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Oriolusのハイブリッド機の中では5機種目、マルチBAも含めると6機種目となる新作が登場しました。

初代Oriolus、Oriolus 2nd、Forsteni、Oriolus Reborn、Mellianusに今回のFinschi。最も廉価に位置するモデルで、Oriolus(1DD3BA)→Forsteni(1DD2BA)→Finschi(1DD1BA)の順にBAドライバーが一つずつ減っていきます。

読み方はフィンシー。Oriolusって鳥の学名をモデル名に採用しているのですが、公開されるまでは「フィンチ」と読むと思っておりました笑

正直めちゃくちゃ好み、2万ちょいで売ってもいいんですかってレベル。どのメーカーも3万付近のモデルを拡充していますが、このフィンシーは2万に近い価格でありながら相当頑張れるモデルと感じました。気軽に使える機種として、自分用に買ってもいいかなと思えたので、良かった点、イマイチな点をレビューします。

Finschiのスペック

上述しましたが、ハイブリッド三兄弟の末っ子でDD*1基BA*1基の構成。

再生周波数特性10Hz~40kHz、出力音圧レベル112dB/mW、インピーダンス18Ω、これだけで判断できるものではありませんが比較的鳴らしやすい部類です。

従来のOriolus製品では付属しなかったプロテクトケースが採用されており、2万前後の価格帯にしては付属品が豪華です。

装着感 42/50

  1. 41-50:カスタムIEM相当、筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
  2. 31-40:カスタムレベルとまでいかないが装着していてストレスフリー、かつ遮音性も確保できている。
  3. 21-30:装着感は良好だが遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
  4. 11-20:装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
  5. 0-10:痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。

さすがOriolusと言ったもので、ユニバーサルの中では最高峰。Oriolus(初代、2nd、Reborn)やForsteniと比較するとドライバーが少ない分finschiの方がコンパクトです。相似的に一回り小さくしたような感じで、うまくフィットする方が多いと思います。他メーカーだとqdc NEPTUNEに近いフィット感です。カスタムもどきの筐体ではありますが、イヤーピースを耳奥まで押し込むことで高い遮音性を得られるタイプの形状です。

Finschiに関してはDDのベント孔が下部に開けられているため、NEPTUNEと比べると遮音性は劣るのですが、曲再生中は全く気になりません。装着感が良いという点だけでストレスが掛からないので、それだけで評価できますね。

ケーブルはこれまでのPW audioの銅線ではありませんが、取り回しは良好。耳掛け部分にカーボンファイバー形状記憶加工がなされているため、多少の反発はありますが、DITAケーブルほど強くはなく耳周りでのアバレはほとんどありません。

音質 82/100

帯域バランスとしては中低域寄りのリスニング型。高域が伸びやかなのはForsteniに一歩及びませんが、逆に低域がドッシリしているためベースやキックの連打、サックスの低音などなど曲全体の土台を支えるパートが際立ちます。

Oriolus全体に言えることですが中域の情報量は基本的に多目で、ボーカルも比較的近めです。これまでのOriolus(特に初代)やForsteniはゆったり余裕を持って鳴らせる余韻の強いタイプだったのでバラードやジャズが得意なジャンルでした。反面finschiはローを重視したからか、ロックバンド形態でゴリゴリ攻める曲調を軽快に楽しく聴かせてくれます。

解像感はそこそこで、各パートの分離感もまずまず。余韻は抑えめで音場もさほど広くはありませんが、アップチューンのハイテンポな曲調は思わず首を振りたくなるようなノリの良さが売りです。音数が多い方がごまかしが効くので、アカペラやアルペジオは至って普通、4パートくらい存在していて演者が思いっきり弾けられるような曲はなんでもマッチすると思います。

気になる点を述べるならばボーカルが若干遠い部分。中域が一歩引いている感じで、TwitterのTLをチェックすると声重視の方はあまりヒットしていない様子。分かりやすくクリアーなNEPTUNEやほとんど隙の見当たらないBillie Jeanと比べるとFinschiは低域寄りのモデルなので「一聴してめっちゃええやん」となりにくく、また同じく低域が素晴らしいE5000と比べてもあちらの方が横に広い音場を確保できているので静寂な空間でじっくり聴き比べるとFinschiの方が粗が見つかりやすかったりします。あまりネガティブな印象は受けませんでしたが、ある程度の予算を取れるカスタマーならば優先順位が低くなるのも理解できます。

個人的な評価としては、Forsteniの伸びやかさが失われてしまった点(-4)とストレングスの残響感がイマイチ感じられない点(-7)はマイナスポイント。それからロックバンドに合うサウンドですが音場が狭いならば余韻を残さず駆け抜けていくスピード感を持ち合わせてほしい(-7)ので、音質面での得点をつけるならば84/100。

装着感が良好なので、総合すると42*1/2+84*3/4=84/100

(装着感点数の1/2と音質点数の3/4を合算した数値を総評価としています)

    価格

    定価で21,600円、さしずめ税抜2万ジャストってところ。

    アンダー3万にバカスカ良機種が登場してきている中で、

    今回のFinschiといい、Anewの白玉(七福神商事)といい2万円前後、もしくはアンダー2万とさらなるローコスト化を推進するモデルも出始めてきています。

    こちらでまとめたアンダー3万のおすすめモデルは随時更新をしていますが、このペースで「ええなぁ」と思えるモデルが増えてきたら年末には30機種を突破する勢いですので2万円以下は分けた方がよさげですね笑

    まとめ

    特筆すべきは「極めて装着感が極めて良好で、音質面では多少癖はあるもののノリ良く聴かせてくれるアッパーチューンを得意とするリスニングモデル」が2万円でお買い上げできるという点。

    音だけ良くても装着感がクソなら即購入候補から除外されますし、フィット感が良いだけで音質面での粗は多少目を瞑ることができます。

    そのあたりのバランスの良さがOriolusが光るポイントですので、今回も期待通りというか、ここまでコストを削減できた企業努力を称えたく、今後もずっと見守っていきたいと思います。

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