こちらの記事でリシェルのメリットとデメリットをまとめました。
メリットとしてはシンプルに安い(正規オーダーの半値くらい)、デメリットは音が変わる可能性が非常に高くオリジナル品とは到底言えないことが主として挙げられます。明らかにメリット<デメリットなので、正規オーダーできるだけの余裕がなければ手を出さないほうが賢明と個人的には思っていますが、それでもリシェルしたいという方もいらっしゃるので、2018年8月現在でリシェルを受け付けてくれるメーカー・業者でパッと思いつくところを全て紹介致します。
目次
NAGA AUDIO
台湾の新興カスタムIEMメーカー。何年か前から存在していましたが最近ではリシェルを受け付けてくれることで有名。
公式ホームページは存在せずFacebookとTwitterのみ。
こちらからメンションを飛ばすと手軽に問合せ可能です。
私は利用したことがありませんが、それなりのビルドクオリティを有していることで人気のあるリシェル業者になりつつありますね。
https://ja-jp.facebook.com/naga.audio/
AAW
Advanced AcousticWerkes。
古くからリシェルを対応してもらえるメーカーですが、eイヤホン経由だとユニバーサルのリシェル限定です。
価格体系としては4ドライバー以下が¥39,999、5ドライバー以上7ドライバー以下が¥46,900。
8ドライバー以上は不可、カスタムIEMの殻割は不可、ハイブリッドも不可、DDは一部機種(SENHEISER,SHUREの一部)のみ対応。またユニバーサルでも金属筐体の場合は不可と制約がかなり大きいですが、手軽なユニバをカスタム化できます。
直販可能でその場合だとカスタムIEMもリシェル可能。
それでもあらゆるモデルに対応できないので事前問合せ必須です。
https://www.aaw.me/products/earphone-reshell-service-by-aaw
Elysian Acoustic Labs
マレーシアのカスタムIEMメーカー。
NAGA Audioと並んで人気になりつつあるメーカー。
制約の多いカスタムリシェルですが、ADEL/Apexモデル、JH4pinモデル、ダイナミックドライバーもモデルにも対応。
基本料金は$199、JH4pinモデルのリシェル:$299、ADEL/Aprexモデル、DDも$199。
これにFaceplateオプション$75+送料$30が付随するため合算しても$300に満たないくらい。
NAGA AUDIOと同じく公式ホームページが存在しないため、下記TwitterかFacebookから問合せするとよいでしょう。¥
https://twitter.com/elysianacoustic
https://www.facebook.com/elysianacousticlabs/
AURE
台湾のメーカー。リシェルはなんでもやってくれそうで、ユニバ・カスタム問わずそれなりの実績あり。
オリジナルモデルに4BA4DDといった珍しい構成の機種がありむしろこちらが気になるかも。
LEAR
こちらも香港のメーカー。カスタムIEMだけでなくユニバーサルも作っています。
最近だと5DDのユニバが目新しく、一見風変りなメーカーですが、リシェルも対応してくれるとのこと。
ただ作りが甘かったり、クレームを入れてもノホホーンとしている感があるらしく個人的にはおすすめできません。
https://www.lear-eshop.com/categories/earphones-reshell
InEarZ
一昔前まで格安リシェル業者として名乗りを上げていましたが今も対応してくれるか微妙です。
問合せ必至。
みなと補聴器
神戸市中央区の補聴器屋さんですが、オーナーがカスタムIEMが好きでみなとフォンという店頭製作モデルを作っています。
基本的には補聴器やカスタムIEMのメンテナンス全般を請け負っており、リシェルというよりはシェルの破損やソケット脱落、半田付け直し、pinの中折れなど保証の終了してしまったモデルのリペアが可能です。
リシェルに関しては問合せしてみる価値はあるかも。
http://www.minato-hochouki.com/iem/repair
Jomo Audio
シンガポールのプロユース向けIEMを製造しているメーカー。セカンドユーザー限定で自社モデルのみ依頼可能です。(他メーカーは一切不可)
ドライバー数によってオーダー価格は異なりますが、リシェルというよりはリファビッシュという立ち位置で完全に作り変えです。
BA3基以下ならS$450(=¥36,000)、
BA4~6基ならS$650(=¥52,000)、
BA7~8基ならS$750(=¥60,000)、
BA10基以上(現状Flamencoのみ)ならS$850(=¥68,000)、
ユニバ機のカスタム化も可能で、最近セールで14万台まで安くなっているSambaをメーカー公式リシェルでオーダーしても普通にオーダーするのと変わりませんが、保証も通常通り1年間付くのが魅力です。中古で安くゲットできれば純正オリジナルと遜色ないものが出てくるので安心感が違いますね。
ちなみに純正カスタムはこのような金属プレートが付属しているのでネットの個人取引ではこのプレートの有無とシリアルを確認するとよいでしょう。
NOBLE AUDIO
OTS(Ownersship Transfer Service)
こちらも自社製品オンリー、セカンドユーザー限定で用意されています。Jomo Audioと同じく正規のカスタムユーザーである証明としてメーカーが発行する保証書が必須となります。
HEIR AUDIO
NOBLE AUDIOと分岐したメーカー。Ultimate EarsとJH Audioみたいな腐れ縁です。
HEIR AUDIOもJomo Audio,NOBLE AUDIOと同じく自社モデル限定、セカンドユーザーのみの対応となります
UNIQUE MELODY
言わずと知れた中国のハイブリッド専門メーカー。
以前は他メーカーも対応できたようですが、今では自社モデルのみとなってしまいました。
Unique Melodyは稀にユニバモデルが爆安になっているのでそれをカスタム化できればかなりお得に入手できる、と言いたいところですが、リシェルできるのか元からカスタムで製造されている個体のみで、今ではユニバのカスタム化は対応していません。
Lime Ears
ポーランドのカスタムIEMメーカー、Aetherが一部で人気ですね。
ここも自社モデル限定でリシェル依頼可能。eイヤホンでは取扱いしておりませんが
シンガポールのMusic Sanctuary経由で依頼できそうです。
https://music-sanctuary.com/products/lime-ears-reshell-ownership-transfer
直販もできそうではありますが誰も試したことがないので問合せしてみる価値はあるかも。
Oriolus
個人的に好きなメーカー。ハイブリッドモデルを中心に開発しているユニバメーカーですが、
ここも自社モデル限定でリシェル依頼可能。
というかカスタム版をここ1年くらいから始めたので欲しい人は最初からカスタム版をオーダーしますよね。
まとめ
他にも色々ありそうですが、それなりに信頼できそうなところはこんなところでしょうか。
一昔前は1964.ears(今の64Audio)もリシェルを受け付けていたので、中古カスタムIEMの相場もそれなりに高かった時期もありましたが
リシェル業自体がもうからない上にトラブルに巻き込まれるリスクがあるために、リシェルするにしても自社モデルのみに限定するメーカーが増えてきました。
コンシューマー的にも自分の耳にフィットするオリジナルもどきのカスタムIEMが手に入るだけで、冒頭で述べたように音質傾向が変わってしまう、正規のリペアを受けられないなどのデメリットの方が大きいです。
個人的にオリジナルのモデルが気に入っているならばお金を貯めてから正規版をオーダーした方がいいと考えるので推奨は致しませんが、
どうしてもリシェルで安く入手したい場合は目星をつけた業者に対して「詳細な希望」と「どのような個体」かを事前に相談すると失敗するリスクを減らせます。