久しぶりの試聴レビュー。題材はOriolus Rebornです。
発売自体は昨年末から市場に投入されていたようで完全にノーマークでした。
ユニバ機の沼はRE2000で完結しておりますが、2018年は新製品は聴くだけ聴いてみるというスタイルでいこうと思います。
スペック
仕様やドライバー構成などはOriolus 2nd(以下:2nd)からほぼ変わっておりません。BAドライバー3基、Dドライバー1基の計4ドラハイブリッド構成です。良くも悪くもハイブリッドらしいサウンドで、DDの低音とBAの中高域をうまく調整しています。イヤホン本体はドイツ製のコーティング素材を使用し対衝撃性、耐久性を強化。イヤホンケーブルにはPW AUDIO社の"No.5"を使用し、材質に7N 高純度のOCC リッツ線を、さらに3.5mm ステレオミニジャックには改造度の高さからロジウムメッキを採用しています。2万弱の取り回しの良いケーブルが標準付属しているのはありがたいですね。
装着感
装着感も初代や2ndと相違なく、ユニバーサル機としては抜群の装着感を誇ります。フィット感の良し悪しは音質に影響するので、この点が非常に良いというだけで正統な評価が下されやすいのかなと思います。もちろん個人差はありますが、OriolusやForsteniは私の耳にはジャストフィットするのでそれだけで推し機種の一つとなっています。Forsteniも含めたこれまでのOriolus機で問題ないという方はRebornも同等の装着感と考えてもらえればイメージしやすいですかね。
音質
一言でまとめると2ndを低域寄りにチューニングし直した感じ。これまでのOriolusと違って中低域に勢いがあり若干キャラクターが異なります。
低域が増したのにウォームっぽさは少なく、音像が曇っていないのに聴き疲れしづらいタイプで、 尖りのない滑らかな音が特徴です。低域に特化しているイヤホンと比べると全然少ないですが、個人的には十分出ていると感じられました。ボーカルは前面に出ており高域も損なわれておりません。ストレングスの弦の動きが見えてきそうな鮮やかな中高域はこれまでのモデルに共通する部分だと思います。
下位モデルであるForsteniと比べると、 音圧強めでアタック感があります。もともとForsteniもOriolusの妥協なき廉価版として打ち出されたので傾向としては似通っていますが、中域の情報量は断然リボーンの方が多いし、低域の質・量ともにForsteniはあっさりしています。高域もForsteniは一定以上はバッサリ切っているのにリボーンは刺さらないように上手く調整しているので音場形成も一枚上手。価格が倍違うので同じだったら困りますが、「ちょっと音質に拘りたい」という方にはForsteniも間違いのない一本ですので、合わせて聴き比べして頂くことでリボーンの良さも認識できるのかなと思います。
反面Oriolusじゃなければいけない部分がないような気がします。オールラウンドに使える優秀な機種ではありますが、10万超えの機種に求めるのはただ音が良いのではなく「他にはない個性」と考える方も多いはず。単に音質が良い機種はもっと下の価格帯で山のようにありますし、高級帯に足を踏み入れるオーディオファンに受けるかどうかと言われると何とも言えません。私は気に入ったんですけど、「音良いのは分かるんだけどそこまで出すならもっと明らかに特徴的な機種にいきたい」っていう声も周りで聞きます。
まとめ
Oriolusは無印の初代→2nd→Rebornと3作目で、どれも構成同じのチューニングorケーブル仕様の違いです。基本的にOriolusサウンドですが控えめだった低域を強化して旧モデルとの差別化が図られています。一聴しただけでは良さが分かりにくいスルメ系の機種ですが、弱点の少ないオールラウンダーでどんなジャンルでも使えると思います。初代、2ndは生産終了となっているのが惜しいですが、2ndでちょっと物足りないと感じた方に是非聴いてもらいたい機種でした。