【この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。】

Empire EarsのZEUS XIVがMassdropで登場しましたが、すでにディスコンになっているため試聴できる店は存在しません。

https://www.massdrop.com/buy/massdrop-x-empire-ears-zeus-universal-iems

が、Effect AudioとコラボしたArtherという兄弟モデルはまだ生き残っており、eイヤホン秋葉原のリスニングラボで試聴することが可能です。一応スペック的にはZEUS XIVの後継機であるZEUS Rと同じくBA14基8Wayといういかにも多ドラらしい構成となっておりますが、本体のモデル名もArthurとしてZEUSとは切り分けているのでチューニングも異なります。

そういうことなのでArthurを試聴したところでMassdropZEUSの傾向はこんなもんかと掴めるわけでもなく、どう転んでもZEUS XIVの音を連想させるものでもないので、余計に混乱させてしまうことになりかねませんが、ZEUS XIV、ZEUR R、Arthurの3モデルの音質傾向の違いについて書きたいと思います。

ZEUS XIVのスペック

Empire Earsのオリンポスシリーズの筆頭、旧フラグシップに位置していたのがZEUS XIV。ドライバーはBA14基7wayと当初ZEUSより複雑なネットワークを持つモデルは存在しませんでした。だからこそ話題になったわけですが、かなり特徴的な音質チューニングがなされていたため賛否が分かれました。中には「ドライバーを積めばいいってもんじゃないことを分からせてくれるモデル」と皮肉る声も上がりました。

ZEUS Rのスペック

ZEUS XIVをブラッシュアップしたモデルで、ネットワーク数を見直しています。発売したのは2017年初頭だったかな。

初代が7wayだったのに対してRになるともう一段複雑になった8way構成となっております。加えて聴覚保護機能ADELを有しているモデルもあり、中高域を増幅させるB1、低域・高域を強化しドンシャリ傾向に変えるG1、B1とG1を可変させるMAMの3種類が用意されていました。試聴機でも思ったより音の変化が大きかったので実機になるとより効果が見られるのではないでしょうか。

さらに旧ZEUS XIVとZEUS Rを一体にしたスイッチ機構付きのZEUS XRも同時期に登場。Vision Ears VE6XCみたいにシングルスイッチで2つのモデルを切り替えできる仕組みになっています。

ZEUS XIVとZEUS Rの音質傾向の違い

全域で非常に音数が多く、中高域の濃ゆさが病みつきになります。音圧も高いため月並みの言い方になりますがパワフルでエネルギッシュ。後継機のRと比べるとこちらの方がスッキリしますが、高域がそこそこキツいので合わない人にはとことん合わないでしょう。ロックや電子音楽なんかは音がごちゃつく傾向が感じられがちなので、広い音場と多すぎる情報量を活かしてクラシックやバラード、ジャズなど室内でゆったりリラックスしながら座って聴きたくなるような静かな曲にマッチします。

ZEUS Rになるとさらに解像感が上がりXIV以上にリスニングライクなサウンドに変わります。音の情報を不快にならないギリギリのラインを攻めており、中高域寄りという点も変わりませんが、キツさを感じた高音は抑えめに、低域が若干増えております。XIVではクラシック系ジャズ系との相性が素晴らしかったのに対して、Rになると分離感も高まるためロック・電子音楽がノリが良く聴けるよう調整されました。

Arthurのスペック

Empire EarsとEffect Audioのコラボモデル。BA14基8way構成というのがZEUS Rと同じではありますが、モデル名が異なるのでチューニングもいじっているそうです。それに加えて付属しているケーブルもEffect Audioの特注品Excaliburで、Marsよりも金の配合率が高いので、お値段的にも約40万と超弩級になってしまうのも仕方ありません。Excaliburの取り回しはMarsをさらに太くした感じでThor SilverIIとThor SilverII+の違いを想像してもらえれば分かりやすいかも。

ArthurとZEUS Rの音質傾向の違い

Arthurは中域の情報量が非常に多く、Zeus Rより高域が抑えめになっています。低域も出ている方ではありますが、強すぎる中域に埋もれがちでベースの主張はいまひとつ。Rと同じく割とテンポが早くスピーディな音源と相性がいいですね。ロックやゴリゴリのエレクトロは最高に気持ちよく聴けそうです。当然ながらボーカル近め。男性ボーカルは力強く、女性ボーカルは艶めかしさが付与され、ボーカル無しよりも声を聴きたくなるタイプでした。個人的にリケーブルによる効果は間違いなくあると考えれいるので、付属しているExcaliburに依るところが大きいのでしょう。多分ZEUS RにMarsを付ければ似たような傾向になるものを思います。

同じようにケーブルをThor SilverIIあたりに変えると若干ZEUS Rに近づきますが、ZEUS XIVの音質傾向とは程遠いものなので、Massdrop ZEUSを購入しようか迷っている方はArthurを参考にするのは危険かも。半年待った挙句に「思ってたのと違う」となりかねません。

まとめ

ディスコンになってしまったZEUSは販売ししている間は今のLegend Xほど注目を浴びる機種ではありませんでしたが、当初30万近くで売られていたものが、約$1000と半値以下で入手できるとなると聴いたことがなくても気になってしまうという心理は理解はできます。当初のZEUSとMassdrop ZEUSの完成系の質感が全く同等のものかどうかは分かりかねますので、ネットの海に転がっているレビューだけで判断して、その結果失敗ってことにはならぬよう注意願います。

Twitterでフォローしよう