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【190217更新】

実機レビューはコチラ!

今回手に取ったのはIRIVER 第四世代A&Futura SE100。

AK380全材質を愛用している私としては買う買わないは別としても、発売から時間も経ちほとぼりも冷めたことから比較試聴のために店に繰り出した次第でございます。

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スペック

  • ESS Technology 8ch DAC「ES9038PRO」搭載
  • Octa Core CPU搭載
  • PCM 384kHz/32bit、DSD256(11.2MHz/1bit)のネイティブ再生
  • USB-Cタイプにより、急速充電及び高速データ転送に対応
  • USB-DAC機能とUSB-AUDIO可能
  • Bluetooth機能搭載 aptx HDに対応

国内代理手店のHPを確認すると詳細が分かるので簡潔にまとめます。

SE100に採用されているDACチップはESS Technology社8チャンネル「ES9038PRO」を搭載。ポータブルデバイスとしては初めてで、第四世代の最上位グレードであるSP1000には旭化成エレクトロニクスの32bit 2ch プレミアムDAC「VERITA AK4497EQ」をL/R独立でデュアル搭載しています。

同時期に登場したスタンダードモデルSR15にはCirrus Logic製 MasterHIFI™ DAC「CS43198」をデュアル搭載しているので、第四世代のグレードとしては3段階に分かれていますがそれぞれ使用されているDACチップのメーカーが異なるため、求める音作りと音質傾向は全く異なります。ちなみに第三世代フラグシップのAK380にはSP1000と同じく旭化成エレクトロニクスの「VERITA AK4490」をデュアル搭載しています。

SE100の出力数値はアンバランス 2.0Vrms、バランス 4.1Vrms(無負荷時)
SP1000だとアンバランス 2.2Vrms、バランス 3.9Vrms(無負荷時)
SR15だとアンバランス2.0 Vrms,  バランス4.0 Vrms(無負荷時)

第四世代は軒並みバランス接続時の出力が強化されており、アンバランスはわずかにSP1000が大きく、バランスはSE100が一歩リード。AK380だとアンバランス 2.2Vrms、バランス 2.3Vrms(無負荷時)とバランス接続の出力のしょぼさが目立ちますが、拡張AMP込だとハイゲインでアンバランス4.1 Vrms 、バランス8.1 Vrmsと第四世代と比較しても倍近くの駆動力を確保しており、それなりにインピーダンスの高いbeyerdynamicやSENNHEISERなどの300Ωレベルのモデルなら問題なく使用可能です。さすがに第四世代はこの半分なので高インピーダンスのヘッドホン直挿しは難しいかもしれませんね。

CPUは第四世代の他モデルやACTIVO CT-10と同じくOcta Core CPUを搭載しており、直観的な操作が可能。私は第二世代の頃から使用しているので慣れておりますが、初めて触る人でも難なく使用できそうなユーザーインターフェースが盛り込まれています。

起動時間も第三世代と比べて高速化、データ転送もUSB-Cタイプによりスピードアップが図られているのもストレスが溜まりません。

オーバースペックかもしれませんが、PCM 384kHz/32bit、DSD256(11.2MHz/1bit)のネイティブ再生が可能。

充電速度がかなり速く、市販の9V/1.67Aの高速充電対応のUSB-ACアダプターを併用すれば、2時間の充電で最大約11時間の連続再生が可能。

またBluetooth4.1(A2DP/AVRCP*コーデックSBC/aptX/aptX HD対応)機能を搭載しているので、Bluetooth対応スピーカーやヘッドホン、カーステレオ等と無線接続を楽しめます。さらにaptX HD対応機器との接続で48kHz/24bit相当の高音質ワイヤレス伝送が可能となります。

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重量感

重量は240gでAK380GM単体230gとほぼ変わりません。SP1000はステンレスもしくはカッパ―のため、いずれも重量400g近くありポータブル性に欠けておりましたが、SE100くらいの重量感ならば及第点ではないでしょうか。

ちなみにAK380SSは640gもあるのでSE100を2台重ねても重量面では全く相手にならないほど重たいです。それと比べたら単体200gちょいなのでiPhone8+より数十g重い程度です。本体サイズが縦に長い長方形タイプなので、厚みのあるAK380GMより軽く感じますね。

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音質

試聴環境はVE6X2-LeonidasMars-2.5mmバランス、音源は普段通りKalafina、UVERworld、ラルク、Falcomサントラ等。

比較対象としては第三世代フラグシップのAK380全材質。

第四世代はどれも癖のあるモデルが揃っていますが、その中でもとりわけ一番大人しい印象です。SR15はボーカルを中心として中域、SP1000は材質がステンレスorカッパーの2択になるのでクールかウォームに偏っていることから万人受けし辛いモデルです。材質で音を尖らせるのは元からモニタラスなAK380だったからこそ味が付きやすかっただけで、最初からリスニング用途で調整しているSP1000に銅のウォーム感、ステンレスによる分離感を高めても、ハマる人にはとことんハマるけど、そうじゃなければ全く好みの合わないストライクゾーンの狭いモデルでしかありません。これらと比べるとSE100はシンプルに聴きやすく、均整の取れた超高解像サウンドが売りのモデルです。フラグシップのSP1000の高解像感を維持した中庸型ということでこちらの方が圧倒的に好みという人も多く、私もどちらかと言えばSP1000<SE100ですね。

AK380と比較すると、音の性格としてはAK380SSほど尖っておらず、AK380CPほどウォームでなく、かといってAK380GMほど全体の見通しが良いモニターサウンドではありません。これら三モデルの解像感と空間表現には文句のつけるところが現状見当たらず、強いてバッドポイントを挙げるならばUIの遅さが気になるくらい。

ボーカル、ギター、ベース、ドラム、ヴァイオリン、キーボードといった各種パートがいたとして、AK380各種は横並びにそれぞれが空間を作り出し全体を見通せる分析的なモデルですが、SE100の場合は各パートに囲まれ楽器それぞれの音を届けつつも最終的には音楽的にミキシングしてくれるリスニングサウンドといった違い。これはモニター系のDAPが好きな人にこそ聴いてほしい一品で、解像感が高いことは当然としても音粒の細かさと周囲を音で包まれるような錯覚に陥るという意味ではモニターっぽさを感じさせない濃密サウンドと言えそうです。

価格

ファースト価格は¥219,980。代理店であるアユートの直売オンラインストアであるアキハバラe市場やeイヤホンなどでは最初から10%OFFの¥199,980からスタートしました。ヨドバシなどの量販店では定価+10%ポイントを付けるスタイルというのはオーディオに限らず他のジャンルでも同じですね。店によってはeイヤ価格まで下げてもらって更に10%ポイント付与の交渉ができるので、実質的には量販店で購入した方がお得になるケースが多いです。

本国の価格は$1,699。$1=¥110換算として約18万前後ですから、若干の割高感は否めませんがギリギリ許容範囲。問題は「今後どれくらいのペースで下がっていくか」という話になりますが、これまでのモデルは軒並み2年で半値になっていることがこちらの記事を読めば分かると思います。このSE100はもちろん他の第四世代機(SR15,SP1000)もほぼ確実に下がるため、購入を検討される方にはこの辺りの事情を知っておいて頂きたいです。

価格に納得できればGo!でOKでしょう。

限定モデル M.Chat

IRIVERの限定商法は別に珍しいものではなく、フラグシップ機は材質違い(AK240SSやAK380CP/SS)か色違い(AK380黒やSP1000SP黒)、スタンダードモデルは色違い(AK70等のカラバリ)か特定コラボ(小倉唯やFate)で限定版を定期的に売り出しています。

ここ最近では単なる色違いではなくコラボとしてデザイン性を重視したものが増えてきており、SE100も御多分に洩れずって感じ。コラボ対象としては「M.Chat」という落書き猫がチョイスされました。

日本ではあまり見慣れませんが、これはフランスのアーティストであるThoma Vuille氏が描いたグラフィティアートで、フランス各所の煙突や列車のプラットホーム、政治集会場など様々な場所に描き続け、結果ヨーロッパ全域でその活動を実施することに。近年では欧州諸国に留まらずアジア諸国にも広がっているアートキャラクターでこの猫を背面に彩ったものが世界200台限定生産で8月25日に発売。日本には40台入ってきており、この内半数はeイヤ秋葉原店にストックされているようです。

価格は標準モデル据え置き、SE100の音質が気に入らないと食指が進まないと思いますが、弾数が非常に少ないので狙っている方は在庫がある内に突撃しておくとよいのではないでしょうか。

懸念事項としては他国で思うように売れなければ、その個体がデッドストックとして日本に入荷し、各種祭りで特価セールにかかる可能性があるくらいですね。必ずしも初期ロット分で日本の販売数はおしまいというわけではないので、可能性は低くはなさそうです。

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