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最近注目しているブランドの一つ、FAudioのカスタムモデルを一気に試聴してきました。7月に秋葉原で開催されたポタフェスでもMixwaveブースで聴くことができたのですが、その時はダイナミック一発のユニバーサルモデルPassionやMajorだけだったため、カスタムモデルは初お見えです。この2機種がかなり印象良かったのでメーカー全体としても有望株に位置付けております。ダイナミックモデルに関してはポタフェス時点で店頭設置用のデモ機が上がってきていないことから発売時期未定の状況で、営業さんの話を聴く限りでは9月頃迄を目安にとのことでした。PassionとMajorはその時じっくり試聴するとして、今回はBAマルチとハイブリッド仕様のカスタム計4種類を聴いてきたので、ざっくりまとめたいと思います。

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FAudioとは

FAudioは香港の新興メーカー。LGエレクトロニクスやボーダフォン、オーディオメーカーのMiniwattなどの企業でエンジニアとして経験を積んできたFung Wong氏が2014年に設立しました。Miniwattも香港のメーカーで、真空管アンプなど据え置き界隈では有名ですよね。

設立当初はOEMや技術コンサルタント業を主としてビジネスを始めますが、その途中でミキシング・エンジニアであるKen Lee氏が経営に参加。私は知らなかったのですが、当初は「リモールド」や「リシェル」を依頼できたメーカーの一つで現在はこのサービスはオーダーできなくなってしまいました。リモールドを世界中から受け付ける傍ら、BAドライバーの最大手であるKnowles社や中華BAメーカーと共同で新しいBAドライバーの設計開発を始めます。

2016年には、FAudioブランド初のカスタムIEM「KFシリーズ」をリリース。紹介文では「ユニークなサウンドとコストパフォーマンスを両立した独自性の高いメーカーとしてアジア圏での知名度を確保した」と記載されていますが、私は知りませんでした笑

今では各種ドライバーの開発ノウハウが蓄積されたことで、BAマルチに留まらず、ダイナミックモデル、ハイブリッドモデルも手がけることのできる新興メーカーとしては珍しい技巧派として、2018年8月に日本上陸を果たしました。

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カスタムIEMラインナップ

第一発目として、カスタムIEMの4モデルが用意されました。

  • SCALE:BA1-DD1のハイブリッドモデル
  • CHORUS:BA*3基、Low*1-High*1-Allrange*1の3Way
  • HARMONY:BA*5基、Low*2-High*2-Allrange*1の3Way
  • SYMPHONY:BA*7基、Low*2-High*2-SuperHigh*2-Allrange*1の4Way

最も下に位置付けられているSCALEがハイブリッドで、CHORUS→HARMONY→SYMPHONYの順にドライバーが2つずつ増えていきます。お値段も比例して上がっていきますが、価格水準としては同じドライバー数のライバルメーカーより若干安いのがありがたいですね。それでは早速聴いていきましょう。

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SCALE

BA*1-DD1のハイブリッド型カスタムで、ドライバー構成だけならば同じ時期に発売されたJomo Audioの新作MelangeのDeuxと同じ。しかしSCALEで採用されているドライバーはBAもDDも共にフルレンジという類を見ない構成で、同一帯域でもDDとBAが重なることになります。一般的にハイブリッド型と言えばDDの沈み込むような低域とBAの高解像感を両立するモデルと認識されていますが、SCALEの場合は低域だけDDなどと拘らず全域ミックスしてしまえばいいじゃんと常識を覆してきました。2018年はEMPIRE EAESのLegend XやNemesis、64 AudioのN8など、風変わりなハイブリッドモデルが増えてきているので、一口にハイブリッドといってもそのメーカーの独自性が出やすくなっているのがポイントですね。

さてSCALEの音質ですが、ボーカル特化型、女性ボーカルがマッチします。男性ボーカルも悪くないのですが、複数ボーカルが入れ替わり立ち替わり奏でてくれるユニットが最高に素晴らしい。kalafinaって言うんですけどね。

フルレンジを2基積んでおり、低域と高域の一部はDD、地それ以外はBAを主としてチューニングされている感じ。低域はベース音だけ際立っており、吹奏楽器やヴァイオリンの低音は甘さがあります。エレキギターはギュルギュル前面に出てくるので、ベース、ギター、ドラム、ボーカルといったシンプルなバンド形態はノリよく聴けます。音数が多くなると個性を失いますし、ボーカル主体のユニットが特に相性が良いですね。

お値段は¥72,500とカスタムIEMにしてはかなりオーダーしやすい価格帯です。このサウンドでインプレ含めて8万弱というのはかなりヒットしそうな予感!

CHORUS

BA3基、Low*1-High1-Allrange*1という変わった配分。Mixwaveと共同開発の上誕生したらしいです。

ボーカルが引っ込むシャリシャリ型で個人的にはイマイチ。個人的に高域が強い機種は好みであることが多いのですが、ローがほとんど出ておらず、楽器の高音はかなり無理をしている感じがするのでこれはノーチャンスです。次!

HARMONY

BA5基、Low*2-High2-Allrange*1、CHORUSの構成にLowとHighにそれぞれ1基ずつ追加しています。これもCHORUSと同じくMixwaveと共同開発モデル。

低域が若干増えて高域は無理をしなくなりましたが、ハイハットのパシーンって音がめちゃくちゃ刺さります。シンプルにドンシャリって言葉が似合いますね笑 ボーカルも引っ込んでおり、この機種でなければならないアイデンティティをあまり感じられません。

ちなみに価格は¥146,500、ワンランク下のCHORUSは¥93,700と5桁万円台におさまっておりますが、この2機種よりもフルレンジハイブリッドのSCALEの方が断然好みです。次いきましょう!

SYMPHONY

BA7基、Low*2-High*2-SuperHigh*2-Allrange*1の4Way。

LowとHigh2つずつ、フルレンジに1つのHARMONYの構成に超高域に2つ追加しています。

CHORUS、HARMONYと立て続けにネガティブな印象を受けたのでSYMPHONYもダメかと思いきや、、、

かなりイイです。良い意味で期待を裏切ってくれました。ここまで高域を伸ばす必要があるのかと疑問に思いながら装着してラルクの"風に消えないで"を再生してみると、CHORUSHARMONYで悪目立ちしていた高域のシャリつきが控えめになるとともに、低域の量感も増えて全体的にバランスのいいサウンドに仕上がっています。ボーカルも前の方に出てきて、中域を担当するフルレンジユニットが本気を出してきた印象。同じフルレンジユニット使っているはずなのに、こうも違うのかと。中域はボーカルだけでなく楽器全般も迫力を増す他、ベース音も力強くなり、クラシック以外の幅広いジャンルで使えそう。

価格は¥188,800とまぁまぁ値は張りますが、サウンドクオリティレベルは相当高いと思います。シェルオプションもかなり豊富で片耳あたり¥7,000~¥9,000でグリッターやらナゲット、惑星や自然を象ったカラーリングなどをつけることができるのも魅力の一つであります。

まとめ

ひとまずカスタム版で印象が良かったのはSCALEとSYMPHONYの2機種でした。冒頭でチラッと名を出したダイナミックのPassionやMajorはもう少し低域寄りだったと思いますが、最もBAを搭載したSYMPHONYでも低域はあっさりしているので、FAudioの哲学的にはローよりもハイを重視しているのでしょうかね。

一つ気になるのは、アジア圏で名を馳せておきながらメーカーホームページが見当たらない件。現地価格も不明ですし、いくら新興メーカーでもホームページくらい持っていてもおかしくなくない?ってのが素朴な疑問。シェルの造形技術も不明なので人柱にはなりたくありませんが、FitearやVisionEars、64Audio並に綺麗な筐体を作ってくれるならば、今私の中で検討している新カスタムIEMオーダー候補の一つに入る可能性はありますね。

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