SIMGOTというメーカーをご存知でしょうか。日本においては2年ほど前に発売した"EN700PRO"が着火剤になり、それなりにイヤホンに拘りを持っている層の中では抜群の知名度を誇っています。
しばしばポタフェスやヘッドホン祭などのイベントに出展していることも相まって根強いファンが多い印象を受けますね。ブースで配布されるノベルティがイヤホン本体にも付属するケースというのも非常に嬉しく、その用途はイヤホンの保管に留まらず、イヤピケースとして用いてもいいですし、クリーニングツールを一纏めにするのも使い勝手が良く、あと10個くらい欲しいというのが本音です。このケースの所持数でSIMGOT愛を測れそう。
さて今回取り上げるモデルは海外では発売済の"EM2"。日本ではこれから展開される予定ですが、海外通販対応しているので$116+送料で輸入することも可能です。普通に円建て換算したら¥13,000くらいとなりますが、日本での販売価格は現状未定とのこと。詳細は【音質】の項で纏めますが、この価格帯のモデルとしては中々クオリティが高く、日本で正式発売したら確実に売れるわ…と断言できる程。
早速パッケージを開けていきましょうか。
パッケージ構成
引き出し型のボックスデザインとなっており、最も外側の紙製パッケージを取っ払うと右側の写真のようなハードケースが出てきます。開けてみると…
イヤーピースもケーブルも付けられていない筐体と多用途に使える革ケースが鎮座しております。
下層にケーブル単体が安置されており、革ケースにシリコンイヤーピースが計6組入っています。
EM2のスペック概要
- ドライバーはBA*1-DD*1のハイブリッド型。
- DDはEN700でも採用された10mm径、BAはKnowles製。
- インピーダンス10Ω、再生周波数帯域15Hz-40000Hz、音圧感度 ≥101dB
- ケーブルは4芯混合銀メッキ線、0.78㎜2pin端子。汎用的なフラットタイプではなく、接続部の強度を確保するため周囲にカバーが付けられています。
- カラーはクリア、グリーン、ピンク、パープル、グレーの5色展開。
- 日本での発売時期は5月下旬予定。
装着感と遮音性
- 筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
- 装着していてストレスフリー、かつ遮音性もそれなりに確保できている。
- 装着感は我慢できるが遮音性が伴っていない。屋外用途でギリギリ使える。
- 装着感もいまいちで遮音性も低い。ストレスを感じるレベル。
- 痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。
イヤーピースはSednaEarfit Sサイズを使用。筐体サイズはやや小ぶりで耳への収まりは良好です。qdcやUnique Melody、AROMAなどカスタムIEMの試聴機のようなアクリル筐体を設計しているメーカーのものと比べると全体的なフィッティングは甘いのですが、ノズルがやや長めに作られているのでイヤーピースのサイズさえ間違えなければ快適な装着感を得られるかと思います。遮音性もまずまずで、音楽再生中は外音が気になることも無かったです。
総じて初代AZLAの筐体を良い方向にブラッシュアップしたような形状で、私としては文句のつけようがありません。