スポンサーリンク

次期カスタムIEMの候補はEMPIRE EARSのLegend X,Nemesisだけではありません。

64AudioのA12tもかなり好みで、これ以上のモニタラスな機種が存在しないと思っています。

音質的にも最高レベルで、今の手持ちだとEMRIRE以上に性格が異なるモデルなので、用途が被ったり最終的に出番がなくなったりすることが考えにくいのがオーダーしても後悔しなさそうな理由の一つです。

A12tの試聴機はユニバ.verのU12tと同等なので、当記事はU12tの試聴レビューとしてまとめたいと思います。

スポンサーリンク

A12tのスペック

概要

  • Low*4, Mid*6, Mid/High*1, tia High*1 (旧A12はLow*4, Mid*4, High*4)
  • 周波数特性10Hz-20000Hz、感度108dB、インピーダンス12.6Ω
  • 遮音性-20dB / apex m20 module、-15dB / apex m15 module (カスタム.ver)
  • 標準付属モジュールはm20とm15

tiaドライバー

64Audioの新技術「tia(Tubeless In-ear Audio)テクノロジー」

従来のイヤホン設計ではBAドライバーに音導管をつなぎこむことが前提にあり、音導管を通して音導孔から音を出すことが基本でした。が、tiaテクノロジーは、BAドライバーに音導管を使用することなくドライバーから発せられる音を直接、音導孔から放出し、鼓膜へ伝えることのできるチューブレス技術の一つです。

音導管を使用しないメリットは多く、音導管内部で各ドライバーから発信された音が混ざったり、フィルターによる音が減衰することを無くすことができます。加えてtiaドライバーはBAドライバーの筐体一部を切り開くことでドライバー自体の共振を拝することができ、ドライバー本来の音を歪みなく耳へ届けることが可能となりました。

イヤモニの出口となる音導孔の数はメーカーによって異なりますが、U12tでは大口径の孔を一つに絞るシングルボアを採用。音導孔自体がアコースティックチャンバーとなり、ドライバーの性能を引き出す設計となっています。

Apexテクノロジー

64Audioの最大の特徴とも言える技術、apexテクノロジー(Air Pressure Exchange)。

外耳道をイヤモニで塞ぐと音圧を感じられるのですが、これは耳の疲労を誘発し鼓膜に負担が掛かることで最悪の場合突発性難聴に陥る事態となってしまいかねません。いくらカスタムIEMが遮音性に優れ音量を低く取れると言っても、長時間使い続けていれば耳に悪いことがあっても良いことはありません。そこでapexテクノロジー。こいつはそのようなイヤモニ使用に伴う難聴リスクを抑える為に開発された技術で、外耳道内にて生成された音圧をapexモジュールを介して緩和し外へ放出します。この技術もあって64Audioのイヤモニは長時間使用でも聴き疲れしにくいモデルが多くラインナップされています。

スポンサーリンク

装着感・遮音性

試聴機(ユニバ.ver)は、アノダイズド加工が施された堅牢なアルミニウムをハウジングに使用。採用艶消しのモダンデザインで仕上げており、金属筐体なのでひんやりします。サイズも小ぶりで12個のドライバーが隙間なくぎっしり詰まっているのでしょう。装着感も悪くはなく並以上。

遮音性は可もなく不可もなし。ハウジング自体はすっぽりカナルに収まるタイプなのでイヤーピースによって大きく変化しそうな感じ。カスタム.verであれば装着感も遮音性も気にする必要はありませんが、ユニバ機でも屋外使用で問題にならない程度の水準です。

スポンサーリンク

音質

試聴環境、DAPはAK380SS+SSAMP、音楽のジャンルはロック、エレクトロ、ポップス、ゲームサントラです。

中高域にドライバーが偏っていることもあり、中高域の解像感がズバ抜けています。Legend Xが支配感の強い低域と広すぎる音場を強みとするならば、こちらは中域の情報量と高域の伸びやかさに軍配が上がりますね。ボーカルも比較的近いのですが、U12tの場合あらゆる音を拾ってくれるので、全パート横並びで押し寄せてくる感覚です。全体的にシャキッとクリアに鳴らせるクール系で、それでいて楽器の繊細なタッチも表現できる万能型。低域も厚めでモニターモニターしたのっぺりした抑揚のないサウンドではないというのが評価できます。

分離感も比較的強めで、VE8ほど分解しない程度に聴き疲れしないラインでまとめています。Apexモジュールの影響もあるでしょうが、高域が刺さることもなく、現在気になっている機種の中で「聴き疲れしない」という観点だけで評価するならEST>U12t>Legend X>Nemesis>VE8といった序列。Fitear ESTはとにかくミドル帯がクッキリしていて、そこまでガッツリ音を聴き取りたくない時はU12t以上に使いやすそう。U12tもハイエンドの中では超高解像度で情報量が多すぎるにも関わらず、スッと鼓膜へ溶け込んでいく様は唯一無二の機種で非常に気に入りました。

価格

国内代理店を通すと¥263,800、納期2ヶ月程度。

直オーダーならば$1999、納期1ヶ月、ブラックフライデーだとここからさらに15%程安くなるので$1=¥110ならば本体¥187,000、プラス送料やら手数料やら消費税が発生しても20万ちょいといったところか。6万円差は流石に大きすぎるのでオーダーするならば直販+割引を適用したいところ。価格も高く納期も長いならば国内代理店を通すメリットが皆無です。

まとめ

装着感・遮音性 36/50

  1. 41-50:カスタムIEM相当、筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
  2. 31-40:カスタムレベルとまでいかないが装着していてストレスフリー、かつ遮音性も確保できている。
  3. 21-30:装着感は良好だが遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
  4. 11-20:装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
  5. 0-10:痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。

Bランク相当、決して悪いものではありませんが、同じようにカスタム/ユニバ両モデルを作っているメーカーならばEMPIRE EARSの方が上手に感じました。あちらの方が筐体サイズが大きいためカナルに合う合わないでフィット感が大きく異なるんでしょうが、U12tだと平均的に良好という印象です。「耳への収まりを良くするためにサイズを小ぶりにしたからあとはイヤピで各自調整してね〜」って感じ。

音質 96/100

  1. 低域よりも中高域重視、低域は量より質、スピード感高めにカッチリ固めに鳴らしてほしい。
  2. ボーカルも楽器の一部、全楽器の音をバラして聴きたい、解像感高めは正義。
  3. クラシックやジャズを聴くわけではないので音場も重要ではないが余韻は欲しい、ライブ音源を気持ちよく聴きたい。

A/Bに関しては文句のつけようがありません。パーフェクト!

Cに関しては余韻感はLegend Xの方が好み。低域の不足感はありませんが、横にブワッと広がっていく感覚がU12tは少ないのでそこだけマイナス(-4) 8割くらい言いがかりのようなネガティブ評価ですが、ライブ音源を気持ちよく聴くならばLegend Xかなぁ…

総合 90/100(ユニバ.ver)

36*1/2+96*3/4=90

カスタム.verだと純粋に音質だけの評価となるので私基準で96/100とLegend Xと並ぶ超高評価。現在の手持ち機種の中でここまで情報量の多いモデルは持ち合わせていないため、仮にA12tをオーダーしても腐ることがないでしょう。Legend Xだと装着感と遮音性がお世辞に良いとは言えないRE2000と傾向が似ているので、腐り機種が発生してしまうのがなんとも悩ましいところ。

A12tをオーダーするにしてもポタフェスなりヘッドホン祭りで20万を切らないことにはオーダーする気になりませんし、じっくり比較検討していきたいと思います。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう