『Brass』発売したのは2016年6月で世界150台限定で発売されていました。
根拠はありませんが半分以上は日本に来ていそうです。
近年ポータブル市場が活発で、日本人は限定モノが好きですからね(笑)
発売当初、一度だけ試聴させてもらった際に好みの音であったことを記憶しています。
その時は取り扱いの手間とイニシャルコストを天秤に掛けて 結局買わず仕舞い。
それからずっと気にも止めていなかったのですが、
先日、中古とはいえ4掛以下 で叩き売りされていたのを偶然見つけ ました。
普段なら中古イヤホンは避けているところ、
とはいえ今や新品がほぼ存在しないモデルでここまで値落ちしているならば...と購入することに。
買う直前に試聴して「やっぱり良いな」と思えたのが一番の動機で、言い換えれば衝動買い。
色々と手がかかるのは買ってから考えればいいかな。
外観
比較的美品です。真鍮の特性上、外観上の個体差が非常に激しいです。
3本ある中で最も傷の少ない物を選ばせてもらいました。
左側に少し傷が見えますが光の加減によるものでパッと見は分かりません。
新品購入でも酸化しまくり、傷だらけの個体もあるようで
外観については新品も中古も関係ないように思います。
きちんと手入れしてピカピカに保つのもヨシ、あえてノーメンテで使って自然なくすみを楽しむもヨシ。
とりあえず1ヶ月間ガシガシ使ってどのように変化するか楽しみです。
装着感
普段カスタムIEMを使用しているので、ユニバ機ならば一番気になるポイントです。
真鍮製なので持っても重いし、付けても重さを感じます。
とはいえ付けてみて耳穴が重い感覚はないので、位置を安定させてくれる要因になってくれます。
イヤーピースによっても感じ方は変わるでしょうし、シリコン・ウレタン・ダブル・トリプル色々試して最適なものを見つけていきます。
音質
刺さるくらいのハイが気持ち良いです。
金属的な高域で、Brassと銘打っているだけあって金管楽器との相性がヤバいです(語彙力)
ダイナミック特有の深く豊かな低域と相まって、他機種では表現できない独特な残響感を醸し出してくれます。
ボーカルは比較的近め、楽器毎の分離感も高く、歌物、EDM、サントラと幅広く使えるでしょう。
クラシックには金属的余韻が入ってしまい合わないかもしれません。
私が好きな音楽を楽しむのにうってつけの機種で、ここまで好きになれるユニバ機って今までありませんでした。
万人に受ける機種ではないので、試聴なしでの購入は危険でしょう。
遮音性
ユニバ機としては可もなく不可もなく。
再生中に外音が気になることはありません。
リケーブル不可
DITAは、自社開発したダイナミックドライバーに最適なケーブルを
オランダのVan Den Hul社と共同開発しているのでおいそれとリケーブルさせてくれません。
確かにケーブルの質は良くて、他のケーブルに変えたらどうなるのかを一々考える必要がないのでメリットにもなり得るのですが、断線したらどうしようか考えてしまいます。
特にプラグ周りと耳かけ部分に負担が掛かるので、突然切れてしまわないか心配。
できれば外では使いたくない。
経年変化
真鍮の特性上、使用環境問わず一定時間で酸化します。
これを「劣化」と捉えるか、「味」と捉えるかは人それぞれでしょうが
そのまま放っておくと、筐体、ケーブルプラグ、分岐部分、あらゆるところが錆び錆びになってしまいます。
適切な処理を施せば真鍮ならではの輝きを蘇らせられる様なので、使用に伴う色の変化を楽しみたいです。
変色を防止させる処理を施すのは面倒くさいですし、何より趣がないと感じてしまうので素の状態でしばらく使っていきます。
メンテグッズはおいおい揃えていきますが、お酢と重曹とかでいいのかな。
総評
正直のところDITAを少し侮っていました。
Dreamもそうですし、このBrass も改めて手に取ってみてポテンシャルの高さに驚かされました。
これを限定生産にするにはとても惜しい。
全世界で150本しかないため、所持している1本が何かの拍子で逝ってしまったら二度と手に入らない可能性すらあるわけで
「Brassじゃなきゃダメなんだ」と、私の中でメンヘラ的思考が生まれ出しています。
筐体も音も色々と癖のある機種なので1年経った今は中古市場に溢れており、
今後も突然人気が出ることはないでしょうが、良個体が見つかり次第、保管用に数本確保したいですね。
またリケーブルできるBrassが復刻で出てきたら即断即決で買ってしまいそうです。
以上、開封直後のレビューでした。