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前夜に衝動的に行きたくなった2017年 秋のヘッドホン祭りに参加してきました。AM7:00の列車で中野に直行し、同日の夜行バスで帰還する弾丸旅行となってしまいましたが、私好みの新機種が多かったり、思わぬ戦利品を手にできたりで大満足の一日でした。

10時半すぎにサンプラザ中野へ到着。例のごとくエレベータは長蛇の列。地下まで列が延びていたものの10分くらいで会場入りできました。物販整理券は第3部の14時〜でフリーになる直前。イヤホンメインですが、夕方までビル内で過ごしたので、聴いてきた機種の雑感をまとめます。写真はあったりなかったりで、イメージが伝わりにくいかもしれませんがご容赦下さい。ちなみに持ち込んだDAPはAK240、イヤホンはDreamです。

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Asteria A1 / LH Labs&Campfire Audio

LH LabsはアメリカのLight Harmonicと言うオーディオブランドで日本国内でバリュートレードが音頭を取ることが決まった。LH Labs SEOがCampfire AudioのSEOと仲が良いことで実現したコラボモデルで、販売はLH Labs名義でなされる。

筐体形状やユニット構成はDORADOと同等で、ドライバーは新しいもので音は全く異なる。デザインは青っぽく、片側にLH Labsのロゴ、もう片方にはCampfire Audioのロゴが入る。アメリカ人の好み的に40000以上の中域以上にピークを持ってくるのが一般的だけどらこちらは日本向けに少しピークを下げて刺さりを減らしている。低域強めのフラット寄りな音で、DORADOがイマイチと思われる方に特に聴いてみてほしい。ケーブルは最近のiPhoneに直挿しできるようにLightning直結のものが付属するようでDORADOよりも高くなることは確実。

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DH200M / Dynamic Emotion

BAとDドラを1基ずつ同軸配列したハイブリッド型。にしてはコンパクトで耳への収まり良好。音質はフラットで尖るところの少ないタイプ。

Twitterハッシュタグで一言レビューしたらクジを引けるのですが、A賞をもぎ取る神ヅモ発動。 2つしか入っていないDH200Mを無償で頂けたのでありがたく使用させて頂きます。開封の儀と合わせて、別途しっかりとレビューしたいと思います。

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MY LOVE 2/ TFZ

シャキシャキ系。THE EXCLUSIVE KINGに通ずるところがあり、なかなか好み。

発売は11月上旬、¥12,000前後。

IE800S / SENNHEISER

11月末に発売決定。高域がはっきりしていて従来モデルとは差別化が図られている。が、 無印の800と比べて万人ウケするものとは思えなかった。単にエージング不足なのか、今回の試聴だけで決めつけるのは時期尚早か。

ケーブルは分岐部の手前で着脱できるタイプで、その先で断線したら治すのは難しそう。相変わらず耳掛けしたら顎まで来てしまうので、SENHEISERの思想はそうじゃないのねって思った。

Mellianus、HYLA / サイラス

祭りのたびにチューニングが変わるMellianus。

一応Oriolusブランドに属する旗艦モデル。今回で最終調整が施されているようで、本国では発売済。BA10ドラ、解像感は高くザマルチBA。20万台の機種が増えてきている中でやっていけるか心配。

HYLA(ハイラ)はOriolusの姉妹ブランド的な立ち位置。CE-5とLE-1の二機種が登場。

CE-5はトライデントエンジンと称したトリプルドライバーを搭載したモデル。筐体はアクリル高域から超高域→新開発のセラミック振動板ドライバー1基、中高域→ BA ドライバー2 基、低域→ダイナミックドライバー1 基の計4ドラ構成。低域強めのハイブリットらしい音で、OriolusやForsteniより癖が強い。初代OriolusやForsteniを初めて聴いた時ほどのインパクトは薄い。悪くはないけど、期待値が高すぎたみたい。

LE-1は筐体が純銀製のBA10ドラモデル。帯域ごとのドライバーの割り振りは非公開。下から2-4-2-2か2-2-4-の4wayだったと思うがちょっと忘れた。当然音は良く、立体的な音場と中高域が圧倒的。標準で付いているケーブルがしょぼいのか、リミテッドエディションのPW銅線4芯付きのものと聴き比べるとガラッと音が変わる。ちなみに値段は標準品が27万、リミテッドになると20万のケーブルが付いて40万台後半。高すぎワロエナイ状態である。

Musical Boxシリーズ / AROMA

Early(アーリー)、Twins(ツインズ)、Yao(ハオ)の3機種が登場。このシリーズは全8モデルあり今回は先行的に3つのみ。(Yaoは混んでて写真撮れなかった…)

EarlyはBA1基、Dドラ1基のハイブリッド型。三機種の中で一番聴きやすいリスニング型。しっかりボーカルが近く楽しく聴ける。個人的にこれが一番好き。

TwinsはBA7基の2-2-2-1構成。JomoのSEOが7ドラは論外と言っていた気がするが、確かに7ドラってあまりない。悪名高いStereo Pravdaが7ドラだったが、他にBA7基の組み合わせは見かけない珍しい機種。こちら、低域ブースト、高域ブーストの付いたスイッチモデルで、スイッチを上げると高域特化、下げると低域特化。どちらも極端。上はハイが刺さるし下はベースがうるさいくらい。好みが分かれることこの上なし。高域特化のギンギンに刺さる感じは好きだけど、いずれにせよ聴き疲れしそう。

Yaoはフラグシップの立ち位置。BA12基で2-2-4-4構成。深みのある低域を醸し出し空間表現が得意。ただしまだまだプロトタイプなので改良されるとのこと。

装着感、遮音性はWitch Girlと同じく非常に良好。お値段的にはEarlyが8万弱、Twinsが23万弱、Yaoが33万弱。Earlyはともかく他2つはとても買えねぇ…

AROMAブースにて、隣で試聴されていた方がWitch Girl 12で「左に寄ってませんか」とスタッフに質問。スタッフも自身の愛用DAPで聴いてみるも判別ができず、私も試してみることに。「…なるほど、分からん」というのが率直な感想で、言われてみれば曲によっちゃあ片側に寄っているかも…と確実にこうですと断言できませんでした。 そこで「マルチBAって軽くテーブルにぶつけたりするとチューニングが狂うってことが有り得るのかな?」って疑問が生まれました。故障して完全に特定帯域が潰れるとかは経験があるけど、故障は故障でもほんのわずかに音が変わってしまったり、片側の出力だけ弱くなることがどれくらい発生するのか気になります。何れにしてもかなり繊細な聴力を要するため、言われなきゃなんとも、、、

LEAR

カスタムメーカーとして有名。Dドラユニバと試作段階のハイブリッド型が並んでいたので試聴。

Dドラモデルは販売中のものでLHF-AE1d Be、LHF-AE1d Tiの2機種を。違いは振動板の材質で前者がベリリウム、後者がチタン。低域調整できる機構が付いておりマイナスドライバーで回すことで音を変えられる。

Beの方は、感度が高いのか普段聴いている音量で聴いても遠いところで鳴っている感じ。単体ではちょっと良い音とは言い難い。

続いてTiと取ってみると、Beでの音量ではデカすぎて耳に悪い。明らかにこちらの方が安定感がある。暖かみのある音で解像感も高い。

ハイブリッドモデルはLUF pro 2.1 BDで試作段階。装着感がめちゃくちゃ良く、音もハイブリットらしくて弱点らしい弱点がない。今回聴いた3機種の中では最も好み。

DITA Audio

シンガポールのDITA Audioから新モデルの試作品が登場。立ち位置的にはDreamの下位モデルで、Fealty(ヒューティー)とFidelity(フィデルティ)の双子モデルを開発中。筐体はアルミニウム、 リケーブルは2pinを採用。UEのようなコネクタになるとのことだが、それとも若干違う独自規格になる可能性有り。Dreamとドライバーが異なり、さらにFealtyとFidelityでもドライバーが異なる。Dreamとは別物と考えた方が良さそう。

下位モデルとはいうが$1499くらいになるので普通にフラグシップ級のお値段になりそう。

ちなみにDreamの供給が少なく生産中止となってしまったのは、チタン筐体の切削の難しさから。量産不能で数を作れなければ商売にならないと委託先から取引中止とされたようだ。今回開発中のモデルはアルミニウムなので量産は問題ないだろうが、今後二度とチタン筐体のものが出てこないことを示唆しているのかもね。

KSE1500 / SHURE

今更ながらSHUREのコンデンサー型イヤホンを試聴。これまで聴いたことがなく、操作方法も分からなかったのでこの機会に教えてもらった。

コンデンサーイヤホン自体HUMしか知らないが、世界初のコンデンサー搭載モデルはKSE1500。エレキギターがギュインギュインと来る感じは他では味わうことができなく、中低域の緩急のつけ方は特筆モノ。イコライザーも使えますが、何も触らないのが最も好みでした。装着感は流石の一言。しっかり聴きこんでみたいと思える作品でした。

EM3、EM5 / SIMGOT

EN700で最近話題になった中国のシムゴット。今回の祭りの参考出展機材の中でヒットしたのがEM3とEM5の2つのハイブリッドモデル。

EM3はBA2基Dドラ1基の3ドライバー。音のつながりに違和感がなくボーカル域が自然で気持ちが良い。上位のEM5はBA4基Dドラ1基の5ドライバー。3より奥行き感が加わった感じでジャス・クラシック寄り。ロックを聴くなら3の方が向いているように思える。

いずれもまだまだこれから煮詰めていき来年夏頃の市場投入を予定、価格も決まっていないが6桁にはならないとのこと。

多分本国の方なんだろうけど、日本語が流暢なスタッフさんの対応が神掛かっていて、一気にファンになりました。

FXA9、FXA11 / Fender

FXA9はマルチBA、高域1基、中域1基、低域2基、超低域2基の計6ドラ。低域以下に4発積んでいてどれほどの低音を鳴らしてくれるかと思ったら、意外にもボーカル域が綺麗で、中高域にかかる楽器の余韻感が良い。FXA11はハイブリッド型。低域→Dドラ1基、中域→BA2基、高域2基の計5ドラを採用。FXA9よりも低域強めで差別化されている。

どちらも装着感は良い。標準付属するシリコンのイヤーピースの遮音性も高く、それだけ単体で売っていないか聞いてみると「今のところなし」とのこと。付属品のモノを失くしたら代理店経由でそれだけ取り寄せることは可能。

BLUE EVER BLUE

前々から聴こう聴こうと思っていたブルーエバーブルー。良い機会だったのでまとめて試聴させてもらった。ブースのスタッフさんがめちゃくちゃ気を遣ってくれて「慣れてはるなぁ」と感心した。

全てDドラでMODEL〇〇と表記され、数字が大きくなるにつれて価格も上がる。

MODEL900がフラットの基礎モデル。Dドラ一発で篭るところの少ないバランス機。アンダー1万でこれは反則。

MODEL878もDドラ一発。低域にキレがありロックにはこれかなぁと。分かりやすくドンシャリ。

MODEL1200EXもDドラ一発。フラットでクリアなタイプ。美音系。

MODEL2000EXだけDドラ二発。中域の厚みが増して聴きやすい、装着感がやや難ありで少し浮いてしまうが、イヤーピースをワンサイズあげると良さげ。

非常にお求めやすいイヤホンで2万以下で全て選択することができるので、非常にオススメできるダイナミックイヤホンでした。

JEG-1000-8BA幻-GG / Japaear

祭り直前に公開されたデザインが物議を醸した機種。

中高域強めで刺さると感じるかも。装着感は良好でBA8ドライバーにしては筐体が小さめ。
標準ケーブルにNOBUNAGA LABSの村正が付属するとのアナウンスだが、ブースで話を聞くと村正以外の2種類のケーブルも選べるようになるとのこと。ただし「幻」が浮き出てくるデザインがどうしてもダメ。無印版も出すべき。

Poly / CHORD

ポリィ。春先にお見えできると思っていたが、延びに延びてようやく日本国内でも販売の目処が立ったとのこと。残り2ヶ月しかないが年内発売予定。

バッテリーは各々で完結しており、片側が切れても供給はされない。接続部はそこそこ固めだが、横から力が加わったら端子がもげそうなので一体型のハードケースは必須だろう。イギリス本国から出荷される梱包にはケースは付属していないので、代理店の方で付けるかどうかを検討中。

実際に触ってみると、スマホ・タブレットから操作できるのが思った以上に快適で、Mojoとセットで欲しくなってしまった。

PLENUE J、X40 / COWON

PLENUE JはコンパクトなDの後継機種に当たるモデル。サイズ感が縦に伸びて薄くなったイメージ。驚きの軽さで感覚的に100g切っていると思う。内蔵容量はDの倍の64GB、その代わり駆動時間は50時間程度と前作より落ちる。そレでも十分すぎるが。操作性も悪くなくストレスを感じさせる読み込み遅延などは発生しなかった。11月中発売で3万程とのこと。

X40はCOWON初のイヤホン。マルチBAで高域1基、中域1基、低域2基の計4ドライバー。2pinでリケーブル可能。価格は8万前後となる見込み。

OPUS #1S / Bit

イヤホンならSIMGOTのEM3が良かったが、DAPならOPUS#1Sがヒットした。音質は#1より中高域の見通しがよくなった。出力が高く、高インピーダンスのヘッドホンにも対応できそうなほど。青みがかったメタルなデザインも好み。お値段も#1とさほど変わらないとのこと。5万くらいなら欲しい。SDを2本挿せるのも大きいね。

N5ⅱ / Cayin

こちらもSD2枚挿せる機種。バランス、アンバランスともに良好。どちらかといえばバランスが好みだった。

早ければ年内に5万円以内で投入できるとのことだけど、UIがちょっと頼りなく心配になる。複数選べるみたいだけどヌルサクのものがあればそれでいいかなぁって感じ。

特設コーナー(祭り特価)

今回の目玉はDITA Dream ¥178,000。10本用意されていたけど瞬殺。今や定価で購入できるだけで御の字ってところなので祭り特価2万円引。いや、祭りなのに2万円ぽっちしか引かれないのはその人気ゆえか。他にはHD800無印/Sがそれぞれ¥109,800/129,800、HD650が¥35,800、ANDROMEDAが¥128,000、Hugo2が¥238,000、アウトレットのDAP類が半値以下のもの多数。初日の昼過ぎでも結構残っており、目玉品以外なら買えるものですね。

ちなみに私としては唯一欲しかったHIFIMAN RE2000を入手しました。会場入りした時は3本しかなくて「祭り散財しなくて済んだ」とポジティブに考えていたのですが、まさか残っているとは思わず、喜びもひとしお。重量感のあるパッケージなので、祭りに持ち込んだ荷物よりも持って帰る荷物の方が重い結果になりました。戦利品のレビューは後日!

余談
大阪に残してきたM(妻)は会社の同期と夕食に行っていたのですが、 同期R「Mちゃん、旦那さんは放ってきてよかったの?」 M(妻)「奴はイヤホンの祭りに参加するために東京へ行った…意味分からねぇ…」 全員「何を考えとるんやろねぇ」 というやり取りがあった模様。アクティブと言って頂きたい。
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