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カスタムIEMを所持して2年以上が経ちますが、未だにリシェル(リモールド)は試したことがありません。一昔前まではそれなりにリシェルオーダーできるメーカーがいたのですが、ハイリスクローリターンであることからほとんどが撤退済み。

「リシェルすれば安く作れる」と言われてますが、コンシューマーにとってのデメリットも多く、これについて触れている記事が少ないので拙い文章ではありますが思いつく限りメリット・デメリットをまとめたいと思います。

メリット

安く作れる

カスタムIEMって基本的に高価です。10万なんて序の口、それなりに選択肢を増やそうと思ったら15~20万は必要になります。最近ではJomo DuexやFAudio SCALEなどアンダー10万でもかなり売れそうなモデルが出てきましたが、基本的にプロユースですからまぁ高いです。

そんなカスタムIEM、所持している分には自分オリジナルなので最上級の装着感と音質を得られるのですが、もし手放そうと思った時には自分の耳型で作っているせいで売却額は二束三文にしかなりません。相場はだいたい正規のオーダー価格の1/3程度。20万なら6~7万くらいで売れれば良い方です。

それなりに値段が付くのはリシェルすることで購入者の耳型に合わせることが可能だから。リシェル工賃も3~4万くらいでやってもらえるところが多いので、20万のモデルを6万でゲットできれば10万前後で入手できることになります。

200%改造なのでデメリットも多数ありますが、そのリスクを許容できる方によってはシンプルに安く買えるのは魅了に映るでしょう。逆に言えばメリットは「安いだけ」とも言い換えられますね。

デメリット

譲渡カスタムIEMがオリジナルとは限らない

業者が勝手にリシェルするのはいいけれど、「リシェルするならばセカンドユーザーまで、リシェル後の音は一切保証しない」というのが各種メーカーの認識です。トラブルの原因にもなるのでそういった見解を示さないところも多数あります。

実際ヤフオクなどでカスタムIEMを購入するにしても、出品者が嘘偽りの記述を書けば真偽不明になってしまいます。オリジナルのロゴや品番が刻印されていればまだ信憑性がありますが、何度もリシェルされているボロボロの個体を掴まされるリスクがないとも言い切れません。

ドライバー不良の誘発

リシェルの流れとしてはまず誰かからカスタムIEMを譲渡してもらうところからスタート。この時点で中古なのでドライバーが不具合を起こしている可能性もあります。

そのカスタムIEMと自身のインプレッションをセットでリシェル業者に発送。9割以上海外拠点なので配送面でも紛失、破損のリスクがあります(そんなケースは稀ですが)

業者が受け取ったら新しいシェルを製造し、元のカスタムIEMの殻を割って内部のドライバーを取り出します。ここでもドライバーを潰してしまう可能性がないとも言えません。

耳型によってはリシェル不可のリスク

また耳型によってはドライバーが収まりきらないことも考えられます。メーカー純正ならば小さい耳型でもなんとか工夫して配線できますが、リシェルの場合、内部に余裕のある大きい耳型→小さい耳型に作り直す際に配線がだだ余りになってしまったり、ドライバー自体が入れられなかったりするケースがあるそうです。

そのメーカー本来の音でなくなる可能性

メーカーによってはドライバーの位置や音導管の長さでチューニングを施しているところも存在します。

当然リシェルによって配置が変われば音も変わるわけで、特殊な技術を採用していないメーカーのモデルであっても正規品と全く同じかどうかの保証は取れません。

純正の修理依頼に出せなくなる

150%改造に類するので正規のメーカー保証は当然、修理・リフィットも受け付けてもらえなくなる可能性が極めて高いです。断言できないのは修理依頼時にはそれがリシェル個体が判断できないためで、メーカーに送った後で突き返されるケースも発生するでしょう。

例外としては「自社のモデル限定でリシェルを受け付けるメーカー」がいくつか存在します。これもセカンドユーザー限定と定めているところが多いのですが、その場合であればメーカー正規保証も付いてくるでしょう。

リセールヴァリューのさらなる低下

先ほど中古カスタムIEMの相場は正規オーダーの1/3程度と申しましたが、一度リシェルした個体はそこからさらに安くなります。デメリットの項の最初で「譲り受けた個体がオリジナル品とは限らない」と話しました。

自分がセカンドユーザーならば1/3くらいは出してもいいかなと考える人は一定数いたとしても、サードユーザー以上になるような個体になるとその半分も出せるかどうか怪しいところです。一応オリジナルの正規品であれば「完動品」として売却できますが、一度リシェルしている個体なんて「完全なるジャンク品」ですからね。まぁそれも説明文で「オリジナルです」と書いておけば買う人は買うのでしょうが、界隈で見つかったら確実に炎上案件になること必至でしょう。

リシェル依頼を引き受けてくれるメーカー

こちらの記事で思いつく限り列挙してみました。

リスクを考え、それでも気になる方は参考にして下さいね。

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