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IRIVERからAstell&Kernとはブランドを切り離した新製品"ACTIVO CT-10"が登場しました。IRIVERにしては珍しくアンダー5万という価格帯で、コンセプトもはっきりしているのでそこそこヒットしそうな感じです。久しぶりにDAPレビューしてみたいと思います。

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ACTIVO CT-10の概要

新ブランド「ACTIVO」の第一弾製品となる『CT10』は、ミュージックラヴァーへ、ハイレゾ音源を気軽に楽しめる環境を提供したいというブランドコンセプトを形にした、新しいスタイルのポータブルオーディオプレーヤーです。

最新のスマートフォンユーザーも一切のストレスを感じない、滑らかでな使用感を実現するために「Quad-Core CPU」を搭載。軽量コンパクトサイズに加え、ラウンドエッジデザインによるシンプルなフォルムは、違和感なく手のひらにぴったりとフィットします。

音質に関しては、Astell&Kernの技術を凝縮した一体型モジュール「TERATON」を主要回路として組み込むことで、一切の妥協を排除。多くのハイエンドモデルと比べても遜色の無い、各種機能を搭載しています。

リーズナブルな価格帯でありながらハイエンドモデルを凌駕するポテンシャル。ハイレゾ新世代に向けたポータブルオーディオプレーヤー、それが『ACTIVO CT10』です。

(公式HPより引用)

要するに音楽鑑賞用の道具にはこだわりたいけど、お金はそれほど掛けたくないというライトユーザー向けの製品群として新たに立ち上げられたブランドが"ACTIVO"、そのブランド内の一発目の製品が"CT-10"というわけです。

Astell&Kern譲りの音質を踏襲しているという謳い文句でユーザーを取り込もうとしていますが、実際ライトユーザーはAKなんて知らないわけでどこまで知名度が向上するかはなんとも言えませんよね。ともかくスペックやら音質についてまとめていきましょう!

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外観・操作性

CT-10はこれまでのAstell&Kernのようなゴツゴツしたデザインではなく、全体的に丸みを持たせ、ライトユーザーに受けそうなシンプルな見た目。物理キーは画面に向かって右上に音量ダイヤル、左側に曲送り/再生・停止/曲戻しの3つのボタン、上部に3.5mm出力、下部にUSB-Bタイプの入力端子が設けています。IRIVERが推している2.5mmバランスも取っ払っており、コストを抑えているけどアンバランスで妥協しない音作りを実現。厚みはそれなりにあるもののスマホよりも小さいサイズ感で、女性の手にも収まり良く、大きすぎて使いにくいということもなさそうです。

液晶画面は全体にジャケットが映るわけではなく、左側に寄ってしまっています。AK70MkⅡと同じくらいの表示サイズで縦長に映されるので、この辺りは少し思っていたのと違うかも…

操作性はサクサクで、これまでこのようなガジェットを触ったことのない方でも直感的に操作できるUIが搭載されています。頻繁に使う機能は「お知らせ」に設定しておくことでショートカットすることができます。ボリュームダイヤルのクリック感はやや固めですが、使っていくうちにやわらくなり耐久性が心配です。画面からも音量を切り替えられるので、基本的にこちらで操作する方が無難です。参考までに私が以前使用していたAK240でも同じようなダイヤルが付いていたのですが半年も使用したら誤動作が頻発して使い物にならなかったです。別の製品なのでこの辺りはクリアしているでしょうが、ホイール式はあまり信頼できません。

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仕様・特徴

特徴としては大きく4点。クアッドコア、モジュールテラトン、USB-DAC、SDスロットです。一つずつ見ていきましょうか。

Quad-Core CPU

大容量のハイレゾ音源でも高い安定性を持って音楽再生が可能。一昔前までは非常に高価で電化製品に使用されることが少なかったクアッドコア。しかし近年では、IntelのCore i7、Core 2 Quad、AMDのPhenom II X4などが登場したことで商品ラインナップが充実し、価格戦略も加わり、クアッドコアは一般の利用者にも身近な存在となりました。パソコンなどでは性能向上のために当たり前のように搭載されていますね。性能がデュアルコアの倍になるわけではなりませんが、同時に処理できるスピードが向上することからUI面でのメリットが大きくなります。

Astell&Kern製モジュール「TERATON」

ACTIVO CT10はグループ企業であるIRIVER社に開発支援を要請して製品化されたものです。Astell&Kernで培った技術を凝縮すべく、クロックジェネレーター、ヘッドホンアンプ、Hi-End DACなどを一体型のモジュールにした「TERATON」を採用。主要回路をAstell&Kernによる一体型モジュールで組み込むことで、音質を犠牲にすることなく製品本体の小型化を実現しました。このモジュールは将来的にACTIVOのみならず、他のオーディオメーカーに部品として販売していくことも考えているのかもしれません。

USB DAC

本体下部のUSB-Bmicro端子から、DAC搭載ポータブルヘッドホンアンプなどの機器とUSB接続による転送が可能。PCM、DSD、DoP (DSD over PCM)伝送で最大DSD256まで対応しています。市販のOTGケーブルを併用することでDSD対応のポータブルヘッドホンアンプを通じてDSDネイティブ再生も楽しむことができます。さらにUSB-DACとしてPCと接続することも可能。パソコンに保管されているデータをCT-10を通じて再生することで、出力を強化することができます。

MicroSDスロット1基搭載

内蔵メモリはわずか16GBですが、MicroUSBスロットを1基搭載しています。公式的には400GBまでは対応。最大416GBの音源を保管することができ、ちなみに400GBのMicroSDカードは2018年5月現在で¥25,000ほど。しばらくしたらこなれた価格になるでしょうが、200GBが¥8,000で購入できるので、216GBで運用するのもライトに使用する分には必要十分ですね。

音質

ちらっと試聴しただけなので簡単に。やや中域が厚くなっており、低域バンバン、高域キンキンというわかりやすい特徴は感じられませんでしたが、全体的に解像感は高めですね。イヤホンで聴く分にはパワーは気にする必要がありませんが、インピーダンスの高いDreamやRE2000などのダイナミックイヤホンは音量をかなりあげなければならず、無理やり低域を強化している感が否めなせんでした。低音量で出力確保できる能率のいいイヤホンで聴いてみることをオススメします。向いている音源はロックやポップス、ボカロ、映画・ゲームサントラなどなど、音数が多いパワフルなサウンドと相性が良かったです。

価格

定価で¥39,800と4万円を切る価格で登場。不要な部分は思い切ってカットしたことで実現した価格だと思います。私も同メーカーのAK380のジュラルミン、カッパー、ステンレスの3素材を所持していますが、これらは大きすぎ・重すぎで持ち歩くには向かなかったりします。ポータブルオーディオに求められるのは「コンパクトで軽い」というのが最大のメリットになるので、そこを押さえた上で音質的にも妥協しない姿勢が見受けられたのでこの部分は好感が持てますね。通常ならば値下がりを待つことをオススメするのですが、これくらいの価格帯ならばとりあえず試してみてもいいんじゃないかなぁと思います。

まとめ

数年前に似たようなコンセプトでAK.jrが出ましたが、こちらの方は上位機種と比べても明らかに手抜き感が否めませんでした。今回のように完全にブランドを切り分けて設計から見直してきたのは意外でした。

競合としては同じ価格帯のOPUS#1Sでしょうか。こちらはSDスロットを2つ持っており、バランス端子も設けられているので仕様面で同じとは言えませんが、各社アンダー5万の機種を揃えてきているってことは新規需要を取り込まないとやっていけないのかな、と思ったり。

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