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MAVERICK II Re;のデモ機が置かれたことを思い出しました。音フェスではまとまった時間が取れず、細かな音質傾向を把握することができなかったので、台風で空いていることを期待してeイヤホン秋葉原へ繰り出すことに。

ポタフェスやヘッドホン祭でもそうなんですが、会場で聴いた時に「おっ!これは!!」って思っても改めてじっくり試聴したら「あの時聴いたのと違う…」ってことは往々としてあるわけで、イベントで試聴すると補正が掛かってしまうのは私だけでしょうか。

今回のMAVERICK II Re;も音フェス時ではかなり高評価を付けられたもので、はてはて今回の試聴でどうなることか。早速実機のレビューに移ります。

MAVERICK II Re;のスペック

こちらの記事でまとめているので概要だけ。

MAVERICK II→MAVERICK II RE;の違いとしては付属ケーブルと筐体デザイン。Beat AudioがMAVERICK II Re;に合わせて専用設計した銀メッキ銅導体ケーブルが搭載されており、ケーブルによってS/Nが向上したことで、チューニングも再調整がなされております。実質的にMAVERICK IIIと言ってもよさそうではありますが、過去にMAVERICKのリチューニング版であるMAVERICK+が出た直後にMAVERICK IIが登場したことを忘れておりません。そういう意味では今後IIIが登場する布石とも言えるかも。まぁ今ここにあるモデルの音が良くてそれに納得して購入する人がいればモデル名なんて何でもいい気がしますが。

デザイン

実機の写真を撮れればよかったのですが、販促に使われている写真よりも実機の方がやや黒みを帯びていて、実機を見ずに購入された方がいらっしゃれば「思ってたカラーと違う…」ってことも。もっとギラギラしているのかと思いきやダークブルーな感じで落ち着きある色味です。

装着感と遮音性

  1. カスタムIEM相当、筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
  2. カスタムレベルとまでいかないが装着していてストレスフリー、かつ遮音性も確保できている。
  3. 装着感は良好だが遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
  4. 装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
  5. 痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。

フィット感は最強レベルに良いです。これまでのMAVERICKより筐体サイズ自体が小ぶりで耳から出っぱる部分も抑え目です。遮音性についてはDD用のベント孔が開けられているので完全密閉型の装着感が良いモデル(Witch GirlやNEPTUNEなど)と比べると若干甘さを感じますが、そこそこ騒がしい店内で聴く分には十分外音をシャットアウトできているので特に問題にはならないと思われます。

一点懸念するとすれば標準付属しているBeat Audioの特注ケーブルの取り回しがイマイチである点。耳掛け部分が内側に形状記憶されたようなケーブルで極めて使い勝手が悪そう。もともとEffect AudioやPW Audioの柔らかめなケーブルが好みということもあり、せっかく特注ケーブルがついているのにもし私が購入して使い倒そうとしても即リケーブルしてしまいそうですが、折角相性のいいケーブルを付けてくれているのですからメーカー推奨の組み合わせで使いたい気持ちもあります。

DITAやSignalなど硬いケーブルも何本か手元にあるので、ケーブルクリップとスライダーでなんとか反発を抑える術を身につけたいところ。

音質

試聴環境はAK380SS+SSAMP。ぶっちゃけもう少し軽いリファレンス用のDAPが欲しいのですが、なんやかんだ聴き慣れているDAPでの試聴で評価するのが一番違いが分かりやすいってもんです。

デモ機はエージング100時間オーバーの処理が成されているので本気モード。これで気に入らなきゃ箱出しエージングをこなしたところで好みの音に化けることはないでしょうね。

私の嗜好的には、歌詞入り歌詞なし両方の音源を聴いているのでボーカル最重要ってわけでもなく、むしろボーカルも楽器の一部として各種パートと横並びにうまい具合に融和してくれるサウンドが好みなのですが、音フェスのインプレッション通りでノリ良く聴けるタイプでありながら解像感・分離感の高さと中域の妙なリアリティに虜になります。それに加えて一発だけ搭載されているダイナミックドライバーが発する低域が心地よく、ベースやキックの下支えがあるからこそ中域を映えさせてくれます。

同じようにこのイヤホンでボーカルを聴きたいと感じたのはFitEarのESTがあり、こちらはとにかく女性ボーカルのウィスパー・ボイス、ファルセットのエロティカルな感じがもう最高です。ユニバーサルは装着感がしっくりこなかったのでカスタム.verをいまかいまかと待ち構えておるのですが、ボーカルにいやらしさを求めるならEST一択!

対してMAVERICK II Re;もボーカルの持っていき方が上手いタイプと言えるのですが、こちらはESTほどのエロさは感じられず、テクニック的なものよりも本来その歌い手が持ちうる全力をクリアに伸びやかに届けてくれる点が異なります。歌い始めのブレス、シャクリよりも、声を発した後のデクレッシェンド(沈み込み)の表現力がMAVERICK II Re;ならではの巧みさだと感じました。

楽器のサウンドに関しては、曲によっては高域が若干シャリつくものもありましたが、どぎつい高音大歓迎なタイプですので私はあまり気になりませんでした。ボーカルの沈み込みと伸ばし方の表現力が際立っているモデルであると同時に、楽器でも同じ傾向があると思われます。ストレングス系や鍵盤の余韻・残響感も比較的強めと感じられたので、ボーカルメインでなくとも楽しめそうです。

チューニング元になったMAVERICK IIとは別物で、中域とボーカルが前面に出てくる仕様となっているため、これまでのMAVERICKが気に入っているからと言ってRe;も気にいるかと言われるとなんとも微妙。逆に私のように通常のMAVERICK IIがいまいちヒットしなかった方にこそ聴いてもらいたいモデルです。

オーダー

定価は16万強。発売日は27日(金)なので既に入手した方もいらっしゃるかと思いますが、10月初旬入荷の2次予約も締め切り、10月1日現在は11月以降の3次予約まで待たされることとなります。この価格帯の限定500台って正直かなり残るものかと思っていたので出遅れ感しかありません。というかみなさんの財布力・突撃力の高さに驚きます笑

私も最初のハイブリッド機の筆耕候補として在庫が残っていればMAVERICK II Re;も前向きに考えたい。もし購入することになったら過去のMAVERICKとの比較をじっくり行いたいと思います。

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