完全ワイヤレスレビュー第四弾はNUARL(ヌアール)の"NT01AX"。以前ヘッドホン祭で試聴して印象が良かったモデルの一つです。
発売自体は昨年末からで、価格.comのイヤホン部門ランキングでは常にトップ3圏内に入っているなど、競合が多数存在する完全ワイヤレス市場の中でも一際光る存在です。オーダーが殺到しているからか次回入荷未定で予約受付という状況が続いている模様。試聴機は見つけたので使用感と音質傾向をレビューしたいと思います。
"NT01AX"の仕様
- Qualcomm社製最新チップQCC3026採用
- Qualcomm® aptX™ audioに対応
- φ6mmグラフェンドライバー、HDSSを採用
- 防水規格IPX4
- Bluetooth® 5.0対応
- 対応コーデック aptX,AAC,SBC
- 対応プロファイル A2DP, HFP, HSP, AVRCP
- 最大再生時間10時間、追加25時間分の充電ケース付属(充電時間1.5時間)
- ロールスワッピング機能による片切れ防止
- 全指向性(cVcノイズキャンセリング搭載)
- 省電力機能搭載
- スリープモードと自動再接続機能搭載
- 装着感に優れるSpinFit付属
- 通常保証1年(片側紛失サポート付き)
- アップグレードサービス制度有り
ダイヤモンドより硬いグラフェンドライバーを採用したモデル。クアルコム社の最新チップを搭載しており接続安定性の高さは随一です。
総再生時間はAVIOTには及びませんがケースと合わせることで35時間まで再生可能というのが強みです。
バッテリー持ちは単体で10時間程度ですが、これを実現する技術がロールスワッピング機能。電源を入れる毎にバッテリー残量の多い方を親機として認識させるので片側の電池消耗を防止することが可能です。長時間再生時は連続で使用するより一度ケースに戻して付け直すと長持ちします。
また通常保証は多くのメーカーが採用している1年間ですが、その間に片側を紛失してしまった場合も¥8,000円で1ペアと交換することができる独自の保証制度が設けられています。両方無くしてしまった場合は適用されませんが、片側紛失によって使い物にならなくなるよりは格安で1ペアと交換してもらって方が満足度は高くなるものと思います。
詳細はコチラ→https://nuarl.com/nt01ax/
またアップグレードサービスにて¥10,000支払うことでNTシリーズ1ペアと充電ケースを生贄に捧げてNT01AXを召喚することも可能です。2019年3月31日までなので交換したい方はお早めにどうぞ。
操作性
ペアリングは至ってシンプル。
- 手元デバイスのBluetooth設定をONにする。
- 左右イヤホンの電源を起動(いずれも1回クリックで起動)
- 手元デバイスで「NT01AX_L」が出たら選択。
- 手元デバイスで「NT01AX_R」または「ペアリング要求」が出たらいずれかを選択
- 一度設定すればそれ以降は電源を付けるだけで自動ペアリングされます。
ペアリング接続後の操作は下記の通り。
- 右側1回クリックで右側の電源ON
- 左側1回クリックで左側の電源ON
- 右側3秒長押しで右側の電源OFF
- 左側3秒長押しで右側の電源OFF
- 左右とも1回クリックで再生/停止
- 右側2回クリックで曲送り
- 右側3回クリックで曲戻し
- 左側2回クリックで音量UP
- 左側3回クリックで音量DOWM
- 左右とも10秒長押しでアップデート
装着感
- 筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
- 装着していてストレスフリー、かつ遮音性も確保できている。
- 装着感は良好だが遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
- 装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
- 痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。
ZERO AUDIO "TWZ-1000"、AVIOT "TE-D01d"と比べるとフィッティングが甘い気がします。この2モデルは筐体全体を覆うシリコンカバーとイヤーピースの2段階で装着感を調整できるのでイヤーピースだけで調整するタイプと比べると全く別物です。"NT01AX"も悪くはないのですが、あえて評価するとすればBランクってところでしょうか。
音質
完全ワイヤレスに音質は求めません(n回目)
とは言うものの及第点を超えて価格以上のクオリティを提供してくれるモデルが増えてきていることも事実です。
"NT01AX"の帯域バランスは中高域に偏っており全体的にスッキリしています。低域の量感が物足りないので、ベースやキックのアタック感を重視する方は合わないかもしれません。フィッティングがイヤーピースに依存することもあってウレタンとシリコンを変えるだけでも低域の量感が変わります。個人的には高域を減衰させずに低音を強化できるクリスタルチップスが非常におすすめしたい。
静止時にホワイトノイズが乗ってくるのが気になります。バラードなど音数少なめの曲は聴きたくなくなりますが、ロック系やEDMなどを好むならばマイナスには働かないかと思います。
ここ一年での完全ワイヤレス市場の進歩は凄まじく、ハイエンドイヤホンを多数所持している私もケーブルレスのメリットと音質を天秤にかけた時に前者に傾きつつあります。じっくり音楽に浸りたい時は有線ハイエンド、移動中は完全ワイヤレスという使い分けが捗りますね。
価格
定価は¥19,440でギリギリ2万円以下に収まっております。
NUARLならではと言えるのが紛失時の保証とアップグレードサービスでしょうか。片側だけ落としたとしても保証期間1年の間であれば¥8,000で新品1ペアと交換できるのは非常に有益でありがたいポイントです。
またNTシリーズを既に所持している場合は¥10,000でアップグレードさせることもできるので既存ユーザーへの対応も考えられていて素晴らしいですね。
競合するとすれば"TWZ-1000"や"TE-D01d"ですね。コチラの方が数千円やすいですが、総合的なクオリティは大差ありません。スペックと保証プログラムの違いで選択すると良いでしょう。