スポンサーリンク

ハムです。香港発の新興メーカーで、プロユースからカスタマー向けまで幅広く、細部まで拘りを持ってオーディオ機器の製造を取り組んでいます。

イヤホンのラインナップは”Pristine-Reference”1種類のみ。カスタム版とユニバーサル版、どちらも対応しています。

発売したのは2016年4月と結構時間が立っていますが、ジワジワと注目するオーディオファンが増えてきており、私も聴いてみて欲しかったりします。内部構成から実際に音まで含めて良い意味で唯一無二なので今後も目が離せないメーカーの一つです。特徴としては、

  • BA2基+コンデンサーという他にはない構成。
  • 筐体はクリア一色で内部が丸見えです。ユニバ機にしてはノズルが太めで(コンプライT500)チップを引っ掛ける溝がありません。
  • 付属品はペリカンケース、クリーニングツール

コンデンサーとは電気を蓄えたり放出したりするパーツで電子回路に組み込まれています。電圧の安定化とノイズの除去を図ることができるので、ドライバ数は少なくとも最大限のパフォーマンスを発揮させることができます。多ドラにコンデンサを組み込んだらもっと凄くなるのではないかと思われますが、その場合は再生周波数に歪みができやすいため、ノイズは少なくなるかもしれないが複数組まれたネットワークを経由するのでわずかな位相のズレが生じてちぐはぐな音になっていまいそうです。少ないドライバの能力をいかんなく発揮させようというのがコンセプトのようです。そもそもコンデンサの特色を組み込むので帯域ごとにドライバを分ける必要性がないのでしょうね。

放たれる音も独特でジューシーです。中低域に厚みがあり、ボーカルの距離感の近さと余韻を強く感じました。エレキギターやシンセライザー等の電子音が特にブワッと広がり残響感を醸し出してくれます。音のリリースは速い方ではなくしばらく握っているタイプ。アタック感が強いというレビューが目立ちますが、音圧が強いだけでVE6のような切れ味はありません。あちらは余分なところを削ぎとって切れ味を増幅させているのでそもそもの傾向は異なるのですが、パンチ力が強いかと言われると微妙です。

中低域に焦点が当てられるため高域は控えめです。個人的にギラギラ刺さるレベルの高音が出てくれる方が好きなのですが、このイヤホンにそういうことは要求できませんね。またリケーブルも線材のバランスが難しそうです。今回試したHugoでは中高域が強化されているハズなのにやや不足感を感じたことと全体的にボヤつくところが見受けられました。シンプルに出力を強化できるポタアンだと直挿しでの帯域バランスそのままに情報量豊富な中低域を聴かせてくれるでしょう。

また同一モデルでユニバーサルとカスタム、どちらも展開しています。ユニバーサルでも装着感は十分良かったので、カスタムオーダーして長い納期を待たさた挙句リセールバリューも失うくらいなら、買ってすぐ使えるユニバーサル版を取った方が良い気がします。試聴機で装着感に難があればカスタムを検討すればよいですが、カスタムならではの所有欲ってやつもあるのでご自由に。

総じて2BAとは思えない鮮やかな音でそれに魅入られるファンも多い理由が分かった気がします。個人的には馬鹿みたいにドライバーを増やして「ほらエエ音でしょ?」ってお高くとまっているメーカーよりもこういう技術で勝負するメーカーが好きです。現状ラインナップが一つだけですので、次期モデルが出る度に話題に挙がることは間違いありませんね。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう