【この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。】

前回こちらの記事ではSCOTCH GRAINの最上級EXECUTIVE GRADEのインペリアルシリーズの特徴と違いをまとめました。

続いてセカンドラインに位置付けられているPREMIUM GRADEのオデッサとブローデンについて、各モデルの特色、違いをまとめます。

インペリアルシリーズだと基本¥48,000、その中でも拘りに拘ったプレスティージだと¥60,000ですので、「そこまでは出せないよ…」と考えられる方もいらっしゃると思います。

SCOTCH GRAINではほぼ全ての靴をグッドイヤーウェルテッド製法という複雑な製造方法を取っているのですが

セカンドグレード以下も造りは同じですので、このラインの靴を何足かでローテさせれば一生使えます。投資に対するパフォーマンスが最も優れているので、一概に"最上級モデル=最も良い靴"と結論付けることはできません。

まずはSCOTCH GRAIN似置けるモデル名のつけ方と各型番の解読方法から説明させて頂きます。

「モデル名の意味するところ」の項は先に紹介したインペリアルシリーズの記事と同等ですので、そちらを既に読まれた方は飛ばして下さい。

モデル名の意味するところ

モデル名の意味するところ 先に答えから言わせてもらうと、SCOTCH GRAINにおいて「モデル名=マクロ的コンセプト」です。シャインオアレインだったら「全天候型」、オデッサだったら「シンプルを追求」、インペリアルだったら「最高品質」というように、「このモデルはこんな特徴がある」と示してくれるのです。 多くのメーカーでは、その革靴のスタイルごとに名称を決めることが多いです。例えばEDWARD GREEN(エドワードグリーン)であればCHELSEA(チェルシー)="内羽根ストレートチップ "、Church's(チャーチ)だったらSHANNON(シャノン)="プレーントゥ"というように「モデル名=スタイル」で表記されることが一般的です。 しかしながらSCOTCH GRAINでは、同じモデル名でも内羽根ストレートチップがあったり、ブローグ靴があったり、同一モデルの中でスタイルを選べるような仕様になっています。選ぶ側の立場にから見ると、そのモデルは何を意味しているのかが非常に分かりにくいと感じるのはこのためだと思います。さらにシャインオアレインにもⅢとⅣがあったり、オデッサにも無印とⅡがあるので、ますます分かりにくい。もっと言えばインペリアルブラックに関しては茶色カラーもラインナップに含まれていたり、各モデルのコンセプトを解析するのが非常に難解です。 ともあれ各型番を眺めていると何が違うのかが見えてくるので、現状直営店舗にて販売されているモデルを見ていきましょう。

アルファベット型番を解析する

SCOTCH GRAINでは、ラインナップされている全ての靴にアルファベット型番を設定しています。

商品の識別記号のようなもので、①"1〜2文字の英字"+②"2桁番号"+③"1桁番号"+④"2文字の英字"で構成されています。

それぞれの意味することは①販売ルート、②モデル名、③スタイル、④カラー。①は記載していないこともあります。

SCOTCH GRAINで設定している型番を見ると、この全てが分かるので知っておくと便利です。下記に全てまとめておきます。

①販売ルート

①1〜2文字の英字

販売先

無印 通常モデル
AN アニバーサリーモデル
NL 直営オンラインショップ限定モデル
N 直営店舗限定モデル
I 伊勢丹モデル
D 大丸モデル
T 阪急・高島屋モデル
L 限定企画モデル
H 匠シリーズ(アウトレットのみ)
OP オープンプライス(ディスカウント、リジェクト品)
F ファミリーセール

②モデル名

②3桁の数字

モデル名

920 オデッサⅡ
910/916/919 オデッサ
245/246/248/249 ブローデンⅡ

③スタイル

③1桁の数字

スタイル

0 ブローグ/ダブルモンクストラップ
1 ローファー
2 欠番
3 タッセル
4 プレーントゥ
5 ウィングチップ
6 ストレートチップ
7 シングルモンクストラップ
8 スワールトゥ
9 Uチップ

④カラー

④英字

カラー

BL ブラック
BR ブラウン
BO ボルドー
MBR ミディアムブラウン
DBR ダークブラウン
LBR ライトブラウン
NV ネイビー

PREMIOUM GRADE

いわゆるセカンドラインで、モデル名で言うとオデッサとブローデンが属しています。

価格はオデッサが¥39,000、ブローデンが¥37,000。インペリアルシリーズと比べてまだ手が出せそうな定価設定で、プラスチック製シューキーパーが付属します。木製はコストが掛かるのですが、プラスチックでも付属するだけ有難いですね。

使用されている皮は、ヨーロピアンボックスカーフとベガノカーフがメイン。ヨーロピアンボックスカーフはドイツタンナーのウエンハイムレザー社製で、インペリアルシリーズに使用されるエクストラヨーロピアンボックスカーフのセカンドに位置する革。ベガノカーフはフランスタンナーのアネノイ社製の上級カーフです。

さすがにノーサンプトンのEDWARD GREENやJohnLobbのような10万円代後半以上のブランドと比べると質は劣りますが、そこまで拘るのは靴好きのマニアくらいのもので、今まで数千円〜2万程の革靴からこのグレードのものを取ればツヤ感や光り方が明らかに違うのは使ってみれば分かります。

アウトソールはトップゴムレザーソール。すり減りやすいトゥの先端はゴム製で削れる速度を抑えてくれます。雨の日は革の反り返りが悪くなったり、ゴムを劣化させるので使用を控えた方が良いですね。

ではオデッサとブローデン、現行で用意されている型式を見ていきましょうか。

オデッサⅡ

オデッサには無印とⅡがあります。こちらは最新のオデッサⅡで、スタイルはセミブローグのみとなっています。

トゥにメダリオン、縫い目にパーフォメンションが施されており、ビジネスからパーティ、ひいてはカジュアルまで幅広く使用できます。冠婚葬祭にも使えないこともないですが、足元が鮮やかになるので結婚式はOK、葬式はNGです。葬式に許されるのは基本的に黒のプレーントゥかストレートチップのみ。

カラーは3種類用意されており、BL(ブラック)、DBR(ダークブラウン)、MDR(ミディアムブラウン)。

ラストはロングノーズ方でやや細身。SCOTCH GRAINでは幅広な日本人に合うようにEEEウィズといった英国靴にはあまりないウィズを展開しているものが多いのですが、このオデッサⅡはEウィズです(それでも英国ブランドと比べると広めなのですが)。サイズ感が独特なので、〇〇cmといったレングス表記で判断せず試着して合うか合わないか判断されることをお勧めします。在庫が合えばオンラインショップで買えますが少なくとも自分のジャストサイズを試着して把握することは必須です。

920BL/DBR/MDR

オデッサ

こちらは無印オデッサです。スタイルとしては、ストレートチップ、ダブルモンクストラップ、外羽根Vチップの3種類がラインナップされています。

ラストはオデッサⅡと同等、ロングノーズスタイルでEウィズのみの展開です。

910BL/MBR

ダブルモンクストラップ。歴史は古く15世紀頃の修道士(Monk)が考案したストラップ付きのサンダルを起源とします。

バックルの金属部分がカジュアルな印象を与えるので、披露宴やパーティなどのドレッシーな服装には合いますが、葬祭などの畏まった場所では控えることが無難ですね。

カラーはBL(ブラック)とMBR(ミディアムブラウン)の二色展開。ブラックがヨーロピアンボックスカーフでミディアムブラウンがベガノカーフです。

ちなみにSCOTCH GRAINでのモンクストラップスタイルはこのオデッサしかありません(アウトレットや特定の百貨店限定では用意されているかもしれませんが限定的です)。

916BL/DBR/MDR

安定のストレートチップです。上位のインペリアルシリーズで用意されているのはプレスティージとブラックですね。ラストと素材が異なりますが、このオデッサも必要十分の質感です。

カラーはBL(ブラック)、DBR(ダークブラウン)、MBR(見でティアムブラウン)で、ブラックはヨーロピアンボックスカーフ、ダーク/ミディアムブラウンはベガノカーフです。どのカラーを選んでもブローギングされていないシンプルなシルエットなので、苦手な場面のない万能なモデルです。

919BL

オデッサ最後は外羽根Uチップです。オデッサ自体がロングノーズなので羽根を小さめにして細く見えるように工夫されたシルエットです。こだわりを持つならコレ!という定番的な印象を与えちですが、個人的に履きこなすにはファッショナブルな感性が必要と思い、未だ手を出せていません。

外羽根の特徴として、タンの開きが大きくサイズ感の許容が取れるため、ジャストサイズでなくともレースの締め方次第で対応できるのと、脱ぎ履きしやすいのが売りですね。

ビズネス場面でも愛好家が多いスタイルなので、一足ローテに組み込むとシャレオツ感を与えらえるでしょう。

ブローデンⅡ

もう一つのセカンドライン、ブローデンです。こちらは無印はなくⅡのみ用意されており、

スタイル的にはフルブローグ(ウィングチップ)、パンチドキャップトゥ、ストレートチップ、Uキャップの4種類です。

ラストはオデッサとは異なりますが比較的ロングノーズな形状は共通しており、こちらはウィズがEEEとオデッサよりも広く取られています。

オデッサでキツい、小指が痛い、といった症状がある場合は、このブローデンⅡも試してみると良いかと思います。(スタイルは全く違いますが)

アノネイ=ベガノカーフが使われがちですが、ベガノは染色に適しているので茶系に採用されます。

インペリアルシリーズにもオデッサにも使われていないカーフですが、このボカルーもヨーロピアンボックスカーフ同等の質で、確かな光沢感と重厚感があり高級靴に用いられています。

245BL/LBR

フルブローグです。セカンドライン以上でウイングチップが施されているのはこのブローデンⅡだけ。

あらゆる手段で飾り付けを施したフルブローグですが、ドレッシーな印象からパーティ向け。セミブローグで物足りない方へ。

カラーはBL(ブラック)、LBR(ライトブラウン)の二色展開です。

246BL

定番のストレートチップです。ほぼ全てのモデルで用意されています。

特徴はこれまで話した通りで、ブローデンⅡに関して言えば"幅広"なので、インペリアルは高いし、オデッサはキツイしといった方に特にお勧めできます。

248BL/LBR

パンチドキャップトゥ。ストレートチップ寄りのブローグ靴です。

個人的に大好きなスタイルで、そこまで彩りをつけたくないけどワンポイントアクセントが欲しい。そんな時はトゥの縫い目にだけブローギングを入れたら良い。ストレートチップの質実剛健さもいいですが、一文字だけ穴飾りを入れてやるだけで柔らかい表情に変わると感じるのは私だけでしょうか。

フォーマル上の格式で言えば、通常のストレートチップと同格です。穴飾り=フォーマルNGというものではなく、要はほどほどにねってこと。

冠婚葬祭、ビジネス、パーティ、挨拶、パーティ、どこにでも履ける超万能スタイルなので、足幅が大きくて合う靴が見つからない、でもグッドイヤーが良いと言う方はこのブローデンⅡのパンチドキャップトゥを是非!

カラーはBL(ブラック)とLBR(ライトブラウン)の二色展開です。

249BL

Uチップっていうスタイル自体珍しいものですが、モカシン縫いの一種です。オーバーレイ・ブラックとも呼ばれています。

スキンスティッチによる防水性能もさることながら靴としての堅牢感を買われ狩猟靴やスポーツ靴として親しまれてきました。

外羽根でガシガシ履くことができるため、ビジネス上でも普段使いには問題ありませんし、カジュアルスタイルに決め込んでも問題ない一石二鳥なスタイルです。

カラーはBL(ブラック)一色展開で、もともとはヨーロピアンボックスカーフが採用されていましたが、2016年よりボカルーに変更されています。

 

サイズ感はEEEウィズとかなり幅広であるものの、かかとに落ち込むサイドの縫込みがスタイリッシュに見せてくれるので細身に見せてくれます。

セカンドラインまとめ

いかがだったでしょうか。

オデッサの無印とⅡは番手が新しいのが良いというわけではなくてラストも材質も同じの単なるスタイル違い。

ブローデンは、ラストも材質も異なりますが幅広EEEウィズで多様なスタイルを擁しています。

このグレードに用いられている革は、ヨーロピアンボックカーフ、ベガノカーフ、ボカルーカーフの3種類で、革自体の優劣はありません。

SCOTCH GRAINでは革のグレード基準を独自に設けており、その質に見合ったモデルを作っているので、製法と革質にこだわりたい、でもコストが…という方はオデッサかブローデンを選択すればまず間違いありません。

普段革靴に2万以内しかかけてこなかった人がいきなり5万以上出すには躊躇するでしょうし、かといって3万円以下のものではグッドイヤーでも質はイマイチです。

インポート靴で同価格帯のものと比べると、オデッサ、ブローデンの方が圧倒的に質が良いです。輸入による余計なマージンが取られていない分、質感が価格に反映されますし、このラインに使われている革で靴を造ろうと思ったらどこも4万じゃ無理なレベルですからね。

それくらい品質が良いことは保証しますので、「ちょっと良い靴を…」と考えておられるメンズに是非オススメしたいです。

以上、オデッサとブローデンでした。

 

ベルオム、アシュランス等のスタンダードグレードについてはこちら!

Twitterでフォローしよう