らしているように思えます(逆にE3000は意図して多くしている)。解像感・音場ともに高いとは言えませんが、中域のみに絞ると5000円以下で「この音聴かせてくれるんだ…」と感動しました。低域の量を増やしたら、設計思想として掲げている帯域バランスが崩れてしまいますし、下限と上限(低域と高域)の範囲を圧縮させ、その中でできる限りの仕事をするという"選択と集中"が発動していると思います。高域はそこまで伸びず、深みのある低域は鳴らせない、でもボーカルの掛かってくる中域に合わせてそこら辺を上手く調整するようなタイプで、比較的どんなジャンルでも合いそうです。

E3000

E3000の筐体はステンレス削り出しの鏡面仕上げ。価格は¥5.480でE2000の兄弟モデル。インピーダンスは16Ω、再生周波数帯域はHPを確認する限り公表されていません。こちらも筐体形状はE1000、 E2000と共通なので装着感や遮音性は同等です。

音質傾向としてはE2000と全く異なります。E2000が中域にフォーカスを当てたボーカル型であれば、E3000は楽器の音を楽しませてくれるバランス型です。筐体がステンレスなので高域が綺麗なのかと思いきや、E2000のような艶感はなく、逆に低域が強めでダイナミック感があるのはこちら。ベースやキックの音を迫力があるかと言われたら首を傾げるのですが、対E2000であれば明らかに量感が多いです。ボーカルはやや引っ込みますが、低域が前に出てきた影響ですので、めちゃくちゃ遠い位置で鳴っているような感覚はありません。ボーカルも一つのパートとして、多音を楽しみたいと言うならE3000で決まりでしょう。

ここまでEシリーズ3種類を全て購入しても1万円未満、お求めやすい価格設定なのが素晴らしいですね。Eシリーズの上位モデルにはE4000とE5000がありますが、これらはそれぞれ¥15,000前後、¥30,000前後と価格帯が一気に上がります。

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