DITA Audio

ダイナミックイヤホンの極地点 HiFiMan RE2000の購入後レビュー -DITA Dreamとの比較を交え-

ニンテンドースイッチのゼノブレイド2が面白すぎて長らくブログの更新をサボっていたのですが、そろそろ2017年に買い足した機器のまとめでもしようかと思っています。

ヘッドホン祭りで購入したHiFiManのフラグシップ機RE2000の購入後レビューがまだだったので、同じくダイナミックの名機Dreamとの比較を交えてレビューしたい。

RE2000のスペック

製品の立ち位置としてはHiFiManが世に送るシングルダイナミックのフラグシップ。スペックについてはメーカーの紹介文より引用させて頂いております。

9.2mm ダイナミックトドライバー1基で新技術トポロジータイヤフラムを採用。トポロジーダイヤフラムとはダイヤフラムの表面に特殊なメッキ処理を施したものです。そのコーティングは特別な幾何学模様となっており、様々な音色に応じて幾何学模様の形状、配合物、 厚さを調整することで、周波数応答の完璧なコントロールを目的としています。ダイヤフラムの異なる表面構造の特性を適切に調整することで、ワイドレンジで滑らかなサウンドを実現しました。

長い年月をかけて多数のユーザー テスト及びトポロジーダイヤフラムのパターンチェンジを繰り返し、理想の波形を正しく描けるダイナミックの最適解です。

筐体に用いられている材質は真鍮。
さらに24kGoldの金メッキを施したことにより、表現力の豊かさを向上させ、さらに上品なサウンドを実現しました。

開封&付属品

パッケージがとにかくゴツくて、拘っている感が見受けられます。

ガッチガチのハードケースに納められています。開けるのが楽しみ♪

開!

右の箱はイヤーチップ、シングルフランジ2サイズとトリプルフランジ2サイズ。

写真はありませんが左の箱にケーブルが入っています。

メインディッシュはこちら。

筐体だけ別梱包とは手が込んでいますね。

装着感と遮音性

個人的に、ユニバーサル機を買うための判断基準において”音質”と並ぶくらい重要なファクターと思っているのが装着感。これが悪いといくら音がよくてもなぁ…と買い控えてしまうのですが、RE2000に関しては多少の装着感を犠牲にしてでも入手したかった、というのが本心でそれくらい音に惹かれました。

イヤーピースの交換やリケーブルである程度は装着感・遮音性は向上できるので、とりあえず購入してから策を考えようと半ば博打的に購入したんです。

実際購入後に初めて耳に付けてみた感覚では「良い」とは言えません。試聴時同等だなと。装着感はともかく遮音性はかなり低いタイプです。初めて耳につけた時は、イヤーチップのサイズが合っていないのか、筐体が耳にそぐわないのか分かりませんでしたが、実際数十時間使用して後者だとハッキリ言えます。装着感が悪いというより筐体構造の問題でどうしても耳孔に隙間ができてしまう感じです。

付属品の中で合うイヤーピースといえばダブルフランジくらいで、これも長時間付けていると内耳が痛くなるのでちょっと困りました。そんな最中、クリスタルチップスが良いよとTwitter上でアドバイスを貰ったので試してみると 、音質的に極端な変化はなく内側からのホールド力が増したので、私としてはシリコンよりウレタンの方が好みです。極端に低音が増えるわけでもありませんし、RE2000のイヤーチップ選定で悩んでいらっしゃる方がおられたら一度試してほしい。

付属ケーブルは黒被覆のロングケーブル。ちょっと安っぽく見えてしまうのが残念ですが、音質的に何の不満はありませんでした。ただ素の状態だと耳かけ部分の固定力が弱く、歩いているとケーブルが耳から落ちる、プラプラして鬱陶しいなど使いづらさが目立ったので、使い慣れたケーブルに換装して固定力を高めることにしました。

リケーブル

そんなわけで、装着感が気に入らなくて即リケーブル。

筐体と接続する端子は2pinでリケーブル可能です。フラット2pinではなくピン孔の周りに囲いがあるタイプ。通常のカスタム2pinのものであれば問題ないと思いますが、若干の個体差があるようでかなり強めに押し込まないと根元まで挿さらないといった事例もあるので要注意です。ケーブルメーカーは数あれど、同じ2pinでもピン径とピッチが微妙に違う個体が沢山あります。差し込む時にはピン孔が見えないので、軽いタッチで根元までねじ込むのが無理そうだと判断したらやめておいたほうが賢明かと思います。最悪ピンがポキンと逝ってしまいいらぬトラブルを引くことになります。

で、どのケーブルをチョイスしたかと言うと、引き出しの奥底で眠っていたCrystal Cable Nextを取り出してきました。純正ケーブルの材質は銀メッキ結晶銅、Crystal Cableも銀メッキ結晶銅(その周りに色々付いてるけれど)なので、音質傾向は似ており同一音量での解像感がやや増したかな?という程度。Dreamのようなカリッカリな冷たいサウンドではなく中高域の暖かみが特徴ですので、多少なりとも線材による影響を受けやすいと思います。

耳かけ部分はチューブ式の方が私の耳には合っていることもあり、筐体を耳に入れた時の固定力も良くなったとさえ感じます。

音質

DAPはAK380+AMPを使用、AMPハイゲインで音質の傾向を掴みました。

唐突ですが、個人的に好きな音の傾向は「低域控えめで中高域の煌びやかさが欲しい」「楽器の音はハッキリシャキシャキと聴き分けたい」「スピード感ある硬質サウンドが好き」

ある帯域だけをゴリゴリに引っ張っていくようなタイプのイヤホンは好みではないので、自分とは逆にそのような音質傾向のイヤホンを愛用されている方にはあまり参考にならないかもしれません。

このクラスのイヤホンになると「音質が良い」というのは当たり前の話で、”聴く者の好み”にヒットするかどうかに争点が当てられるケースが多いハズです。「やかましいくらいの低域があるのが好き」「サ行が耳に刺さるくらいの高域が好き」「特定の帯域に拘らないフラットが好き」というように、音にこだわる方であれば「こういう音が良い」という己の好きな傾向は認識されていることと思います。

そういう意味でRE2000は「低音が出まくる」とか「ボーカルが綺麗」とか、分かりやすく一言で言い表せる特徴がないのが特徴。あえて言うなれば「反則的な音場」と言いたいところですが、字面だけじゃ非常に分かりにくいのが人にススメにくい理由だったりします。

BAドライバーをマルチに搭載した所謂多ドラ型イヤホンもモノによっては解像感も高く横方向へ広がる音場を形成するものもありますが、ドライバー同士干渉することでどうしても違和感ある機械的な音に感じる機種もあります。RE2000はダイナミックドライバー一発ながらブワッと音が拡散するように力強く聴かせてくれるのはダイヤフラムに施された幾何学模様のメッキ処理が一躍買っているのか、上から下までバランスを崩壊させずにボーカル含む各楽器を自然にまとめ上げる面白い鳴り方をします。解像感は低くはないけれど複数の音のブレンドの仕方が絶妙に心地良いんです。音を楽しむと書いて音楽?ノンノン、色んな音を自然に融合させてこそ真に音楽でしょ!?って語りかけてくるかのように、音場形成の上手な機種とまず第一に感じました。

出音の特徴としては中高域が主体の逆ピラミッド。付属ケーブルではややシャリつくポイントもあるかな?と感じます。個人的には大歓迎な部類ですが、取り回しが悪いのでCrystal Cableにリケーブルしてしまいました。

真鍮製の筐体に金メッキが施されていることもあり、金管楽器の鳴りがややマイルドになっています。DITAのBrassは真鍮オンリーですが、あそこまでハイがキツくないです。ボーカルも引っ込まず程よい位置で歌ってくれますが、「最前面」ということであればBAマルチに譲りますね。

低域についてもダイナミックらしい自然で深みのある鳴り方をするので、JH Audio Roxanneのフルテン時のようなゴリゴリブーストが掛かった音を想像すると拍子抜けするかもしれませんが、日常的にダイナミックの自然で重々しさすら感じる低音が好きなDドラ賢者にとっては心地よいことこの上ないでしょう。

同じくハイエンドダイナミックの双璧を成すDITA Dreamとは全く傾向が異なるので、魔法の言葉「使い分け」が発動します。

あちらもDドラ一発の同価格帯ということもあり(生産中止に追い込まれてしまいましたが…)何かと比較されることが多いことでしょう。両方買ってみて合わない方を手放そうとも考えましたが、どちらもダイナミックを極めた音を奏でてくれるので両方必要だと判断して手元に残しています。

共通して言えるのは中高域が綺麗に伸びやかに聴けまして、Dreamは比較的フラットながらもヴァイオリンやギターの弦楽器はチタン筐体らしい鋭い中高域にうっとり虜となってしまいます。音場的にめちゃくちゃ広い、と言うものではありませんが、音楽を構成する音の分解力と言うか楽器ごとの解像感がズバ抜けているのがDream。RE2000はジャズ系、ブラスバンド系の高音の鳴り方に真鍮特有の暖かみを感じます。(これはDITA Brassと傾向が似ています) Dreamのような硬質なサウンドではなくあえて丸みを帯びせ音楽を構成する音を上手く融合させているように感じます。解像感高く文字通り音を楽しめるDreamと”全体の融和性を重視するRE2000、どちらを取っても間違いのない選択なんでしょうが、私のように欲張りな人間にとってはこの二者択一を迫られると”答え”を出すのにかなりの時間を要しそうです。

「ダイナミックとは?」という音の本質に対する回答を、両メーカーともそれまで集約した知識・技術・ノウハウの全てを注ぎ込んで導き出されており、どっちも正解!なんて偉そうに言うわけではありませんが、音を追求するってことがそういうことなんだろうと妙に納得してしまいました。

ちなみにどちらもインピーダンスが高めでDAP側の駆動力を相当に要求されます。生半可な能率では本来の能力を発揮できないばかりか音量を上げた際に一部帯域が歪んだり、ってことになるので、何かしらポタアンをかませることをオススメしますよ。

価格

定価¥194,400とシングルダイナミックイヤホンとしては最高峰に位置します。同価格帯のダイナミックはDITA Dreamがありますが、あちらは絶版ですから20万近くに匹敵するものはRE2000しか市場にないのが現状です。

非常に高額ですが、時折セールをするのがHiFiManのいいところでもあり、ちょうど今10周年記念セールが催されています。

2018年1月末までならば約3万円引の¥162,000で購入することが可能。

いつか購入しようと考えていらっしゃる方はお得に買える内に手にしておいた方が良いかと思います。

まとめ

もう新しいイヤホンは買わないと何度言ったか分かりませんが、「宣言するだけ無駄」ということがハッキリしました笑

毎年続々と新製品が投入される市場だけあって、どれが自分に合うか吟味している時間を長く取れるのもオーディオの良さでもあり沼でもあり、その中で「これこれ!」って納得できるものが一つでもあればこれほど楽しいものはありません。

好きな音の傾向を掴んで、あれよこれよと聴き漁って、その時々の至高の一本を決め、己の財政状況に応じて購入を悩む。

時間とお金があって成せるものだとつくづく思いますし、趣味を共有できる方が増えてきている、というのが最近の喜びです。

昨年はRE2000とDreamの二つのダイナミックイヤホンに驚かされた一年でした。

これまで聴かなかったジャンルの音楽にも耳を傾け、この曲をRE2000で聴くのがイイ!という自己満足に浸ろうとしている辺り、2017年のベストバイかなと。

どんなに良い音でも一本だけではいつか飽きが来ます。BrassやカスタムIEM軍も良いのですが、最近ではこの二本をローテーションさせることで何時でも購入直後のフレッシュ感を味わえることが至福でなりません。

本当に買ってよかった。そんな思いで執筆させて頂きました。

イヤホンのレビューごときでここまで5000文字、長々と読んで下さりありがとうございました。

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