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革靴のメンテナンス、どこまでやっていますか?

革製品にハマると"磨く楽しみ""磨く喜び"というものを感じられるようになるのですが(私だけ?)、

おそらく「普通に履けたらいいや」と考える方からすれば、そのような感覚はないと思います。何ヶ月かに一回、クリーナーで汚れを落としてクリーム塗ったり、光らせるために磨き続けたり、興味のない多くの方からすればこれほど面倒くさい事はないかもしれません。

しかしながら実際の革靴メンテナンスはそんな事はする必要はありません。そこまで行くと趣味の域です。

それよりももっと重要で手軽な"革靴メンテナンスの基本4項目"がありますので当記事ではそれをお伝えしたいと思います。

革靴のグレードの違い

そもそも
革靴って安いものだと数千円、高いものだと数十万クラスと価格のレンジが広いですよね。 値段によって何が変わるの?って疑問をまずは解消します。
革靴のブランドは国産・海外産(インポートシューズと呼ばれます)問わず数多くのメーカーが存在します。インポート靴の場合は代理店が介在し日本への輸送、国内での展開を握るので間接費用が上がり、その分割高になるのですが、価格を決定付けるのは主な要因は"製法"と"革質"で決まります。

製法

革靴の製法は一つではありません。おおよそ価格帯ごとに製法が変わってきます。 2万円以下の靴だとアッパー(革部分)とアウトソール(靴底)を圧力接着させる「セメンテッド製法」がの主流、 3万円以上になると熟練の職人が主にハンドメイドで数週間の時間と100以上の工程を重ねて縫い合わせる「グッドイヤーウェルト製法」が多くなってきます。
他にもマッケイ製法、ハンドソーンウェルテッド製法、ノルウェージャン製法など種々の製法がありますが、上記2つの製法がよく引き合いに出されます。
両者の決定的な違いは、セメンテッド製法の靴は靴底に穴が開いたら修復不能、グッドイヤーはアッパーが無事なら半永久的に靴底を交換できるという点です。 セメンテッドの靴は機械的に製造されるのでコストが低い、グッドイヤーの靴の方が手がかかっているのでコストが高い、という製法の違いで革靴の価値は変わります。

革質

材質が変わればその分定価に反映されるのは革靴に限った話ではありませんよね。
同じグッドイヤーの靴でも、ソコソコの革質のものと希少価値の高い極上革を使ったものでは手触りも見た目も変わってきます。5万の靴と20万近い靴、履き心地は似たような靴でも革質の良し悪しで同じ製法でも革靴としての価値が変わるのです。
またLVMH、PRADA、HERMESといった世界的なブランドの傘下になっているシューメーカーも存在しますし、創業100年以上単独経営している独立メーカーもあります。10万〜20万クラスのものになると、そのメーカーの歴史、拘り、加盟ブランドといった要素が関わってきて、ステータスを示す象徴にもなり得るのです。

そこで争点になるのは、「高いものが長持ちするかどうか」

同じグッドイヤーの靴でも、国産SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)は3万円から買えますし、英国伝統のEDWARD GREEN(エドワードグリーン)になるとほぼ20万くらい掛かります。

ですがEDWARD GREENの方が長持ちするかと言われると、そう変わらないのが事実です。

SCOTCH GRAINの靴もアッパーの手入れをきちんとすれば10年、20年使えるでしょうし、EDWARD GREENの靴で手入れを一切行わなかったら数年でダメになるでしょう。

つまりはどんなに高級な靴でも適切な手入れをしていなかったら台無しということです。

ただその手入れもクリーム塗ったり鏡面仕上げをする必要はなく、下記項目を実施すれば寿命を大幅に伸ばすことができます。

何もしていない状態と比べるとやや手間かもしれませんが、習慣化さえできればしめたものです。

革靴保守の基本4項目

シューホーン

革靴を履く時に、踵を踏んでいませんか?

実はコレ、革靴にとって非常に良くないことで 、踏んだ側からシワが広がっていってしまいます。外観に関わる部分ですので、革靴を履く時はシューホーン(靴ベラ)を使う癖をつけるといいでしょう。

また私はあまり靴で人を判断したりはしないのですが、世の中には「足元を見てくる」人も多くいます。「踵を踏んでいる」ということは、「時間に余裕がない」「楽な姿勢を改善する気がない」「モノを大事にしない」足元が整っていないだけでナメてかかってくる人種がいるということを忘れてはいけませんよ。

ローテーション履き

1足の革靴を履き続けるのと、3足の革靴をローテーションさせるのでは、1足当たりの寿命が全然変わってきます。

例えば毎日履き続けると半年しか持たないセメント革靴を3足でローテーションさせると3年持つこともあります。靴に限らず革製品は毎日酷使しているとすぐに傷んでしまいます。ですので1日使ったら休ませてあげることが何よりも重要で、2足ローテでも劣化の速度を大きく抑えることができます。

一足履き潰し型の方でも、次に購入する靴を先取りして買っておいてローテーションさせてやると、購入スパンを長く持つことが可能となります。

シューキーパー

革靴の形を保護する木型です。役割としては「形態維持」と「水分吸収」です。

革靴はそのまま放置しておくと革の張り込みが緩くなってきて形が崩れてきてしまいます。新品の靴の内部には多くのケースで形態記憶させるための素材が入っていると思います。履いていない時は、その靴のサイズにあったシューキーパを中に入れて保管するようにしましょう。

また革靴を履くと足から放出された汗が染み込んでいきます。1日に足からどれだけの汗が出るかというと、なんと”コップ1杯分(約200ml)です。

外回り営業マンならもっと多いかも…

脱ぎたてホヤホヤの革靴内部は超高湿度で、これだけの水分が靴の内側から常時入り続ければそりゃ劣化も早くなるのですが、木製のシューキーパーを入れてやることで内部に溜まった水分を吸着してくれます。

シューキーパーを入れておく期間は脱いでから2日間位が良いでしょう。一晩だけ入れておいても水分吸収という意味合いではそれほど効果はありません。

ブラッシング

これが一番難易度が高いかもしれません。

ここでいうブラッシングとは、汚れを落としたり色付け用のカラークリームを塗ったりすることではありません。

脱いだ後の「埃落とし」です。履いて歩いているうちに、目に見えない粉塵が靴表面に沢山付きます。これが積み重なって重度の汚れになったりカビを発生させたりする主原因となります。固着する前に、脱いだ側から擦ってやれば簡単に落ちますので、サッとブラシ掛けをしてあげましょう。軽くシャッシャと掃くだけで良いので所要時間は10秒足らずです。

これを繰り返していくうちに、革靴表面の溶剤(クリーム)がブラシに移っていきます。軽くブラッシングをするだけで革に輝きを与えられる域に達すれば、クリームを塗ったりする必要はありません。何せ脱いだ直後のブラシだけでピカピカになるんですからね。これ以上に楽なことはありません。

 

以上、4点となります。

クリーム塗ったり光らせたりするのは少なくともこれらを実施した後の話。そこまでやるのは靴愛好家で、普段履くだけならば十分な効果があります。

毎回続けるのは大変かもしれませんが、履く時と脱ぐ時に、ほんの少しの手を加えてやるだけで見違えるようになりますよ。

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