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シンガポールのカスタムIEMメーカー、Jomo Audioから新作カスタムが4種類登場してからしばらく経過しましたが、ファーストオーダー分がちらほら完成している頃合いです。発売日に一度聴いてはいるものの、周りの完成報告に触発されたので改めて一挙全モデル試聴してきました。簡単ではありますが、まとめてレビューしたいと思います。

Melange

  • いずれもハイブリッド型でDeux(デュー)とQuatre(キャトル)の2種類が存在
  • DeuxだとBA*1,DD*1の2Wayクロスオーバー、QuatreだとBA*3,DD*1の4Wayクロスオーバー
  • Cross Sync Uniphase(CSU)搭載
  • Airflow Control Unit(ACU)搭載
  • DeuxはS$999(9万強)、QuatreはS$1999(≒17万円強)
  • Effect Audio AresⅡ付属
  • Deuxはリラクシーな中低域、Quatreはスパーキーな高音が特徴

このハイブリッドモデルの特徴としては4種類のフィルターを交換できる点。DDのベント孔を調整することで低域の量感を調整でき、

  • 黒:Balanced
  • 銀:Musical
  • 青:Energetic
  • 赤:Impact

の順に低域が増強されます。ドライバーの出力、ネットワークはそのままなのでBA担当の出音はそのままですが、低域が増えることで相対的にボーカル帯が引っ込んでしまったり、ドンシャリ傾向が強くなったりします。

Deux

DD*1,BA*1のシンプルなドライバー構成。現地価格はS$999に対して国内価格は¥95,000と内外価格差はほとんどありません。

Jomoらしいエナジー感満載のサウンドなのがDeux。新作の中で最も低域に寄せたモデルでデフォルトの黒フィルタではパンチ力がありませんが、上から2つ目の青フィルタに入れ替えてみると驚くほど濃密でパワフルな中低域に早変わりするのが好印象でした。赤フィルタにするとやりすぎなくらいベースがブンブン鳴るので青で十分。青でもやかましいと感じるかも。銀フィルタは試していませんが、青でも低音過多と感じるなら銀に下げてみて調整するのがよいでしょう。私の用途だと黒では物足りないので銀⇄青を行き来して使うことになりそう。

Quatre

DD*1,BA*3、DeuxにBAを2基増設した計4ドライバー。現地価格はS$1999で国内は18万ちょい。若干割高ですが許容範囲内。

Deuxとは打って変わって全体的にスッキリお高く止まったような綺麗めなサウンドです。BAドライバーを増やしたことで解像感と分離感はこちらの方が上ですね。Jomo全体に言えることですが容赦なく高域を刺してくるのでスッキリ感はあまり感じられません。フィルタ交換による変化としては最も強烈な赤フィルタでもDeuxの銀フィルタ相当。個性で言ったらDeuxの方が断然分かりやすく、価格帯も18万相当と手を出しづらいのが難点。

Tango

  • BA6基搭載、5Wayクロスオーバー
  • Cross Sync Uniphase(CSU)搭載
  • S$1999(≒17万円強)
  • Effect Audio AresⅡ付属
  • ステージモニター系のサウンド

Sambaの下に位置するモデル。現地価格はS$1999で国内は17万ちょい。Quatreと同じ価格帯ですがTangoの方が1万円ほど安くなります。

Tangoも強烈な高域が特徴で、ガンガン耳の奥を突いてくるハイに病みつきになります。メーカーの紹介ではステージモニター系と謳われていますが、高域に寄せたリスニングモデルという印象。低域は直前に赤フィルタのDeuxを聴いたこともあってスカスカに聴こえましたが、よくよく耳を澄ましてみると必要十分レベルで出ているように感じました。Sambaの高域を強くして低域を絞ったような帯域バランスで、Flamencoのハイブーストが好みならヒットするかも。

Salsa

  • BA4基搭載、4Wayクロスオーバー
  • Cross Sync Uniphase(CSU)搭載
  • S$1399(≒12万円強)
  • Effect Audio AresⅡ付属
  • ボーカル強調型のサウンド

新作の中で最もバランスの良いモデル。現地価格はS$1399、国内は12万ちょいとレート通り。

グレードは下の方に位置しますが、曲者ぞろいのJomo Audioの中では一番まともというか万人ウケしそうなモデルがSalsa。中域の情報量が豊富で高域はそれほど強くはありません。ボーカルが近く、歌詞入り曲を聴くにはもってこい、Tangoでハイがブッ刺さるのが嫌ならばSalsaも検討してみる価値あり。

Jazz

  • BA2基搭載、2Wayクロスオーバー
  • Cross Sync Uniphase(CSU)搭載
  • S$799(≒6万円代中盤)
  • Effect Audio AresⅡ付属

エントリーモデル。現地価格はS$799、国内は¥65,000とレート通り。

他がFlamencoやTango、Sanba、Salsaとラテン系のネーミングが揃う中でこいつだけなぜ演奏ジャンル??となりましたが、ラテンジャズというスクエアビートを刻むタイプがあって納得。中高域にフォーカスしたリスニング系で低域は控えめ。6万円台のカスタム、AresⅡということを考慮すると予算はないけどカスタムIEMを試したいカスタマーにお勧めしたいモデル。

買いか否か

付属ケーブルはこれまで同様Effect AudioのAresⅡが標準付属。フラグシップ級のFlamencoやSambaにも用いられています。これだけで2万円くらいしますし、取り回しも良好なので複数本所持したいケーブルです。新作カスタムの最廉価モデルJazzだと実質的に4万円くらいでBA2基が入手できると考えるとかなりお得な気がしますね。

最もインパクトが強かったのはハイブリッドのDeux。初期のカスタムSamba以上の低域で、全体的に荒削りだけどベースの攻め方が特徴的で欲しくなりました。AresⅡを考慮すると本体は7万、同じ価格帯の新作だとFAudio SCALEも人気がありますが、こちらも中々のもの。

良くも悪くも一癖も二癖もあるモデルが多いので、濃ゆいサウンドが苦手ならばほとんどのモデルがダメである可能性は高いのですが、ビルドクオリティも高く、フェイスプレートオプション・シェルオプションが豊富すぎるJomo Audioはもう少し注目されてもいいメーカーと個人的に思っています。

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