Ar:tio

【試聴レビュー】3万以下の新生イヤホン Ar:tio (アルティオ) RK01の音質と装着感について

初代Ar:tio CU01が今年出たばかりですが、その第二弾となるRK01が早くも登場しました。発売時期は6月23日で現在予約段階です。この機種も今激戦区のアンダー3万円ということもあってかなり話題になることが推察されます。eイヤホンで試聴機が出ているので気になる方は聴きに行ってみて下さい。

早速レビューに移りましょう。試聴段階なのでエージングによる変化で評価が変わるかもしれません。その点だけご了承下されば、、

Ar:tioとは

どこの何者かという点が気になります。が、このAr:tio、いろいろ謎に包まれています。公表されている唯一の情報はメイドインジャパンという一点だけですが、製造者情報を明らかにしたくない何らかの理由があるのかもしれませんね。一応公式ホームページが作られていますが、これも知っている人がどれだけいるのかって話です。メーカー理念は

私たちのブランド「Ar:tio(アルティオ)」は、「Ars(人間の研鑽による成果物)」を「Creatio(理想の創造物)」に届かせようという想いを名に込めています。確固たる技術力を基に、既存のオーディオ製品のあり方を見つめ直し、自由に発想・創造すること。これを実践するオーディオブランドです。

これだけ見るとちょっとヤバいブランドなんじゃないかと疑ってしまいかねませんけれど、実際音が良いので拘りの強い社長がいるんだなぁくらいに思っています。メーカーロゴはAが三角形になっています。Campfire AudioといいIRIVER(Astell&Kern)といい、なぜロゴに三角形を使うのか。オーディオと三角は親和性が高いの?

ホームページはコチラ→ http://artio-jp.com/

RK01のスペックについて

  • チタン合金削り出しの金属ハウジング
  • 密閉型シングルダイナミックドライバー
  • 周波数特性20-20000Hz、インピーダンス18Ω、感度109dB/mW
  • ケーブル3種類付属(3.5mm、2.5mm、4.4mm)
  • 半永久保証
  • SkISとs.n.aという二つの特許出願中技術を搭載

SkISとs.n.a

特許出願中の新技術をこの小さなボディにフル搭載されています。具体的にはSkISとs.n.aという二つの技術が用いられています。こういうアルファベットの略称で表してくるメーカーが増えてきましたよね。それぞれ説明しましょう。

SkIS(Six kilohertz Intercept System)

Six kilohertz Intercept Systemの略称です。意味はそのまんま「6000Hzを妨害するシステム」

メーカーによると「ダイヤフラム裏の容積とドライバーフレームの空気穴、ドライバーキャップ部の容積の関係により、6kHzの音の再生を抑える音響構造。ダイヤフラム裏の空気はダイヤフラムの振動を助けるバネのような働きをしますが、SkISでは6kHzの音域でダイヤフラム裏の空気の動きを制限します。これにより、他の音域に影響を与えずに6kHzの音域だけを抑制することができます」とのこと。

周波数帯域を普段あまり気にしたことはありませんけれど、6000Hz帯の音は思いっきり可聴域内にあり、低中高で言うなれば中域に位置するポイント。4000~8000Hzくらいの範囲にピークを持ってくると非常に聴きやすいサウンドになるのですが、なぜ6000Hzだけを抑制する必要性があるのか知りたいところですね。

s.n.a (Smart Nozzle Adjuster)

スマートノイズ・アジャスターの略称。ノズル内に調整機構を設けることでドライバーを組み上げた後にこの機構を用いることで細やかな微調整ができるものです。カスタマーが触って音を変えたりできるものではなく、あくまで製造者サイドの音質調整機構というだけ。

装着感と遮音性

最悪の部類です。筐体形状的には耳掛けを想定しているっぽいのですが、耳掛けでも下から装着しても私のカナルには収まりませんでした。筐体の出っ張っている部分が外耳に当たって痛いです。フィット感も悪く遮音性も救いようがなければその時点で購入する気が失せます。幸い音は良かったので「フィットするならオススメできる機種」として紹介することはできるのですが、この要素は「うーん」と言わざるを得ません。final Eシリーズよりもフィット感がイマイチなので、かなり耳型を選ぶタイプと思います。

音質

うまく装着できなかったので両側ともに押し込んで持った状態で試聴してみました。試聴環境はAK380SS-SSAMP、音源はエレクトロ、ロック、ポップス、映画/ゲームサントラ(トランス/オーケストラ含む)など。

帯域バランス的には中高域が澄んでいるタイプ。金属筐体らしくシャープな音になるので、曲によっては刺さるものもあるでしょう。音数が多くてもうま〜くバラしてくれるので、楽器の音を聴きたい、高域が刺さるくらいジャキジャキ鳴ってもいいという方にオススメです。

元々量の少ない低音は装着感が悪いのも相まって抜けていってしまっている感じがします。おそらくうまくフィットされることができれば、クリアーな中高域と共に深みある低音を楽しめるものを思われます。

特に今回AK380SSというステンレス筐体で試したので音が硬すぎてものの10分試聴していただけで頭が痛くなってきました。DAP側の性質を反映させるので、DAPの聴き比べに使用することも考えられます。

音場は広くなく、余韻も少ないです。この音をカスタムIEMにしたらVision Earsみたいな音になるんだろうなぁと勝手に思っています。中高域が強く、音のリリースが速いためロック系にはもってこいですね。特にドラムのスピード感は一聴の価値アリ。

初代は音質的に私の耳に合わなかったのでスルーしていましたが、今回のRK01の音質は中々に好み、それだけにフィットしないというのは残念です。総合得点としては低くなってしまいますが、音質だけなら目をみはるものがあると感じました。この部分は素直に評価したいです。

価格と保証

定価で¥29,000程度。ケーブル3本、半永久保証付きでこのお値段です。群雄割拠のミドル価格帯において総合的に一矢報えるスペックをしているので、アンダー3万円における新たな選択肢として注目を浴びそうですね。

Ar:tioの売りは「半永久保証」これは生産終了に至るまで自然故障限定の無償保証対応を回数に限りなく行う、というもの。通常使用において不具合が発生しても生産期間内であれば無償対応してくれる、果たして本当に半永久レベルの長期間で保証対応してくれるのかはてなマークが頭の上に飛び交っています。1年以内に生産終了してしまったらその時点で保証打ち切りとか笑えるんで、この半永久という文言に釣られるのは極めて危険な気がしますw

とりあえず初代CU01がいつ生産終了するか、今後1年経っても残っているようだったら、「このAr:tioというメーカーは焚き火のように短スパンでモデルチェンジを繰り返すメーカーではない」と判断できるのではないでしょうか。正確な保証内容は同梱されている保証書に記載されているので購入者のみが知ることですが、多くのブランドが採用している一律一年保証ではなく別の試みをするメーカーは貴重なので、生暖かい目で見守っていきたいと思います。

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