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「もし次にカスタムIEMをオーダーするならばどれをチョイスするか」をテーマに度々試聴に繰り出ていたのですが、先週末時点で大きく4モデルに絞り込むことができました。

これに加えてもう一つ気になる機種があったのを忘れていました。「予算度外視」ならば私の愛するVision Ears VE8も候補入りです。改めて聴くと結構欲しくなる機種なんですが、価格を見ていつも冷静になります。

単体のレビューを書いたことがなかったので、すでに所持しているVE5とVE6XCと比較したいと思います。

概要

BAドライバー8基搭載、低域*2、中域*2、高域*4の3Wayクロスオーバー。

JH AudioのAngieやJomo AudioのSamba、WESTONEのES80と同じ構成ですね。

発売したのは2017年初頭でしたが、非常に高額なので一番人気のVE5が出た頃比べてあまり話題になりませんでした。

試聴機と完成品

カスタムでしかオーダーできないモデルですから事前試聴ではおおよその傾向しか掴むことができません。

カスタムIEMメーカーによっては遮音性の違い、鼓膜への距離の違い、材質の違いという音の変化に関わる様々な要因が絡み合い、試聴機とオーダー完成品で全く別物のの音になるようなところもありますが、Vision Earsに関して言えば装着感向上によって低域が若干増す程度と考えておけばOKです。VE5だとボーカルの近さと中高域のクリアさはそのままに低域が大きく響くようになりましたし、VE6XCだと試聴機ではX1→X2のスイッチ変化が分かりにくかったことを除き、音質面で大きな変化はありませんでした。おそらくVE8も完成品では低域が増強するでしょう。

また試聴機の装着感は非常に良好。そのままユニバモデルとして売り出しても問題ないレベル。よほど耳に合わない限りは完成品の音質に忠実なハズ。エルケーニッヒという60万クラスのユニバモデルを出すくらいならば既存のカスタムモデルのユニバ.verを出した方が手に取る人が増えると思うんですが、それくらい試聴機の完成度は高いと思っています。

音質

試聴環境は毎度のことながらAK380SS+SSAMP、音楽のジャンルはロック、エレクトロ、ポップス、ゲームサントラです。

ステンレスDAPにVision Earsを通すことのヤバさはVE5とVE6XCで実証済みですので期待が高まりますね。

よく言われているのは「VE5ともVE6とも音の傾向が異なるが、VE5VE6X2のいいとこ取り」。Vision Earsはそもそも全モデル音の傾向がクール系の硬質サウンドという意味で共通しているので、そりゃまぁフラグシップもガッチガチなわけですよ。必然的に傾向も似ているわけで、VE5とVE6X2を合わせてもVE8にはなりません。それぞれ違った良さがあります。

傾向としては確かにVE5と似ており、ボーカルが近く、あらゆるアーティストの声をクッキリハッキリ届けてくれます。高域にドライバーを寄せていることもあって音像自体はVE6X2に次ぐレベルクリアー。Vision Earsにおいて解像感が高いのは当たり前ですが、音場が然程広くないのでブワッと横に広がる生々しさはありません。VEカスタムの中でも音の分離感が強めです。ボーカルが近いだけなく、各パートのサウンドを明確に聴き分けられます。

低域はVE5よりもドッシリしており、試聴機同士の比較でもベースの鳴りが鮮明です。VE5の完成品よりVE8の試聴機の方が低音量が多かったので実機にするとドンシャリ傾向が強くなるかもしれません。ベースが下手なアーティストだとその部分がより浮き彫りになってしまいますから、この部分ちょっとミスったんじゃない?という発見も出てきそうで、低域プレイリストを一から再生したくなる衝動に駆られます。

特に相性がいいと感じた曲調はロックバラード。高域はヴァイオリン、低域はベースで上からも下からも挟み撃ちにされる感覚に陥ります。何かのはずみでVE8をオーダーすることになったら、GLAYはVE8、ラルクはVE6X1と使い分けたいところ。

VE6XCのようなキレのある低音は期待できませんし、スピード感もVE6XCの方が優れています。ラインナップ上のグレードはVE8の方が上ですが方向性が全く異なるため、VE6XCユーザーの琴線に触れるかどうかはなんとも言えません。

点数 86/100

  1. 低域よりも中高域重視、低域は量より質、スピード感高めにカッチリ固めに鳴らしてほしい。
  2. ボーカルも楽器の一部、全楽器の音をバラして聴きたい、解像感高めは正義。
  3. クラシックやジャズを聴くわけではないので音場も重要ではないが余韻は欲しい、ライブ音源を気持ちよく聴きたい。

Aに関してはパーフェクト。

Bについては澱むポイントがないのはいいのですがやりすぎです笑 分離感が強すぎて音単体を聴くには良いのですが、音楽全体として楽しいかと問われると否。純粋な解像感とスピード感で言えばVE6が上回っていますし、聴いてて楽しいのは断然VE6XC(-7)

CについてはVision Earsに残響感を求める方が間違っています。VE6X2と比べるとまだ余韻は強めですけど、あくまで相対的なものです。特にライブ音源の臨場感はイマイチ。同時に聴いたLegend XやUE LIVEが極上な音場を形成してくれるのでそれらと比較するとこのファクターは明確にマイナス(-7)

完成形は装着感・遮音性が完璧になるため、総合しても86/100。向き不向きがハッキリしているのでオールラウンダーではなさげ。

価格

値上げ後のオーダー価格はJH LAYRAにも匹敵する¥320,000。ファミリー割を適用しても288,000とお得感が全くありません。

いくら私がVision Earsを気に入っているとは言っても、この価格は流石に予算オーバーです笑

以前のように3万+差額でアップグレードできたらVE5をVE8にアップされることもできたのですが、新規買い足しとなると優先順位はかなり落ちますね。

20万前半、もしくは20万以下で面白い新製品がバシバシ出てきていることを考えたらちょっと強気すぎると思いました。

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