当記事はカスタムIEMの国外直接オーダーについて記載させて頂きます。
比較的新興メーカーであるJomo AudioのSAMBAを国内代理店を通さずシンガポールに直接オーダーしてみました。
ネット上にカスタムIEMの直接オーダーに関する記事自体が少なく、リフィットまで発生してしまったので、個人的な備忘録も兼ねてまとめたいと思います。。
1.新カスタムIEM検討編
SAMBAが来るまではVision Ears VE5とVE6XCの2本を使用しておりました。
色々なメーカーのものを取っ替え引っ替え試聴した結果、Vision Earsが好みだったのでVE一筋でありました。
Vision Earsの傾向として、レスポンスの速いエッジの効いた渇いた音という印象を受けます。
解像度も高く、普段聴いてるロック/メタル/ポップスに関しては気持ちよく聴けるのですが、
「音場が広めで中低域の厚みがあって、なおかつ高域も出て欲しい」という私の我儘な要望に応えたリスニング機が欲しくなってしまったのが購入動機です。
いわゆる"無い物ねだり"ってヤツです。
VE6XCのスイッチ下にThor Silver 8芯をリケーブルでも良かったのですが、はっきり言って高すぎるんですよね。ケーブルにそこまでは出せない。
このようにSAMBAを検討し始めた時期は2016年10月下旬。
ちょうど大統領選やらで為替の変動が激しかった時期です。
1シンガポールドル75円を割るか割らないかといったところで推移していました。
私が普段使用しているクレジットレート1.64%を上乗せしても、SAMBAが大体15万円台後半で作ってもらえる計算。
PayPalレートは高いので、私はPayPal支払いでも現地通貨を参照して支払っています。
国内価格は¥209,000ですから本体だけで5万円も異なるわけです。
シンガポールドル-円のチャートを調べてみると、ここ3年以内で特に安いタイミングだったので、すぐにでもオーダーしたい、という勢いでした。
2.オーダー編
海外通販はよく利用するので全く抵抗ありませんが、そもそも国内代理店通さず受けてくれるの?というところからスタート。
Vision Earsの時は、「某イヤホン屋さんを通しなさい」と一蹴されてしまったので、その点だけクリアできたらどうにでもなる。
ブログや某掲示板で直オーダーの報告の挙がるのは、UE、UM、JH 、このあたりでしょうか。
UMは現時点では直接オーダーは難しそうですが、UE、JHは今でも問題なく可能みたい。
Jomo Audioは、一切の情報無しw
"Contuct us"から、自己紹介を含め「①日本へのオーダー可能か、②可能なら支払先とインプレ送付先、③納期、④リフィット必要な場合の無料期間」を問い合わせ。
すると3日後、担当の方から「遅くなってすまん。オーダー大歓迎よ。サービスとして此方からの送料は無料にするよ。その代わり確実にインプレッションを送ってくれ。通常8weekだけど平均的には5week。リフィットは届いてから1ヶ月以内なら無償で行うよ。」とのお返事。
完成後の送料無料というのは地味に嬉しい。
ついでに"Delax Design Package"というS$249(2016年11月時点で¥18,000)でオプション何でも付け放題っていうプランと限定フェイスプレートオプションHybrid Opal(白/青/黒)を紹介してもらいました。
いずれも国内ではそんな選択肢がありません。
Jomo Audioはシェル、フェイスプレート共にオプションの種類が半端なく多いので、定額付け放題というのは魅力的。
シェルオプションとフェイスプレートオプション付けたら2万は軽くオーバーしてしまいます。
オプション一覧のデータを貰い、組合せに悩むこと3日。
- Left Shell→BlueShimmer(High)
- Left Faceplate→Hybrid Opal(Blue)&Watch Parts
- Right Shell→GrayTrans&Gold Nugget(High)
- Right Faceplate→Hybrid Opal(Black)&Watch Parts
ケーブルはAresⅡの2.5mmストレートプラグ
ウォッチパーツの配置に好みがあるので、写真を添付して「こんな感じが好きやで!」と一言。
この内容で11月初旬にPayPal支払を済ませ、シンガポールへEMSでインプレを発送。
送料は大阪からで1400円でした。
海外から仕入れることはあっても
国外へ飛ばすことは初めてだったので一抹の不安はありましたが2日後には現地へ無事到着。
後は完成を待つだけ、という状態。
呆気ない。
年内に受け取れたらいいな、と望みをかける。
3.メーカーからの気配り編
オーダーして完成を待つだけ、なのですが
11月中旬頃、左側フェイスプレートのHybrid Opal(Blue)の在庫が枯渇していると連絡がありました。
担当者→私
Hi
We are writing to you with regards to the Samba.
We have been informed that there has been delays in the 青 hybrid opal, and Jomo Audio has suggested changing to either 黑 or 白 as they are not sure when their 青 hybrid opal material will arrive.
Please let us know which colour you would like to change the 青 hybrid opal to so that the production of your Samba will not be delayed.
なぜか色だけは漢字で伝えてきてて面白い。
現状を教えてくれるなんてありがたい話。
いつ入荷されるか分からないなら、プレートの変更依頼を掛けました。
私→担当者
Thanks for imformation of the current status.
Jomo Audio doesn't know when 青 Hybrid Opal arrives to the Labs, does it?
If it is possible to change the faceplate, other than 白 and 黒, can I serect the Aurora or Abstruct...?
The shell color is blue,
and if I change the faceplate, would like Aurora or Abstruct.
他のフェイスプレートに変えられないかお願い。
担当者→私
Yes, the arrival of the 青 hybrid opal is not certain at the moment.
If you wish to change to Aurora, that is okay too!
You can refer to the design book.
快くOKとの返事。
私→担当者
Then,I would like to change the faceplate,
Hybrid Opal 青(and watch parts)→Aurora-Neptune(watch parts=NONE).
Right side →No change.
Will it be accpted in the above?
オーロラのネプチューンというプレートに変更をお願い。
担当者→私
No problem at all. We will update Jomo Audio about the change.
4.Black Friday編
11月といえばBlack Fridayですよ。日本国内では定着していませんが。
今やアメリカ本土のみならず各国でセールを行っています。
私がオーダーしたお店もご多分に漏れずセールをやっており、Effect AudioやらPW Audioのケーブルが安くなっていました。
当時まともなリケーブルを所持していなかったので、この機にVision Ears用のケーブルも入手しておくのもありかと考えました。
Effect Audio は取り回しが非常に良く、各ケーブルの特徴が掴みやすいという点で気にはなっていたのでまさに絶好の機会。
事前にオーダー中のSAMBAとセットでケーブルも欲しい、という旨の連絡を入れ、了承を貰った上で、AresⅡ+、ErosⅡ+の2本合わせてS$700で追加オーダーしました。
私→担当者
Good evening.
I want to buy "AresⅡ+"&"ErosⅡ+". I'll pay S$288.15(AresⅡ+)+S$424.15= S$712.3 immediately.
Generally, are shipping charges not included in that?
追加オーダーで送料が掛かるか確認。
担当者→私
We can give you free shipping, and ship the cables together with your Samba. Is that okay?
5.到着編
12月初旬にとある所で、私のSAMBAが完成していることを知ってしまいます。
Jomo AudioのInstagramです。
デザイン、神かよ... 期待以上すぎる!
元々過去の完成作品が掲載されていたので、ここから実機はどうなるのか参考にしていたんです。
どう考えてもこれは私のオーダーしたものと同じなので、お店からの連絡よりも早く出来上がりを知ることとなりました。
発送されるのを1週間ほど待っていたのですが中々連絡がないので、痺れを切らして此方から「私のSAMBAの調子はどうだ」と進捗確認。
すると「SAMBAは出来上がってる。BFで注文してくれたケーブル待ちだ」との返信。
どうやらEffect Audioに注文が殺到してしまいケーブル納期が3週間かかる見込み。
この時、私はケーブルは普通在庫で持っているだろうからSAMBAが完成すればセットで発送されると思っていました。
まさかケーブル納期で3週間も掛かるとは完全に誤算で、この点は予め確認しておくべきだったなぁと反省。
ケーブルが上がってきたのがクリスマス直前で、即日Fedex Priorityで発送を掛けてくれたおかげで、翌日の夜に受け取ることが出来ました。
余談ですがFedex Priorityめちゃくちゃ速い。
シンガポールから日本まで翌日着って、ヘタな国内陸運より圧倒的に速いことに感動の極み。
大阪のFedexは南港が拠点で、今回は佐川に委託されてました。
紙袋にペリカンケースというシンプル梱包。
中身は、本体、AresⅡケーブル(3.5mmストレートプラグ)、ホック、ワランティプレート。
ワランティプレートは金属製で高級感があります。
プラグは2.5mmバランスでオーダーしていましたが標準3.5mmが入っていました。
まぁいつまでもAKプレイヤー使うわけでもないから問題なし。
気にする人は気にするんだけど色々と細かく対応してもらっているので気にする必要なし。どうせリケーブルするし。
メインのブツは実動3週間で完成させてくれたので感心するほど対応が早すぎるレベル。
プロ用メイン等の事情はあるとはいえ、3ヶ月4ヶ月も平気で掛けてくるカスタムIEMメーカーがひしめく昨今、このスピード感は中々のものです。
単に暇だっただけかもしれませんけどね。
しかしながら2点妥協できない問題が発生しています。
- 左側フェイスプレートがポリッシングされておらず何だか凸凹してる。
- 左側がリフィット案件レベルで緩い。右側も少し緩い。隙間が出来ているのか、右側と左側で音の出力が違って聴こえる。
1は自分でも何とかできるので、2の件が無ければ見過ごそうとも思いましたが、フィット感が悪いのは送り直しほぼ確定。
私の場合、シェルの厚めなVision Earsでカスタムデビューしたせいか、ややキツ目が好みのようです。
上から蓋されるようなジャストフィットよりも少しだけ圧迫感のある方が好み。
比較対象がキツ目なので緩く感じる、ということも考えられます。
それにフィット感というものは季節によっても違うし、朝と夕方でも違うし、もっと言えば体調によっても異なる。
とりあえずは2週間様子見することにしました。
年末だからすぐ送り返したところで着手できるのは年明けだろうから。
リフィット依頼は後編に続きます。