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SOLARISを求めてフジヤエービックに行ってきました。数日前に発表されたFitEar EST Ti Universalのデモ機が用意されていたので試聴してきました。

無印ESTの評価が高いだけに、プラス12万上乗せして「おいおいそりゃねーよ」って感想を抱きかねないのが怖いところでありますが、販売数が限られているので聴ける時に聴いておかねば次はないかもしれません。表のショーケースには設置されていませんでしたが、スタッフに尋ねると裏から出してもらいました。

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EST Ti の仕様

簡潔に言うと無印ESTのチタン筐体.ver + 2.5mmバランス銀線ケーブルが標準付属。

内部構造は「BAドライバーと静電型ツィーターユニットのハイブリットタイプ」ElectroStatic Tweeterの略でEST。

静電型ドライバーは駆動させるために高電圧を必要とするため外部ドライバーユニットが本来必要ですが、FitEar EST Universalではコンパクトな昇圧トランスと組み合わせた静電型ツイーターユニットを採用。そのおかげで外部ドライバーユニットを必要とせず、通常のイヤホン同様DAP直挿しで使用することができます。総ドライバー数やユニット数は非公表。

筐体構造は"FitEar Universal"で導入されたオーバルホーンステムを改良したもの。FitEar EST Ti Universalではこの設計を採用されているドライバーに適応させた新ステムに改良しており、長時間使用でも疲れない安定した装着感と高い遮音性を両立した、とのことです。

付属ケーブルは専用設計された2.5mmバランスの8芯純銀ケーブルのみでアンバランス3.5mmケーブルは付属されません。2.5mmバランスを搭載していないプレイヤーで使用する場合は変換端子を用意するかリケーブルする必要があります。

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装着感・遮音性

  1. 筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
  2. 装着していてストレスフリー、かつ遮音性も確保できている。
  3. 装着感は概ね良好だが遮音性が伴っていない。ケーブル・イヤピによる調整必須。
  4. 装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
  5. 痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。

無印ESTでも感じたのですが筐体自体のフィッティングは良好。イヤーピースとケーブル次第で大きく装着感が変わるタイプなのですが、今回用意されているケーブルがかなりの曲者で耳掛け部のチューブの形状記憶が強すぎるため、耳裏に沿って装着することができません。せっかく筐体形状を拘っているのに、ケーブルの反発で装着感が大きく損なわれているのがもったいないと思いました。遮音性もお世辞にも高いとは言えず、悲しきかなリケーブルすれば全てが解決しそうという本末転倒な組み合わせになっています。

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音質

使用DAPはAK380SS+SSAMP。

FitEarらしいわざとらしさを感じさせないチューニング。下から上まで満遍なく丁寧。無印よりも音量が取りやすくなっている気がしますが、AMPの有無で低域の出力がガラッと変わるので元々駆動力の高いDAPを使うかポタアン併用を推奨。

静電型ツイーターの影響によるのか超高解像、味付けは無印以上に薄め。低域はずっしり深いところまで出ているかと問われると何とも言えませんが、ベースの下支えとドラムのリズム感は文句がありません。無印ESTのカスタムモデルはプロ用途でもじわじわ人気が高まっており、パワーのある低域と言うよりは分析的に過不足のない程度の低域というのは無印もチタン版も変わりません。

中域は極めて聴きやすく荒さもなく丁寧に仕上がっており、帯域のつながり方も自然で違和感がありませんが、無印ESTと比較すると高域の伸びが若干抑えられ、ボーカルの艶やかさも削れてしまった印象を受けました。 ESTの一番の良さってアーティストの肉声をエロティックに修正してくれるところなので、このアイデンティティが薄れてしまったのが個人的に残念。良く言えば万人ウケするモデルに違いないのですが、ハイエンドモデルにオールラウンドは求めていなくて突き抜けた何かを求めるオタクからすればチタンじゃなくてもいいのでは...?っていうのが率直なところです。

帯域バランスが調整されたチタン版の方がモニター度合いも高めに感じられたので、FitEarのコンセプトとしては改良に当たるものと思います。この部分が良いと感じられなければおそらく私のように「無印の方が好み」で済まされてしまうでしょう。

価格など

フジヤエービックにて先行限定発売でお値段¥259,200。

無印が大体14万くらいなので差額は12万。これだけでもう一本無印ESTが買えてしまうレベル…

初回予約分は発表があった翌日には完売していた様子で、次回のロット分は未定とのことです。話を聞くと予約された方の多くはすでに無印ESTを所持されていて、チタン版の方が好みだったから下取りに出して買い替えというパターンが多い模様。

その突撃力の高さには付いていくことはできませんが、良きものは良いとして自分の正義を追い求める姿勢は憧れたりしますね。(資金力がないと到底真似ができません笑)

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