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暦の上では冬となり、夜寒を感じる頃となりました。

文化の日が重なるこの連休、東京中野で開催されたヘッドホン祭りというイベントに参加すべく突如日帰り旅行を敢行しました。

日常的に夜行バスを利用している私ですが、今回高級夜行バス「Dream Relier(ドリームルリエ)」に乗ってきたので、乗車記として残したいと思います。

高級夜行バスとは

そもそも高級夜行バスとはなんぞやって話です。

基本的にバス移動は鉄道・空路と違って高速道路を走るわけですから、乗車地-降車地の距離が長くなるにつれて乗り物としての利用価値は低くなります。大阪-東京、東京-仙台、大阪-博多などなど、せいぜい500km程度、8時間前後で到着できる範囲が限界と思います。

かつての夜行バスのイメージは、「時間は掛かるけどとにかく安い」

こうです。前後左右間隔の狭いシートに詰め込まれ、結局一睡もできず、挙げ句の果てにエコノミー症候群になり、目的地に到着する頃には満身創痍。でも朝から活動したいしそれも仕方ないと受け入れるしかなかったのですが、ここ数年でいわゆる高級路線が各社で誕生しました。

夜行バスの最大のメリットは「一泊分を移動に当てることで、寝ている間に目的地に辿り着ける」っていうところなので、多少お高くなっても快適性を格段に良くしたバスがあってもいいじゃないかっていう需要が徐々に出てきたのが始まりなんですよね。私が夜行バスを多用するのは、安さよりも朝一から活動できるって点が気に入っているので、同じように運賃<目的地での時間に優位を感じ取るタイプの人は多くいるのではないでしょうか。

最初は「誰がそんな高いバス乗るのか」疑問の声が噴出していたのを記憶しておりますが、そう思われる人は初めっから運営会社のマーケティング対象から外れているので、価値を見出せる人が利用すればいいと思います。

代表的な高級バスは、さくら観光の「クオリティエクスプレス」、JRバスの「ドリームシリーズ」、Willer Expressの「コクーン」などなど。

価格は時価ですが、安いタイミングを狙えば1万円以下のシートも選ぶことができるため、会員登録をした上で定期チェックしておくと、思いもよらぬシートを見つけられるかもしれません。

ドリームルリエとは

今回私が利用したのは、ドリームルリエ。JRバスが運営する「ドリームシリーズ」の最上位です。1車両のシートは18席しかなく、「1-通路-1」のプレシャスクラス、「1-通路-2」のアドバンスクラス分かれます。前者は前方4席のみ¥13,000程、後者は中央より後方14席で¥9,000程というのが通常価格。私の場合は、予約したのが前日だったことと、連休ど真ん中の繁忙期ということもあり、アドバンスクラスで¥11,000でした。もっと早くに計画していれば1万円は割っていたと思うと、事前計画って大事ですね〜

シート

シート幅は下位グレードのアドバンスクラスでも46.5cm、新幹線のぞみ普通車指定席が40cm、グリーン車が50cmであることを考えると中々ゆとりがあります。プレシャスクラスに至っては61cmもあり、夜行バスのシートとしては最大級です。

リクライニング幅も148°を確保できており、ゆったり目の3列シートの145°を上回る水準で、一般的なバスより一回り上回る領域を確保しています。18席しか設けていないことで座席間の前後スペースを確保 を実現しています。

設備

シートが素晴らしいことは前述した通りですが、設備も一通り揃っており、快適な移動となるような工夫が施されています。

特筆すべきは全席iPad miniを設置していることでしょうか。アクセス制限されているのでネットの閲覧はURL制限が掛かっているのですが、AmebaTVが見放題というのが売りです。映画、ドラマ、時事、バラエティなど、好みの番組を視聴できます。このご時世、何かしらの携帯デバイスを持ち歩く人がほとんどだと思いますが、バスでテレビを見られるのは珍しく、目が冴えて眠れない方への顧客満足を確保しようとする姿勢が見受けられますね。

WiFiはメールアドレス登録制で、一度登録すればトータル5時間まで使用できます。感度は良好でトンネル内でも問題ないことを確認しました。

またホームページ上には大々的にPRされていないのですが、「全席仕切付き」です。プレシャスクラスだと1席で完結しているのでほぼ個室、アドバンスクラスの2列側の席でも隣同士が木製の板で仕切られているのでプライバシーが守られています。そもそもこのクラスのバスに乗る人は互いに干渉しない、多少高くてもいいから安心を買いたい思考であることが多いので、物を盗まれる心配をする事自体が杞憂なのですが、自分だけの空間を確保できるのは流石だなぁと思います。

ダイヤ

大阪発、東京発がそれぞれ1日1便ずつ。出発時間23時以降、到着時間7時半と、ありがたい設定となっています。

いくら朝早くから活動したいと言っても、5時や6時に現地で降ろされては休憩できる店が空いておらず、外で時間を潰す羽目になります。

主要なカフェチェーンがオープンしている時間帯に合わせてくれるのは喜ばしいですね。

実際に乗ってみて

東京→大阪の復路で利用しました。

乗り場は八重洲南口を出てすぐのJRバス乗り場。非常に分かりやすい。

外観はこんな感じ。

PDFの予約情報画面にQRコードが付いているので、それを乗務員さんに読み取ってもらい乗車!

※予約確認のメールではQRコードが付いていないのでNGです。デバイスの画面でも可能ですが電源が切れていると詰みかねませんから、予め紙に打ち出しておくと安心です。

乗車階段を登り、内部へ。

手前の仕切はプレシャスシート。完全に個室です。

座席が広い分、通路は狭めです。すれ違うのは不可。

奥側に見えるのがアドバンスシート。通路側はカーテンで仕切られます。

アドバンスシートの2シート連結側はこのように完全に仕切られています。

iPad miniは座席の仕切に壁掛けされています。LightningCableで常に給電されており、抜く事ができないように端子部分を触れないよう加工されています。ケーブルを切り取れば持っていかれるのではないかと思いましたが、黒いケーブルが防犯対策なのでしょう。

ちなみに私は朝一新幹線移動、夜までヘッドホン祭りというコアなイベントに参戦。中野サンプラザのビル内移動で疲れがたまったので、iPadは使用せず爆睡していました笑

シート左サイドにドリンクホルダーと読書ライト。明るさと角度を調整できますが、 0時を回ると完全消灯となるので付近の迷惑にならぬようにご使用を。

シート右サイドにはコンセントが1基。この上部にデバイスを入れる網ポケットがあり、寝ている間にデバイスを踏みつけたり、ケーブルが邪魔になったりすることのない設計です。

正面はカーテンで仕切られます。

アメニティ類はスリッパと簡易イヤホンのみですが、この袋に入っています。アイマスクやネックピローなどはありませんので、それらのアイテムを所持しているとより快適な移動になるでしょう。ちなみに毛布は座席に畳んで置かれています。

途中の休憩は、静岡県足柄SA、滋賀県多賀SAの2回。私は寝ていて気付きませんでしたが、深夜のサービスエリアって旅感があって趣がありますよね。

大阪駅に無事到着。降車場所はLUCUA付近、JR北口の真ん前でした。

まとめ

総じて良好、これで1万円を切るなら往復利用もアリですね。

シートは5000~6000円程度のゆったり3列の比ではないほど快適で、隣を気にせず自分だけの空間に没頭できます。移動費を抑えるなら通常の3列ゆったりでもいいんでしょうが、移動の疲労感を軽減させるにはシート自体のグレードを上げるしかありません。Willerのコクーンほど個室感は薄いのですが、仕切があることと深くまで倒せるシートのおかげで移動するカプセルホテルのようでした。コストに見合ったサービスで、個人的には大変気に入ったので今後も利用したいと思います。

最後に、皆さんが気にされる「振動と騒音」ですが、全くないというわけではありません。あくまでもバスですから、当然のことながら多少は揺れます。高級バスというのは元々長距離バス移動が苦ではなく快適性を向上したい層をターゲットとしているので、バス移動が苦手という方でも快適に過ごせるかというとやや疑問です。完全個室のプレシャスシートでもバスはバスなので、ホテルのように安眠できると思ったのに、と不満足が出るかもしれません。その部分は一度ご自身で体感してもらわないと分からないところですので、もし不安を感じられるならば、ビジネスホテル+新幹線往復がパックとなった「宿泊パック」がオススメです。

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