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EMPIRE EARSのフラグシップモデルLegend Xが注目されていますが、その下に位置するNemesisも相当高いポテンシャルを秘めているのではないかと個人的に感じています。同じ技術を利用しているので似通っている部分が多いのですがNemesisならではの特色もあります。音質レビューに加えてLegend Xとの違いについても言及しましょう。

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Nemesisのスペック

DD2基、BA3基の計5ドライバーを搭載したハイブリッドモデル。(Legend XはDD2基、BA5基の計7ドライバーです)

最大の特徴は8Wayクロスオーバー。ドライバーの数よりクロスオーバー数の方が多いというワケの分からない仕様になっています。その原因となる技術がsynX crossover。これは「ドライバーごとに帯域を指定することができるクロスオーバー技術」でLegend Xに限らず、同ラインナップの全てのモデルに適用されています。ハイブリッド型や多ドラ特有の歪みが発生しづらく、各ドライバーを完全に制御した音は一聴する価値アリと言えるでしょう。ちなみにLegend Xだと7ドライバーに対して10Wayというイヤモニにしてはかなり複雑なネットワークが搭載されています。

付属ケーブルはLegend Xと同じくEffect AudioのAresⅡ、銅線の取り回しの良いケーブルで私もJomo Audio Sambaで愛用しています。低域が強化されるので、Legend X-AresⅡの低音が多いと感じられる場合は、銀線のThor SilverⅡ、銀銅ミックスのErosⅡあたりに変えてみると低音量を抑えられるでしょう。

※直販だとこの記載がありますが、国内ではNemesisにAresⅡ付属の記載がありません。国内でオーダーする場合は事前確認必須です。

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装着感・遮音性

カスタム.verだとこのファクターは気にしなくてもよいので、ユニバ.verでの評価です。

Legend X同様、装着感は極めて良好、ユニバーサル機といってもカスタムIEMのようなデザインで、大量のインプレッションから万人にフィットするような形状を作り出すのはカスタムIEMメーカーとしては容易いのでしょう。7ドライバー積んでいますが筐体自体の大きさはさほど大きくはなく、耳から出っ張ることもありませんでした。

Legend Xと比べるとBAドライバーが2基少ない分、筐体のサイズがNemesisの方が僅かに小さめです。耳への収まりは同レベルでで、遮音性も高く、装着感が問題なければカスタムにする必要がなさそうです。ウレタンイヤピにするとユニバの中でも最高レベルの遮音性を確保できそうですが、Legend X以上に低音に特徴があるモデルなので音質面の影響は計り知れないと思われます。

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音質

試聴環境、DAPはAK380CP+CPAMP、音楽のジャンルはロック、エレクトロ、ポップス、ゲームサントラです。

Legend Xと異なるポイントは低域の支配力でしょう。一音一音が重々しく、かつベースラインが前面に出てくるタイプですね。土台を作るように中高域を支えるというより空間全体が低音主体、支配感があります。単純に量が多いわけではなく、もやがかかったような低音の曇りは感じません。ボーカルライン、高域サウンドの通り道だけ残してそれ以外はベースが空間全体をコントロールしているような印象。Legend Xも比較的低域強めのリスニングタイプのモデルですが、低域全体で曲を先導しつつも篭る部分が少ない珍しい音場を形成します。

ドライバー的にも低域~中域に寄せているので、全体のクリアさでいうとLegend Xの方が鮮明です。解像感自体は大きく変わりませんがNemesisは明らかに中低域寄りで低域の空間支配力が強め。それでもPerfumeなんかのエレクトリカルな高音はかなり強くギンギン刺さりを感じます。音場もLegend Xに匹敵するほど広く、ローを重視するタイプなら好印象を抱くと思います。

中域はナチュラルで歪む部分が殆どありませんが、ボーカルはさほど前に出てきてくれません。あくまでボーカルもパートの一部と捉えている様子。苦手は楽器はなく吹奏楽器や電鳴楽器、鍵盤までなんでもござれ。特にベースがイイ感じ。弦の響き方がNemesisならではで、独特な残響感を醸し出してくれます。この部分はLegend Xよりも特徴的でした、

解像感に関しては音粒がハッキリしており良好。VE8みたいにバラッバラにしませんが、じっくり聴くと深いところ、高いところまでしっかり鳴らせていると感じました。楽器の分離感もほどよく、低域が支配している分ベースが曲全体をまとめ上げている感が強いです。ベース=リード役で、ベース不在だと分離感は強まるが少しチグハグになります。オールラウンドに使えるのはやっぱりLegend Xかな。

まとめ

装着感・遮音性 44/50

  1. 41-50:カスタムIEM相当、筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
  2. 31-40:カスタムレベルとまでいかないが装着していてストレスフリー、かつ遮音性も確保できている。
  3. 21-30:装着感は良好だが遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
  4. 11-20:装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
  5. 0-10:痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。

Legend X同様Aランク相当。Legend Xより若干小ぶりですが装着感はほぼ変わりません。カスタムもどきのユニバーサル機でUnique Melodyやqdcに近い感覚。イヤーピースだけでなく筐体も耳にはまってくれるのでイヤーピースで大きく装着感が変わることはなさそうです。故にどうしてもフィットしない方は調整が難しいかもしれません。

音質 88/100

  1. 低域よりも中高域重視、低域は量より質、スピード感高めにカッチリ固めに鳴らしてほしい。
  2. ボーカルも楽器の一部、全楽器の音をバラして聴きたい、解像感高めは正義。
  3. クラシックやジャズを聴くわけではないので音場も重要ではないが余韻は欲しい、ライブ音源を気持ちよく聴きたい。

Aに関しては固めとは対極に位置する音(-4)、また低域が強すぎるので個人的なドストライクゾーンから若干外れます(-4)

Bに関しては問題なし。Cに関してはベースありなら気持ちの良い余韻を出してくれますが、ベースなしとなると自慢の低域がフイになり全体のバランスが悪くなる印象(-4)

総合 88/100

44*1/2+88*3/4=88/100

味変にぴったりで私好みのサウンドの範囲を広げてくれることに期待できそう。低域主体の音って篭りがちで苦手だったんですが、Nemesisのベースはかなり癖になります。カスタム.verになると低域がさらに増強されることが予想されるため、買い足すならばあえてユニバ.verにするという選択肢も濃厚。DAPによる影響も受けやすいのでモニター系のプレイヤーの方が聴きやすくなると思います。

より手広く使えるLegend Xを選んでしまった方が間違いないのも事実ですが、NemesisのベースラインはLegend Xでは出すことができません。聴き比べるほど両方欲しくなる魅力あるシリーズで、Legend XかNemesisか、ユニバかカスタムか、絞りきるまでに結構時間がかかりそう。物欲は尽きませんし、次に何を購入するか考えるだけでも結構楽しめますね。

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