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前々回は最上級モデルであるインペリアルシリーズ、前回はセカンドラインであるオデッサとブローデンの特徴についてまとめました。

「セカンドでも4万円弱かぁ…」と諦めていたメンズの皆様。これで終わりではありません。

通常ラインである"STANDARD GRADE"が最もコストパフォーマンスが良く、普段使いにはもってこいのものが揃っています。

私も普段は外回りの営業マンで、ハイグレードの靴ってなかなか使えません。ソール交換はできるとはいえ、踏まれたりしようもんなら「何してくれとるんや」と相手の胸ぐら掴みに掛かりますからね。ですので日常的には気にせずガシガシ使える通常ライン、ちょっとしたハレの日にはお気に入りの上級革靴を使うのがメリハリも付きますし、バランスが良いのではないかと思っています。

ここで紹介する一般ラインは、ベルオム、ベルオムマーブル、アシュランス、フレキシブルの計4モデルで、いずれも¥30,000前後。ソールを永久的に張り替え可能なグッドイヤー製法ではこの価格帯は爆安です。

ただまぁ…一般的な感覚だとそれでも高いのは分かります。

「丸の内で勤務するビジネスマン1000人にスーツに関するアンケート(2012,AERA STYLE MAGAZINE)」によると、サラリーマンの約7割が2万円以下の革靴で運用しているとのことだが、履き潰してはまた似たようなのを買っているのだろうか。結構古い情報だけどサラリーマンの手持金を考えると今でも似たような比率になりそうではあります。「少し製法に拘った革靴を取るだけで出費が減るのになぁ」と私は思うのですが、 履き潰すようなタイプの人の多くは目先の金に囚われているのが多くて「3万円!高い!」ってなるのが目に見えていますので私からは何も言いません。

この前会社の同期4人で集まった時には、各々どんな革靴使ってるかという話になりました。

3万ちょいのシャインオアレインを履いてるだけで「お前すげぇ」ってなりましたから、もしこの日にサントーニとかオールデンとかグリーンを履いて行っていたらどうなったか考えただけでも恐ろしい。革靴好きな私に言わせれば「普段はこれで十分、もっと色々あるよ」なんて言いたくなりましたが、「たかだか靴にそこまで出すって頭おかしいんじゃねぇの?」と思われるのが関の山。

こんな事例が革靴に拘る人間の周りでは日常的に発生するので、一般的な感覚とTPOを考慮する必要があります。普段使いにガンガン使えるここら辺のモデルは最重要な靴だと思っていますし、なんならこの一般ラインでも履き潰しタイプの人間から一目置かれるのは必然です。

一般感覚からは"やや高い"かもしれませんが、普通に履く分には十分すぎる性能で、かつ10年20年と使える。そう考えると選択肢になり得ると思いますので、全モデルの詳細を下記にまとめさせて頂きます。

モデル名の意味するところ

先に答えから言わせてもらうと、SCOTCH GRAINにおいて「モデル名=マクロ的コンセプト」です。シャインオアレインだったら「全天候型」、オデッサだったら「シンプルを追求」、インペリアルだったら「最高品質」というように、「このモデルはこんな特徴がある」と示してくれるのです。

多くのメーカーでは、その革靴のスタイルごとに名称を決めることが多いです。例えばEDWARD GREEN(エドワードグリーン)であればCHELSEA(チェルシー)="内羽根ストレートチップ "、Church's(チャーチ)だったらSHANNON(シャノン)="プレーントゥ"というように「モデル名=スタイル」で表記されることが一般的です。

しかしながらSCOTCH GRAINでは、同じモデル名でも内羽根ストレートチップがあったり、ブローグ靴があったり、同一モデルの中でスタイルを選べるような仕様になっています。選ぶ側の立場にから見ると、そのモデルは何を意味しているのかが非常に分かりにくいと感じるのはこのためだと思います。さらにシャインオアレインにもⅢとⅣがあったり、オデッサにも無印とⅡがあるので、ますます分かりにくい。もっと言えばインペリアルブラックに関しては茶色カラーもラインナップに含まれていたり、各モデルのコンセプトを解析するのが非常に難解です。

ともあれ各型番を眺めていると何が違うのかが見えてくるので、現状直営店舗にて販売されているモデルを見ていきましょう。

アルファベット型番を解析する

SCOTCH GRAINでは、ラインナップされている全ての靴にアルファベット型番を設定しています。

商品の識別記号のようなもので、①"1〜2文字の英字"+②"2桁番号"+③"1桁番号"+④"2文字の英字"で構成されています。

それぞれの意味することは①販売ルート、②モデル名、③スタイル、④カラー。①は記載していないこともあります。

SCOTCH GRAINで設定している型番を見ると、この全てが分かるので知っておくと便利です。下記に全てまとめておきます。

①販売ルート

①1〜2文字の英字

販売先

無印 通常モデル
AN アニバーサリーモデル
NL 直営オンラインショップ限定モデル
N 直営店舗限定モデル
I 伊勢丹モデル
D 大丸モデル
T 阪急・高島屋モデル
L 限定企画モデル
H 匠シリーズ(アウトレットのみ)
OP オープンプライス(ディスカウント、リジェクト品)
F ファミリーセール

②モデル名

②3桁の数字

モデル名

756 ベルオム/ベルオムマーブル
352/353 アシュランス
351 フレキシブル

③スタイル

③1桁の数字

スタイル

0 ブローグ/ダブルモンクストラップ
1 ローファー
2 欠番
3 タッセル
4 プレーントゥ
5 ウィングチップ
6 ストレートチップ
7 シングルモンクストラップ
8 スワールトゥ
9 Uチップ

④カラー

④英字

カラー

BL ブラック
BR ブラウン
BO ボルドー
MBR ミディアムブラウン
DBR ダークブラウン
LBR ライトブラウン
NV ネイビー

STANDARD GRADE

先に述べたようにSCOTCH GRAINの一般ライン。コストを抑えるために使用する素材を控えめにし機械の介入比率が高くなります。とはいえグッドイヤーであることに変わりはなく、上級ラインで謳われているような品質基準も同じように適用されています。

相当な靴好きでなければ革質に拘ることはないと思いますが、2万以下で販売されるようなものと比べると圧倒的に質が良いです。

そしてメンテ性の良さもメリットとなります。脱いだ後のブラッシングさえ怠らなければアッパーの劣化はほとんど見られません。クリーム塗ったり磨いたりする必要もなく、ブラッシングをかけるだけ。それで十分です。ただしソールはすり減っていくので定期的に交換しなければいけません。

ベルオム

内羽根のクォータブローグです。キャップとアッパーの縫い目にパーフォレーションを施したブローグ靴です。ベルオムはワンスタイルのみで、紋様飾りのないシンプルなストレートチップではちょっと味気ない…と感じる時のアクセントとしてクォーターブローグ靴が用いられます。ちなみにトゥのラインのみパーフォレーションを施したパンチドキャップトゥはフォーマルオッケーですが、クォーターブローグ以上の装飾靴はカジュアル感が強くなるので冠婚葬祭には向きません。ビジネス、パーティなどは全く問題ありません。

ラスト的には、トゥは抑え目にノーズは細く長くヒールカップは楕円型にして、全体的にすっきりとしたシルエットに仕上げられています、インポートシューズにありがちな細すぎて入らない、ノーズが長すぎて不恰好、というようなこともありません。ウィズはEですので幅広な方はキツいかもしれませんので、購入時は試着必須でお願いします。

756BL

ベルオムマーブル

ベルオムのマーブルバージョンです。ラスト・スタイルは同じでマーブル模様をプリントされた革が使用されています。マーブル模様とは、大理石を模した模様の事で、流れるような形を複数の色で多重に重ねたり練り込んだように見えるプリント柄の意。写真で見た感じは分かりにくいのですが、実物を手に取るとムラのある配色が不思議な印象を与えます。

カラーはBR(ブラウン)とDBR(ダークブラウン)の二色展開。

756BR/DBR

アシュランス

スコッチグレインの中で最も汎用的なモデルです。スタイルはプレーントゥ、ストレートチップ、セミブローグ、フルブローグ、モンクストラップ、Uチップ、パンチドキャップトゥとよく使われるものが揃っております。ベリオムはクォーターブローグのみのラインナップでしたが、アシュランスはそれとは対極です。同じアシュランスでも好みのスタイルをチョイスできるのが嬉しいですね

このモデルの特徴はEEEウィズと幅広で、ノンスリップレザーソールと呼ばれる底革を使用しています。これはイタリア製の鞣し革を用いているのですが、土踏まずからトゥにかけて中央部にゴムが流し込まれているのが特徴。ただしオールゴムソールではないので、周りの革が水分を吸って硬質化することで反りが悪くなったり、劣化を促進させるため油断は禁物です。

ラスト的には最上級ラインであるインペリアルⅡと同じですので、販売価格の差=素材の差と思ってもらえれば問題ありません。

3520BL

装飾の施された靴の中では最も使いやすいセミブローグ。足元を見られた時、一番視線が集まりやすいのはトゥ周り。大小規則正しく散りばめられたメダリオンが見えれば、それだけでこの人の足元は華やかだという印象を受けるはず。服装シンプルにして靴をブローグ靴にすると映えますし、後述するプレーントゥより履きこなしが楽なので

3524BL

外羽根のプレーントゥです。シンプルイズベストでストレートチップ並みの汎用性を誇ります。極めてシンプルなので履きこなすのが意外と難度が高いです。ビジネスシーンでブラックのプレーントゥをかっこよく履こうと思ったらスタイル、上下服装、装飾品をひっくるめたトータルバランスが良くないと不恰好になってしまう、そんな危険性を孕んでいます。ぼてっとさせるかシュッとスマートに見せるかはそのバランス次第。靴に限らず柄・装飾の入っていないものは他との兼ね合いで大きく印象が変わるため、その点は注意しよう。

3525BL

フルグローグでウイングチップが施されています。黒のウイングチップは現状コレだけ。茶色ならワンランク上のブローデンⅡで用意されています。

3526BL/DBR

内羽根ストレートチップ。言わずもがな最強のフォーマル靴。

普段は装飾入りのものが好きでもストレートチップは必ず出番があるので最低一足は用意しておくことをオススメする。

3527BL

シングルモンクストラップです。ダブルモンクはブローデンⅡしか用意されていませんでしたが、シングルモンクで一番高いのはアシュランスです。バックル部分がどうしても目立つためフォーマルな場ではイマイチですが、履き慣れて革が伸びてきたらスリッポンのように脱ぎ履きできて非常に楽チン。プレーントゥやストレートチップしか所持していなければ少し遊び心のあるモンクストラップタイプもオススメ。

3529BL

外羽根Uチップ。もともとはカジュアルシューズですが日本国内ではビジネスでもなんら問題なく使用可能。街中を歩いていてもこのタイプの靴を履いている人をよく見かけます。ダーヴィータイプでサイズに対する許容幅が大きいので、多少大きくても締め込むことで適切なフィット感を得られます。

アシュランスではカラーはBL(ブラック)のみですが、茶色系のものが良ければ上位モデルで用意されています。

3536BL/BR

パンチドキャップトゥです。トゥのラインのみパーフォレーションを施しています。フォーマル上の格式で言えば、通常のストレートチップと同格です。こちらもオールマイティに使える万能スタイルです。

フレキシブル

タッセルローファーです。スコッチグレインのローファーモデルと言えばこちら。革質やソールはベルオムやアシュランスと同等。
用意されているスタイルはウイングチップとVチップ。いずれもタッセル(リボン飾り)が付属するので表情を変えたい時に付けるといいだろう。

ちなみにローファーと聞くと学生靴をイメージされると思いますが、実はメンズでも愛用している人は多いのです。このフレキシブルはスコッチグレインの中でもロングセラーモデルで、長年支持され続けているモデルでもあります。

3510BL

3511BL

まとめ

ここで紹介したのはスコッチグレインが一般ラインとして用意している全てのモデルで、一通りのスタイルを網羅しています。4万以上出さなくても、常用するならばこのラインでも十分すぎる性能を有しています。ここら辺のものを2〜3足で回せば、アッパーが破れない限りは末長く使うことができますからね。

ただ革質はセカンドモデル以上のものと比べると全然違います。手触りやツヤ感は異なりますし、もっと拘りたいのであればそれなりの投資は必要。安くて良いものはたくさんありますが、素材による品質の違いに関しては、廉価モデルが上級モデルを上回ることはできませんからね。

というわけで普段使いに必要十分なスコッチグレインSTANDARD GRADEでした。このラインからスタートして、もっと靴に凝りたいなと思われたらスコッチの上級ラインに手を出すもよし、ハイエンドのインポートシューズに手を出すも良し、納得のできる靴を選んでいって下さいね。

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