【この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。】

先代のモデルはカスタムイヤピ前提で提灯レビューが大半、挙げ句の果てにはスタート価格が4万以上でわずか一年で半値以下まで落ち込んでしまいました。新品は投げ売り、中古在庫は溢れ返り、PRの仕方をミスったばかりに最初から最後までくそみそな言われようをしていたカルマの深いモデルだったわけですが、フィット感の合う人も少なからずいるわけですから、そこまで言われるほどダメな製品なのかと疑問に思っていました。

個人的には装着感を向上させるために3~4万も掛けてAZLAでしか使えないシェルを作るくらいならば、最初からその予算も引っ括めたミドルレンジ帯の中で耳に合うものをチョイスした方が良いとする立場ですので、その部分については当初からボロカス言っておりましたが、本体2万前後ならば悪くないモデルです。

スタートの印象が良くなかったので後に出るHORIZONも期待していなかったのですが、弱点だった装着感の悪さも改善され、音質も悪くない仕上がりだったので、AZLAやれば出来るじゃんとメーカーに対する見方が一転することに。その時は初代で散々言ってゴメン!という謝意も込めて、私にしては珍しく褒め褒めのレビューを書きました。

で、先月頭に発売したAZLA MK2ことAZLA-02R。

2018年7月のポタフェスで参考出展され、こんなにスピーディに出てくるとは予想外でした。パッと見は初代となんら変わらない外見ですが、ドライバーに手を加えているわけではないのでマイナーチェンジレベルの違いです。改めて聴いてみると初代より全然良い印象を抱いたので、改めてレビューしたいと思います。

初代との共通点と変更点

共通点は4点。

  • 採用されているドライバーはBA 型とD型による同軸ハイブリッドドライバー
  • 独自のエアフロー技術 Infinity sound technology™(インフィニティサウンドテクノロジー)
  • 筐体デザインは据え置き
  • ケーブル規格はカスタム2pin

一番変えてほしかった筐体形状は据え置き、内部のドライバーユニットも同じで、変わった点としてはフィルター、ケーブル、付属イヤーピースの3点です。マイナーチェンジレベルに見えますが、フィルタが変わっただけでも音質に影響しますし、イヤーピースの違いでもカナルへの収まりが改善されるケースがあるので侮れません。

フィルターはメッシュタイプのものに変更したことで耳垢やゴミなどの詰まり問題を改善するとともに高域特性を向上。

ケーブルはMK2用に新開発した3.5mm 2pinタイプの銀メッキ銅線を使用したケーブルを採用。初代は、ケーブルメーカーLabkable社のSilver Galaxy Mix MKIIをベースにAZLA向けに改良しておりましたが、MkIIではLabkable社は関わっていないようですね。

そしてイヤーピースはAZLA自社開発のSednaEarFitが付属。このイヤーピース自体は先立って単体で販売され評判は上々。最近サイズが増えて調整がしやすくなりました。

装着感

  1. カスタムレベルとまでいかないが筐体が耳にマッチしており収まりも問題なし。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
  2. 装着していてストレスフリー、かつ遮音性もそれなりに確保できている。
  3. 装着感は悪くないが、遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
  4. 装着できなくはないが、フィット感もいまいちで遮音性も低い。
  5. 痛みを伴うレベルで筐体が耳に合わず、装着できない。極めて絶望的。

販売店などでは装着感は向上されたと言っているものの、正直イヤーピースの変化程度の違いで基本的に初代AZLAと同等です。初代AZLAにSednaEarFitを付けるのと全く同じことになるので、過度な期待は禁物。DがCにランクアップした程度の違いといえばそれまでなんですが、イヤーピース調整でここまで改善できるのだと改めて実感。Mk2の前に出たHORIZONは装着感・遮音性ともに文句のつけようがなかったのですが、一番リニューアルしなければいけないフィット感がまるっきり改善されていないのはやや残念です。

音質

ポタフェスで試聴した際の印象は悪くなかったのですが、騒がしい環境下での短時間試聴だったため、レビューを書ける程の感想は抱けませんでした。先日MAVERICK II Re;を受け取りに行った際にAZLA MK2の存在を思い出したので、じっくり聴くことができました。

試聴DAPは例のごとくAK380SS+SSAMP。たまにはCP、GMも使ってやれよって言われるかも分かりませんが、めっきり出番が無くなっております。

音質面では初代よりも洗練されており、特に弦楽器や鍵盤の高域が明瞭に。これはフィルター変化も影響していそうですが、SednaEarFitによる変化がほとんどと思われます。突き刺さる感じはしないけれどアタック感が増すので、静と動のメリハリ強めに仕上がっています。

低域は強すぎず深すぎず。ベース音がゴリゴリ来るというレビューがTLで見られましたが、装着感の兼ね合いで上手にフィットできていればそれだけ低音が強く感じられるでしょうし、イヤピのサイズ調整をしくったり、そもそも耳に合わずに隙間だらけだったら低音抜けまくりの締まりのないサウンドになってしまうでしょう。私の場合、Sednaでも隙間ができてしまったので、得意とする野太い低音が真価を発揮できていないような感じがします。耳奥に押し付けてみたらググッとベースもキックが前に出てくるようになり帯域バランスが良くなったので、装着感の合わなさを棚に上げて酷評することはできませんよね。

選ばれし耳型を持っていないとAZLAの良さが分かりにくいのが悲しいところではありますが、他のどんなモデルにも当てはまることなので、良くないと感じた理由も少しでも含めた感想や短文レビューが増えるともっと参考になるのになぁと思った次第です。

価格

eイヤ価格で¥35,980。初代AZLAが生産終了間近に2万円代で投げ売りされていたことを考えると割高ですが、定価は初代よりも1万円ほど安くなっています。筐体自体はフィルターしか変更されておらず、定価リセットの意味合いが強いマイナーチェンジと言ったところでしょう。音質も変わっているので、少ない手数で最大の効果を実践しているのはメーカーの経営としては上手いと思います。

一応「リミテッドエディション」とのことでファーストロット限定のワンショット生産。限定と謳っておきながら何台生産するか明言していませんが、発売から1.5ヶ月が経過した現在ではeイヤホンやフジヤエービックでは全店在庫有。ヨドバシカメラは在庫少となっているものの初代もまだ残っているので早々にMK2が売り切れるとは思えません。500台限定のqdc NEPTUNE ブラックエディションも"だだ余り"だったことを考えると、こちらも急いで入手しなければならない必要性は薄そうであります。

Twitterでフォローしよう