スポンサーリンク

AK380あたりが出てきた頃から、「あーそういう流れね、DAPもインフレするのね」と、あまり快く思ってなかったのですが、

相変わらず、中級機以上の値付けと限定商法・抱き合わせ商法からその印象は変わっていません。

DAPのみならず、コラボ製品と称して他メーカーの価格までをも釣り上げた張本人であることから、それ相応の批判対象になっています。

毛嫌いしている方がいるのも当然でしょう。

逆も然りで、IRIVERが大好きだという方もいるでしょう。

私はIRIVER社を取り巻くマーケティングに対して疑念を抱きつつも、デザイン・操作性・音作りは好きな製品群と考えており、なんやかんだ新品10万以下で入手したAK240を1年半使ってきました。

今更AK240に対するレビューは需要がないと思いますので、 IRIVERユーザーから見たIRIVERがどういうものかまとめたいと思います。

内容としては皆さん分かっていることと思いますが、ぶっちゃけ現状をまとめた記事が無いので作成した次第です。

他メーカーも競うように新製品を投入し続けるDAP戦国時代の中で、あえてIRIVER社を考えている方への参考となれば幸いです。

そもそもIRIVER社とは

1999年に韓国で設立されたReignComの子会社として、2000年7月に設立。

DAP専業ではなく、電子辞書やカーナビ等のデバイスも製造しています。

音楽関連では2000年初頭より安価なMP3プレイヤーを中心に急成長を遂げ、

2010年頃からAstell&Kernというブランド名で高級路線を手がけるようになりました。

DAP市場概要

DAPのシェア率に関する資料は少し古いので推定を含みます。

GfK Japanの『年間台数シェア調査(2010)』によると、

日本のデジタルオーディオプレーヤー市場は、iPodが約55%ウォークマンが約40%、占め95%はAppleかSONYだった。

残り5%をIRIVER、COWON、PLENUE等で分け合う形で、市場的には超マイノリティ。

同じくGfK Japanの『ハイレゾオーディオ機器の販売動向(2015)』によると、

ハイレゾオーディオの売上は、台数で前年比1.5倍、金額で前年比1.4倍と右肩上がりの増加(表1より)

再生手段は様々あるが、携帯音楽プレイヤーは金額比で44%を占め、台数で前年比1.3倍の増加(表2/表3より)

ここで言っている携帯音楽プレイヤーにはハイレゾ対応のスマホを含んでいるので、DAPとしてどれだけ売れているかは不明です。

ただポータブルオーディオ自体の規模は拡大しつつあり、iPodやウォークマンから何十パーセントもシェアを奪えてはなさそうですが、2010年時の5%よりかは少しは増えていそうです。

街中でも大勢はIPhoneかAndroidに直挿しですからね。DAP使ってるのは10人に1人くらいなんじゃないかなぁ。

何が言いたいかというと、やれ新製品が出たと騒いでいるのは

機材に拘りのあるコアなユーザーのみで、大多数の一般人からしたら見向きもされないマイナー市場と言うことです。

人の目を気にしても誰も他人のDAPなんて見ていませんから自分が好きと思える機材で聴けばいいんです。

IRIVER社に対する認識

私がIRIVER社に関することで思うことを4点記載します。

ほぼネガティブな内容ですが、共感を頂ける方もいると期待してぶちまけます。

アフターサービスの弱さ

脆すぎます、の一言に尽きます。

数十万の製品で保証期間1年というのが失笑モノで、それを過ぎての修理は高額。

基盤交換で十万近くも取られます。

販売店が修理明細を発行しないという事例まである始末で、アフターフォローに対する評判はすこぶる悪いです。

まぁ逆に「修理は安くできます」と言ってしまうと本体でボッていることが一瞬でバレるので

コンシューマー向け機械系の業界では買い直した方が安くなるというのはザラにあります。

メーカーによる任意保険で、「購入時に○○円で登録しておけば、有事の際は無償もしくは何割引かで新品交換」っていうのがあれば、買い手側は付加価値を感じるのではないかと思うんですが、

これやっちゃうと中古市場がなくなりますよね。

買取割引をよくやってらっしゃる販売店はさぞ嫌がることでしょう。

適当な宣伝して売れればイイやという販売店の姿勢には違和感を覚えています。

意味のない定価設定

第二世代から言われていることですが、改めて確認です。

AK240は2014年発売当初は28万、それが1年半後には新品でも半値程度に落ち着き、中古で10万前後。

2015年に出たAK380MTは¥499,880で、丸2年経とうとする今現在は半値以下。

抱き合わせのAMP込みで¥270,000程度と 大暴落。

中古で単体15万ちょい、AMP込みで18万といったところか。

Copper版も中古で20万台と半値以下になっています。

限定モノなのに通常版と同じ下落の一途を辿っているのが、いかにIRIVER製品の価格設定がおかしいかを物語っています。

SONYを始め、他メーカーも10万~30万辺りのモデルも出揃っていますが

ハイエンドDAPという市場を名実ともに開拓したのはIRIVER社ですので先行メーカーの特権から自由に価格を決定できます。

 

私もメーカー勤務なのでなんとなく感覚が分かるのですが、その業界ごとに特有の商慣習というのが存在します。

  • 赤字商材と超黒字商材でトータル黒字になればいいと考えるのか
  • 卸屋が大量買い付けしてリベート貰っているのか
  • 価格の変動の主要因がメーカー本体なのか卸なのか販売店なのか

この辺りは断定できません。が、落ち込みに落ち込んだ新品価格でも十分な利益が取れているハズです。

利益なしでそんなセールは実行できませんからね。そうすると発売当初の定価って何だったの?って話になります。

AK380なら発売時約49万、現在約25万でその差が24万程。

発売直後に手を出すと、卸と小売に24万円分余計に支払ってしまっているんですよね。

もちろん研究開発費が減価償却される分を考慮して少しずつ安くなるのは分かります。

にしては振り幅が大きいという点に疑念しか生まれませんし、ほぼ全てのモデルをわずか2年で半値以下にできるということは、単純に最初の価格設定が高すぎると言わざると得ません。

ブランド価値の無さ

一見韓国らしからぬAstell&Kernという商標を掲げて高価格帯で攻めるという点に鑑みるに

おそらくiPod及びウォークマン以外の全体10%の中でのブランディングをしたかったんでしょう。

  • DAPだったらIRIVERがいい。
  • 品質保証には自信あり。
  • 金持ちに見られたくてAKシリーズを買おう。

ですが実態は

  • IRIVER以外に良い選択肢が増え続けている。
  • 高級品にも関わらず品質保証はダメダメ。メーカーとしても販売店としても論外の部類。
  • AKシリーズ持ってるからって何?どうせ安くなるから発売直後に買ったなら金ドブじゃん。

こうです。

品質保証が伴っていない、発売直後から安売りを始めている時点でIRIVER製品にブランド価値なんてありません。

安かろう悪かろうじゃないんだから高価格で良いのは当たり前ですよ。

後述しますが、提灯記事に騙されないで下さい。「最高峰」とか「次元が違う」なんてのは価格帯を考えたら当然の話で、

我々が求めているのは高価格帯ならではの品質保証・サービスとかそれを所持することにどんなメリットがあるかという話です。買った後の話ですよ。それが皆無なんですよね。

言い方は悪いのですが、発売直後にIRIVERの中級モデル以上を無理して買う行為は、大多数のオーディオファンから見たら滑稽そのものですよ。どうせ半値以下になるんですから。

財布に余力があって保証が切れる1年で買い替え、もしくは壊れても気にしないというお金持ちの方は値段など気にせず購入すればいいでしょう。心も財布も貧しい私がそういった方々へ意見する気は毛頭ありません。

ですがローンを組んだり、数ヶ月のバイト代を全振りして無理して買うような機材でないことは確かです。DAPって1年2年というスパンで買い替えるような代物ではありませんし、それがまだ使えるなら最新モデルを買うのは少しだけ値下がってからでもいいのではないでしょうか。

常に最新を追い続けなければならない方は好きにしたらいいですが、それを公共の場で見せびらかしても大多数の一般人には識別できないでしょうし、私のようなごく普通のオーオタには「あぁ...買っちゃったのね」としか思われないことでしょう。

提灯記事の多さ

言わずもがなと存じます。

フラグシップ機が更新された途端に手のひらを返すような記事が出まくります。

売り手側はできるだけ高く買ってもらいたいので、旧製品が霞むような褒め言葉しか使いません。

この価格帯になると音も操作性も基礎スペックも全てが良くて当たり前なんですから、

「何としても買わせたいと思いながら書かれている記事」から参考になるレビューは存在しないと断言できます。

直近で言えば、SP1000が出ますね。

AK380の時に「これ以上はない」と喚いていたのにも関わらず、某販売店での販売ページは見事に大絶賛コメントだらけで笑っちゃいました。

 

買わせたいと思ってレビューするなら最低限自分で購入してからありのままの評価を下して頂きたい。

試聴レベルで「コレ良い世界最高峰」と言うなら誰だってできますし、

自分で数十万出して実際に所持してもらったら、そんな馬鹿げた値段の製品をただ「イイよ」の一言で人に勧めるという行為がどういうことか理解できるのではないでしょうか。

まとめ

批判めいたことしか書いていないので、これを読んで、怒る人・不快になる人もいることでしょう。

ですが最初にも書いた通り、私は現にAK240を愛用しておりIRIVERのDAP自体は好きです。

格安で購入できたからそう言えるんですけど、第三世代のAK380は全素材集めているくらいには好きです。

問題は売り方で、これを野放しにしておくのはどうなのかと思うわけです。

卸屋なんて独占販売権持ってますからやりたい放題できます。高くても「奴らは買うから」とナメられているんです。

第三世代のAK RECORDERという理解不能の品を、福袋やら本体との抱き合わせ販売で、定価の嵩増ししてきたのは本当にヒドいと思いましたよ。

一度初動で誰も買わなくなる状況になったらどうなるか見てみたいものです。

後追いで、国内外問わず優秀なDAPが続々と出てきている現状、あえてIRIVERを選ばれるならば、もう少しだけ待ってみることをオススメします。必ず値下がり続けていくので、冷静に考えると発売直後に 無理して買う必要はありません。

しょうもない売り方をして市場が縮小したことでイイモノが生まれなくなる、という事態にはなってほしくないと思います。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう