最近になってユニバ版To-Goシリーズを大量に投下したUltimate Ears。今年の春にカスタムIEMモデルとしてUE6Proと UE LIVEの2種類が出ましたが、今更ながらUE6Proをじっくり聴きまして、これが中々印象深かったのでレビューしたいと思います。
UE LIVEのレビューはこちらを参照。
UE6Proの仕様
6mm径ネオジムダイナミックドライバー*2+TrueToneBAドライバー*1基の計3ドライバー構成。今でこそ選択肢が増えてきましたが、ダイナミックとバランスどアーマチュアを混在させるハイブリッド型と呼ばれるタイプ。
大きな特徴はUltimate Ears IPXシステムと呼ばれるコネクタが搭載され、音質面の向上と耐久性の強化が図られており、これはUE LIVEにも搭載されています。IPXコネクションシステムはケーブルメーカーのEstronとの共同開発で実現したコネクションシステムで、従来の2pinやMMCXと比べて耐汗性、耐候性を兼ね備え、アーティストの厳しいライブ環境に耐え得ることができます。我々一般用途ではここまで強力なコネクションシステムは不要ですが、ケーブル自体の耐久性を極めて高いので多少なりともその恩恵に与れることでしょう。
Ultimate Earsは同一モデルであっても世代によってケーブル端子が若干違う、ということが多々あったのですが、今回は名称も全てTo-Goを付けることで過去のモデルと差別化しております。
付属するケーブルはUE SuperBax。低インピーダンスの銀メッキ銅リッツ線ケーブルで、4kgのバーベルを持ち上げられる強度を誇ります。IP67の防水防塵規格に対応している上、細くて軽量なので装着時の煩わしさはあまり感じません。
装着感
- 筐体が耳にマッチしており収まりも完璧。遮音性も高く、騒がしい店内でも大きくシャットアウトしてくれる。
- 装着していてストレスフリー、かつ遮音性もそれなりに確保できている。
- 装着感は良好だが遮音性が伴っていない。イヤピによる調整必須、屋外用途でギリギリ使えるレベル。
- 装着できなくはないが、装着感もいまいちで遮音性も低い。
- 痛みを伴うレベルで筐体が合わず、装着できない。極めて絶望的。
さすがUE。もはやカスタム版にする必要性を感じないほど装着感良好。造形についてはAROMAやqdcの方がクオリティが高いと感じましたが、イヤーピースの変更で十分対応でき装着感に関しては問題なさそう。遮音性はユニバーサルイヤホンの中では高めの部類です。
音質
DAPはAK380SS+SSAMP。全体的に丁寧でベースラインの主張は控えめではありますが、あらゆる楽器の音を強弱の差はあれど満遍なく聴き分けることのできる優秀なモニターホン。中低域を担当するダイナミックドライバーが2基組まれているので、音の傾向としてもベースやドラムの量感が多いのが特徴。ただ低域が多いだけでなくすっきりクリアな高音が混じってくる上、帯域バランスもきっちり調整されているので低音の篭りは感じません。UE5PROはもう少し軽快、6PROは若干重々しくもフレーズの区切りが発揮しているのでリズミカルに聴けるモデルと上手く差別化できていると思います。
価格
定価で94,000弱。インプレッション込みだとほぼ10万ですね。
カスタム版だと10万以下ではかなり有力な選択肢になります。ユニバーサル版でもライバルモデルは多数ありますが、もう少し頑張ればXELENTOやN5005なども視野に入ってくるのが悩ましいところですね。