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ここ数年でユニバーサルモデルの価格高騰が叫ばれていますが、カスタムIEMに関しては元々一品一様品のマニアックな製品だったこともあり30万以上、40万以上のモデルが出ても驚きません。(感覚の麻痺とはこのこと)

メーカーによっては10万円台でフラグシップをオーダーできるところも中には存在しますが、10~20万の価格帯がミドル〜ミドルハイ、20万以上がハイエンドという位置付けにしているところが多いと思います。

カスタムIEMはメリットよりもデメリットの方が大きいと考えているので、ファーストオーダーの際は自身の用途・使い方に合っているかをよく考えると良いでしょう。

カスタムIEMをオーダーする上で「実際自分が欲しい音」と「予算」との兼ね合いが難しいところではありますが

  • 音<価格重視(最初の一台は様子見でエントリークラスから試そう)
  • 価格<音重視(どうせ安くても10万前後するんだから、高くても上の価格帯も検討しよう)

前者なら「カスタムIEMが身体に馴染む」→「やっぱり上のモデルの音が忘れられない」→ 「2本目をオーダー」

後者なら「これはこれで素晴らしい」→ 「別の傾向のハイエンドが欲しい」→ 「2本目をオーダー」

という流れで結局行き着く先は複数オーダーとなりがちです。ぶっちゃけ一本目は「好きな音」でも「予算の縛り」でもどちらでもいいので自身が優先したい方針を取ればよいかと思います。「やっぱりこっちを頼んでおけばよかった」とならぬよう事前の試聴比較は必須ですから、ご自身でよくメリットとデメリットを考えてみて下さい。

それではハイエンド帯のオススメモデルを紹介していきましょう!

(10~20万のミドルレンジ帯は紹介したいモデル数が多すぎるので後回しです笑)

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Vision Ears

VE6 XControl

かつてのフラグシップモデル"VE6XControl" トップ落ちしましたが全く色褪せず今尚オンリーワンの音を奏でるモデル。

スイッチを下げると低域を増強したVE6X1、スイッチを上げるとX1時と比べてフラットなVE6X2となります。ドライバー構成はいずれも

他のモデルにも共通して言えることですが、Vision Earsの音作りは硬質で解像度が極めて高いのが特徴。ボワつくことがなく、不要なところを極限まで削り取ったようなサウンドに私も病み付きになりました。

X1はX2の解像度をそのままに、ベース・バスドラを主とした低域を強調し、X2はX1と比べると低域量が減りますがその代わり楽器ごとの分離感が強まります。スイッチダウンで低域がブワッと増して、スイッチアップで全体を見通せるサウンドに変わります。

スイッチなしのモデルも当然用意されていますが、VE6X1/VE6X2それぞれの価格は¥210,000、

一方両者を切り替えられるVE6XCは¥266,000と差額は¥56,000。

値上がりしてしまったので少し前はそれぞれ1~2万程安かったのですが、どうせオーダーするならばスイッチモデルにする人が圧倒的に多いそうです。私は当初VE6X1の方が気に入っていたのですが、時間が経つにつれてVA6X2も好むようになったのでスイッチ付にして正解だったと思っています。

VE8

VE8は現行のフラグシップモデル。
音質傾向的には一つ下のVE6XCとは似てもつかず、どちらかと言えばもう一つ下のVE5の系譜を受け継いだモデルです。極めてボーカルが近く、あらゆるアーティストの声をクッキリハッキリ届けてくれます。高域にドライバーを寄せていることもあって音像自体はVE6X2に次ぐレベルクリアー。Vision Earsにおいて解像感が高いのは当たり前ですが、音場が然程広くないので横に広がる生々しさはあまり感じません。音の分離感も強めでボーカルが近いだけなく、各パートのサウンドを明確に聴き分けられます。
反面VE6XCのようなキレのある低音は望めず、スピード感もVE6XCの方が優れています。ラインナップ上のグレードはVE8の方が上ですが方向性が全く異なるため、VE6XCユーザーの琴線に触れるかどうかはなんとも言えません。個人的には分離感は強い方が好みなのですが如何せんやりすぎ感が否めずVE8はオーダーには至りませんでした。純粋な解像感とスピード感で言えばVE6が上回っています。
価格は一気に上がって¥320,000。Vision Earsはドライバースペックに対する価格帯が他のメーカーと比べるとかなり割高な傾向にあります。30万の予算があれば9割以上のカスタムIEMを選べる状況にあるので、よ〜く試聴比較するとよいでしょう。

ちなみにVision Earsでは2本目以降をオーダーする際にファミリー割が適用されます。本国ドイツでも同様で、割引率としては10%程度なので微妙ですが頭に入れておくとよいでしょう。(セール適用で値上げ前と同じくらい)

ポタフェス特価等のセールと併用することはできず、むしろセールの方が安くなるケースがあるので、少しでも安くオーダーしたい方はポタフェスを待つのが最善です。

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ULTIMATE EARS

UE LIVE

世界最大のカスタムIEMメーカーULTIMATE EARS。価格帯も10万以下のエントリー帯から20万以上のフラグシップまで幅広く用意されており、ファーストオーダーにこのメーカーを選ぶ人も多いです。
"UE LIVE"はそんなULTIMATE EARSのフラグシップ機で、昨年春に出た最近のトレンドを組み込んだモデルです。
もともとプロユースを前提としているため、耐久に優れる独自のケーブル端子"IPXコネクションシステム"が採用されています。多くのメーカーがMMCXやカスタム2pinを採用しているためリケーブルの際の互換性がない点に注意。"IPXコネクションシステム"自体ケーブルメーカーのEstronとの共同開発で実現したもので従来の2pinやMMCXと比べて耐汗性、耐候性を兼ね備え、アーティストの厳しいライブ環境に耐え得ることができると謳われています。
音質面では低音のパンチ力は強めでモニター系IEMにしては珍しく、ベースの主張が激しく心地よい低域のうねりを感じさせてくれます。他に際立つ楽器はエレキとハイハット。ベース含めたこの3つのパートは存在感が前面に出てきて、ロック形態のサウンドは聴いていて最高にハイになれます。電子音楽も良いのですが、ズッシリした低域に高域にキレが加わるので音量に注意が必要です。
硬質感は抑えめで音の性質としてはウェット。みずみずしいサウンドで音粒の残影がはっきりします。音場はステージモニターを謳っているだけあって広め(後述するLegend Xと比べると劣りますが) 各パートの音がきめ細かくそれでいて迫力も兼ね備えており、その名の通りライブ音源を聴くにはもってこいのモデルです。
価格は¥279,800とカスタムIEMの中でも高額の部類ですが、ユニバーサルモデル"UE LIVE To Go"も併売されているので装着感がユニバーサルでも気にならない方はそちらをオススメします。
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EMPIRE EARS

LEGEND X

Empire Earsは米国アトランタに拠点を置くメーカー。とりわけ技術を採用する傾向にあり、カスタムIEM最大と14ドライバーを積んだ"ZEUS"(旧フラグシップ)やドライバーごとに帯域を指定することができるsynX crossover技術を盛り込んだハイブリッド型カスタムIEMは非常に人気が高くなっております。(ハイブリッド型自体は中国Unique Melodyが得意とするもので目新しさはありません)
Legend Xは現行のハイブリッド型モデルのフラグシップモデルでDD2基、BA5基の計7ドライバーを搭載しています。最大の特徴は圧巻の空間表現を有しており、カッチリしたモニターホンでは決して出すことのできないサウンドステージの広さが最大の特徴。10Wayクロスオーバーと細分化されているにも関わらず音のつながりに不自然な部分がありません。DD2基搭載されていることから低音の深い所もしっかり出ており心地が良いです。濃密ながらも質が伴っているのでやかましいと感じることが少なかったですが、低域控えめでとにかくクリアーな音像を求める方にはヒットしないかもしれません。
あらゆる楽器の情報量が多く、弦楽器の残響感が強めで余韻も残ります。個人的に音場の広さは重視しないのですが、ここまで横方向にも縦方向にも広く鳴らしてくれるヘッドホンのような聴き心地の良さがLegend Xのオンリーワンたるポイントでしょうか。
価格は¥272,000。つい最近までユニバーサルと同じく¥233,000だったのですが大きく値上がりしてしまいました。ユニバーサルモデルも存在しますが、あまりに人気が高いため慢性的な在庫不足に陥り、結果として生産停止という状況が続いています。定期的に数量限定で別カラーが出たりするので生産終了というわけではありません。

Nemesis

NemerisはLegend Xの一つ下に位置するハイブリッドモデル。BAドライバーが2つ減り、DD2基-BA3基の計5ドライバーを搭載しています。
Legend Xと異なるポイントは低域の支配力が挙げられます。一音一音が重々しく、かつベースラインが前面に出てくるタイプです。土台を作るように中高域を支えるというより空間全体が低音主体の特徴的なサウンドとなっています。単純に量が多いわけではなく、靄がかかったような低音の曇りは感じません。ボーカルライン、高域サウンドの通り道だけ残してそれ以外はベースが空間全体をコントロールしているような印象を受けます。Legend Xも比較的低域強めのリスニングタイプのモデルですが、低域全体で曲を先導しつつも篭る部分が少ない珍しい音場を形成します。
解像感に関しては音粒がハッキリしており良好で、じっくり聴くと深いところ、高いところまでしっかり鳴らせていると感じました。楽器の分離感もほどよく、低域が支配している分ベースが曲全体をまとめ上げている感が強いです。ただし低域が曲全体をまとめ上げるようなチューニングとなっているので、ベース不在、ドラムが控えめな曲調は相性が悪いように思います。オールラウンドなのはLegend Xですが、低域寄りが好みであればNemesisも候補に入るでしょう。
価格は¥189,000。(若干20万を割っていますがLegend Xとまとめて紹介したかったので当記事に入れております)

JH AUDIO

ROXANNE

JH AUDIOはカスタムIEMの神様-Jerry Harvey-がUltimate Ears社を売却後、2009年に新たに設立した会社です。Jerry Harvey氏は自身が立上げたUltimate Ears社を離れ、自らが本当に作りたいモノを作り続ける為、JH Audioという新しい会社を設立しました。現在も新技術を追い求め新しい作品を作り続ける一方で、過去に手掛けて今も尚色褪せない名機もディスコンにせず残っています。
その一つが"ROXANNE"、Low*4-Mid*4-High*4の計12ドライバーを搭載したマルチBAモデル。JH Audio のサウンドクオリティを支える独自技術 "FreqPhaseテクノロジー"により各帯域の位相を正確に制御し、アーティストが伝えたい音を完璧に再現できる技術です。ユニバーサルモデルでも同じ技術が用いられていますが、鼓膜までの距離は個人差が大きく、装着感の良し悪しも音の捉え方に影響するため、JH Audioのモデルが合わないと感じる要因の多くはこの技術を享受できるか否かに掛かっています。
また独自開発したIEMケーブルは昔から4pin構造となっており、ケーブルの道中で低域可変ダイヤルが組まれています。ダイヤルを回すことで低域調整が可能となっており、これはROXANNEに限らず多くの他モデルと共通です。
私自身"ROXANNE"の実機を所持していないため音質面を細かく語ることはできませんが、昔からこのモデルはJH AUDIOの中でも特に評価が高く、続々と新製品が登場するカスタムIEM市場においても一歩先を行く完成された存在であると思っております。
ユニバーサルモデルでは初代がアクリルシェル、現行は金属シェルとなっており音質傾向が異なる上、先述した "FreqPhaseテクノロジー"の影響でカスタム版と音の捉え方がガラッと変わる傾向にあるようです。
価格は¥232,200。ポタフェスやヘッドホン祭で20万を切るラインまで安くなるのでオーダーするならそのタイミングがオススメ。また64Audioと同じく直販が可能なので、米ドルレートによっては国内でオーダーするより大幅に安く入手できます。直販だとJH CREWに入っておけば、2本目以降のオーダーは常時15%OFFになります。そのため1本目国内のセールで、2本目以降は直販というスタンスで買い物している方が多いです。

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