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ここ最近数千円〜十万くらいの機種を聴き漁るのが楽しく、

改めて音の好みって値段では付けられんのだとまざまざと思い知られています。

カスタムIEMでイヤホンスパイラルは完結したと思ったら、180度回って初級中級機に戻ってきた感があります。沼は尽きない、スパイラルは永遠に。

さて8/8発売したばかりのMACBETHⅡ Classicを試聴してきましたので、装着感と音質を主としたレビューを記載します。

構造的なところはいろいろなところで語られているので割愛します。

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試聴曲

AZLAの時と同じ編成です。DAPはAK240、iPhone6sPlus。

違いを感じやすい曲調4曲分で挑んできました。

  • 林原めぐみ「I’ll be there」
  • L’Arc-en-Ciel「flower」
  • PAX JAPONICA GROOVE「Floating Colours」
  • ShockOne「Chaos Theory」
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装着感

Unique Melody全体に共通して言えることですが装着感は良いです。

MASONやMAVERICKや旧MACBETHは筐体は大きいながらも、

一般的な耳型に合うように考えられており、装着してみると筐体形状がしっかり考え込まれているのがわかります。

さらに今回はBAドライバーのみなので筐体の小型化を実現。

従来と比べて、長辺は約2.4cmから約2cmに、奥行きは約1.7cmから約1.3cmにまで小型化し、より安定した装着感が得られます。

これぞユニバーサル。フィットするしないで音の感じ方が大きく変わってしまうので、筐体が耳に合うというのはその時点で大きなメリットです。

こういう装着感の良い機種が出てくると、カスタムIEMを所持していても音が気に入ったら気軽に買ってしまいそうで危険極まりない(笑)

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音質

いい意味で万人受けしそうな素直な音といった印象で粗が見当たりません。

楽器ごとの分離感も高く、刺さる部分もなく、帯域バランスの良さが光ります。

ギター、ベース、ヴァイオリンと言った弦楽器を綺麗に丁寧に鳴らすのが特徴的と言えます。

いわゆるカマボコ型で特定の帯域を強調するタイプではないので、ボーカル特化、沈む低域、ドギツイ高域といった特徴が欲しいのであればMACBETHⅡは向いていません。

好みの分かれる特徴的なイヤホンを複数本使い分けている方からすると面白みに欠けると思います。

iPhone6sPlusでも試してみると、「なんだ、悪くないじゃない」

鳴らしきれないという事もなくAK240で聴いた特徴がそのまま当てはまります。

細かいところはDAPの性能に左右される部分はあるものの、

音楽プレイヤーを所持していないユーザーの"少し音に拘りたい"というニーズに上手く合わせてきていますね。

一聴して必要十分というところまで持ってきており、装着感の良さも相まって、既存上位機種とは住み分けができていると思いました。

普段スマホで音楽を聴いている層でいきなりMAVERICKやMASONに手を掛けるのは少数派ですから、新旧MACBETHのような全体最適を感じられるバランスの良い機種が売れるのでしょうね。

価格

定価は¥63,000(税抜)。

カスタムIEMを複数渡ってきた人間からすると安く感じてしまうが、一般的な感覚では決してお求め易い価格ではありません。

メーカーが「同じ模様は一つとないデザイン性」に拘った結果ですのでこの部分を否定する気は更々ないのですが、

3Dプリンタ使って生産効率を上げたらもう少しお安くなったのでは…?と突っ込むのは野暮でしょうか。

とはいえ音だけよくて見た目がイマイチでは売れるものも売れなくなってしまいますので

デザインにも注力して他機種との差別化をデザイン性で取るのは必然なのかもしれません。

カスタムIEMオプション同等のカーボンファイバー素材を 、職人が手作業で筐体製造していてお値段据え置きだから、むしろよく頑張ったのかも…そのように感じてきました。

余談

ずっと思っていることですが、音響機器全般を評価する上で「高コスパ」という言葉が私は大嫌いです。

コストパフォーマンスというのは実用重視の製品に当てられるのであって、感覚的に合うか合わないかという嗜好品に対して使う言葉ではないと思うんです。

その上で「有名なメーカーが作っているものだから良い、知名度のないメーカーだから悪い」 といった風潮が蔓延っているように感じます。

悪いと言うよりも「興味が無い」と表現するのが適切かもしれない。

良いか悪いかの二元論ではなくて、自分が聴いてみて「好き」か「合わなかったか」

気に入ったら手にすればいいし、そうじゃなかったらスルーすればいい。

合わなかったと感じれば「自分はそのメーカーの考えるマーケティング対象に入っていなかった」

ただそれだけなのに「(自分が)好きでないから」と言って、 その商品自体を貶める方を見かけると「なんだかなぁ」とやるせない気持ちになります。

好みの範囲が違うということは分かり合える可能性が低いのでしょうが、それをわざわざ敵対関係とせず、考え方の違いで済ませればいいのにね。

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